Solaris ネーミングの管理

FNS とネームサービスとの整合性

タスクの 1 つにシステム管理者の機能が割り当てられていて、FNS とその下層のネームサービス間の整合性を維持しています。これは、ネームサービスのファイル、マップ、またはテーブルと FNS コンテキストが正しく対応しているかどうかをチェックするということです。

Solaris ネーミングの設定と構成』で説明している fncreate コマンドで FNS 名前空間を初期設定して構成するとき、fncreate では、FNS コンテキストが適切に作成され、下層のネームサービスのデータと整合されたことが確認されます。FNS コンテキストが設定された後、ユーザー、ホスト、プリンタなどがシステムに追加または削除されるときに、この対応関係は維持される必要があります。以下の項では、FNS とネームサービスとの整合性を維持する方法について説明します。

FNS と Solstice AdminSuite

Solstice AdminSuite 製品で、基本的なネームサービスでのユーザーとホストの情報を追加、変更、削除できます。AdminSuite ツールでは対応する FNS 名前空間が自動的に更新されるため、この方法をお勧めします。

ネーミングの不一致をチェックする

Solstice AdminSuite 製品を使用せずに FNS または主要なネームサービスを更新するときに、不一致が発生した場合は、FNS ツールの fncheck を使用して解決します。fncheck コマンドは、FNS の hostnameuser のコンテキストと、次のものとの不一致をチェックします。

fncheck コマンドは、FNS 名前空間にあってネームサービスのデータにないホストとユーザー名およびネームサービスのデータにあって FNS 名前空間にないホストとユーザー名を表示します。

コマンド構文は以下のとおりです。


fncheck [-r][-s][-u][-t hostname|username][domain_name]
表 23-1 fncheck コマンドオプション

オプション 

説明 

domain

コマンドを実行しているドメイン以外の NIS+ ドメインにコマンドを適用する 

-t

チェックするコンテキストのタイプを指定する。許容されるタイプは、hostname または username

-s

FNS 名前空間にない名前空間のデータセットからホスト名とユーザー名を表示する 

-r

対応する名前空間のデータセットにないエントリを持たない FNS 名前空間からホスト名またはユーザー名を表示する 

-u

関連した名前空間のデータセットにある情報に基づいて FNS 名前空間を更新する 

-t オプションは、チェックするコンテキスト (ホストまたはユーザー) を指定するために使用します。-t オプションを省略した場合は、hostnameusername のコンテキストの両方がチェックされます。

-r オプションを -u オプションとともに使用すると、FNS コンテキストにしか表示されない項目が FNS コンテキストから削除されます。-s オプションを -u オプションとともに使用すると、名前空間のデータセットにしか表示されない項目が FNS コンテキストに追加されます。-r-s のどちらも指定しない場合は、項目が FNS コンテキストに追加および削除され、対応する名前空間のデータとの整合性が保たれます。