Solaris ネーミングの管理

named.conf ファイル

BIND 8.1 は、新しい構成ファイル /etc/named.conf を追加し、/etc/named.conf ファイルと置き換えます。/etc/named.conf ファイルは、サーバーを、主、副、またはキャッシュ専用ネームサーバーとして確立します。また、サーバーが権限を持つゾーンを指定し、どのデータファイルを読み取って初期データを取得するかを指定します。

/etc/named.conf ファイルには、以下を実現するステートメントが含まれています。

構成ファイルは、デーモンがサーバーの起動スクリプト /etc/init.d/inetsvc によって起動されるとき、in.named によって読み取られます。構成ファイルは、in.named を他のサーバーまたは指定されたドメインのローカルデータファイルに導きます。

named.conf ステートメント

named.conf ファイルには、ステートメントおよびコメントが含まれています。ステートメントはセミコロンで終わります。一部のステートメントは、ステートメントのブロックを含むことができます。ブロックの中の各ステートメントもセミコロンで終わります。

named.conf ファイルは、以下のステートメントをサポートします。

表 28-3
aclアクセス制御に使用する名前付き IP アドレス一致リストを定義。このアドレス一致リストは、1 つ以上の IP アドレス (小数点表記) または IP 接頭辞 (小数点表記の後にスラッシュとネットマスクのビット数をつけたもの) を指定する。acl ステートメントによって名前付き IP アドレス一致リストを定義しなければ、他の場所で名前付き IP 一致リストを使用することはできまない。前方参照は不可
include include ステートメントのある箇所にインクルードファイルを挿入する。include を使用すると管理の簡単なかたまりに構成を分割できる
key特定のネームサーバー上での認証および承認に使用する鍵の ID を指定する。server ステートメントを参照
logging サーバーが記録する情報およびログメッセージの宛先を指定
options グローバルサーバー構成オプションを制御し、他のステートメントのデフォルト値を設定
server リモートネームサーバーに関連付ける指定された構成オプションを設定する。すべてのサーバーに対してではなく、サーバーごとに選択的にオプションを適用
zone ゾーンを定義する。すべてのゾーンに対してではなく、ゾーンごとに選択的にオプションを適用


例 28-1 主サーバー用マスター構成ファイルの例


options {
         directory "/var/named";
         datasize 2098;
         forward only;
         forwarders {
                  99.11.33.44;
         };
         recursion no;
         transfers-in 10;
         transfers-per-ns 2;
         allow-transfer {
                  127.0.1.1/24;
         };
};
 
logging {
         category queries { default_syslog; };
};
 
include "/var/named/abcZones.conf"
 
// これは主ファイルの名前です
zone "cities.zn" {
         type master;
         file "db.cities.zn";
};
 
zone "0.0.127.in-addr.arpa." {
	         type master;
         file "db.127.cities.zn";
};
 
zone "168.192.in-addr.arpa" {
         type master;
         file "db.cities.zn.rev";
};
 
zone "sales.doc.com" {
         type slave;
         file "slave/db.sales.doc";
         masters {
         192.168.1.151;
	};
};
 
zone "168.192.in-addr.arpa" {
	         type slave;
         file "slave/db.sales.doc.rev";
         masters {
                  192.168.1.151;
         };
};

BIND 4.9.x から BIND 8.1.x への移行

スーパーユーザーになって、Korn シェルスクリプト /usr/sbin/named-bootconf を実行して BIND 4.9.x の named.boot ファイルを BIND 8.1.x の named.conf ファイルに変換します。named-bootconf(1M) を参照してください。


注 -

Solaris 8 では、named.boot ファイルは無視されます。