Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

UUCP /etc/uucp/Dialcodes ファイル

/etc/uucp/Dialcodes ファイルにより、/etc/uucp/Systems ファイルの Phone フィールドで使用するダイヤルコードの省略名を定義できます。Dialcodes ファイルは、同じサイトにある複数のシステムが使用する基本的な電話番号について、付加的な情報を指定するために使用できます。

このファイルのエントリの形式は次のとおりです。

abbreviation dial-sequence

abbreviation は、Systems ファイルの Phone フィールドで使用される省略名で、dial-sequence は、個々の Systems ファイルのエントリがアクセスされたときにダイヤラに渡されるダイヤルシーケンスです。表 27-6 に、この 2 つのファイル間の対応関係を示します。

表 27-6 Dialcodes ファイルと Systems ファイルの間の対応関係

 

フィールド名 

 

 

 

 

 

Dialcodes 

Abbreviation

Dial-Sequence 

 

 

 

 

Systems 

System-Name 

Time 

Type 

Speed 

Phone 

Chat-Script 

表 27-7 に示すのは、Dialcodes ファイルのエントリの例です。

表 27-7 Dialcode ファイルのエントリ

Abbreviation 

Dial-sequence 

NY

1=212

jt

9+847

最初の行の NY は、Systems ファイルの Phone フィールドで使用される省略名です。Systems ファイルのエントリは、たとえば次のようになります。

NY5551212

uucico は、Systems ファイルから NY を読み取ると、Dialcodes ファイルから NY を探し、それに該当するダイヤルシーケンス 1=212 を取得します。これは、New York City への電話呼び出しに必要なダイヤルシーケンスです。このシーケンスは、1 という番号と、一時停止して次の発信音を待つことを示す等号 (=) と、地域コード 212 で構成されています。uucico はこの情報をダイヤラに送り、再び Systems ファイルに戻って残りの電話番号 5551212を処理します。

jt 9=847- というエントリは、Systems ファイル内の jt7867 などのような Phone フィールドを取り扱います。uucico は、jt7867 を含むエントリを Systems ファイルから読み取ると、ダイヤラとトークンのペアの中のトークンが ¥T であれば、9=847-7867 というシーケンスをダイヤラに送ります。