Solaris ネーミングの管理

SOA - 権限の開始

例 28-2 に SOA リソースレコードの構文を示します。


例 28-2 SOA レコードの書式


name class SOA origin person-in-charge ( serial number
		refresh
	retry
	expire
	ttl) 

権限の開始 (SOA) レコードでゾーンの開始を指定します。次の SOA レコードでそのゾーンは終了します。次に SOA レコードのフィールドについて述べます。

name

ゾーン名を指定します。ゾーン名の後にはドットを付ける必要があります。たとえば、doc.com. は正しいですが、一方、doc.com は誤りです。

class

アドレスのクラスです。たとえば、IN は、インターネットを示し、最も一般的に用いられるクラスです。

SOA

リソースレコードのタイプを示します。

origin

データファイルがあるホスト名のフィールドです。ホスト名の後にはドットを付ける必要があります。たとえば、dnsmaster.doc.com. は正しいですが、dnsmaster.doc.com は誤りです。

person-in-charge

ネームサーバーの責任者のメールアドレスのフィールドです。たとえば、kjd.nismaster.doc.com. です。この名前も終わりにドットを付ける必要があります。

serial

データファイルのバージョン番号のフィールドです。データを変更するたびにこの番号を増やしてください。副サーバーは serial フィールドを使って、最後にマスターサーバーからデータファイルをコピーしたときから変更があったかどうかを検出します。

refresh

更新が必要かどうかを見るために副ネームサーバーがどのくらいの頻度で主ネームサーバーをチェックすべきかを秒で指定します。たとえば、7200 は、2 時間を意味します。

retry

リフレッシュのためのチェックに失敗した後、副サーバーがどのくらいの時間再試行するかを秒で指定します。

expire

リフレッシュが頻繁に行われない場合に、データの期限が切れる前に、副ネームサーバーがそのデータを使用する上限の時間を秒で指定します。

ttl

リソースレコードの time-to-live フィールドで使用されるデフォルトの秒数を指定します。このデフォルト値はリソースレコードで ttl が指定されていないときに適用されます。

SOA は各ゾーンに 1 つだけ指定してください。例 28-3 に SOA リソースレコードの例を示します。


例 28-3 SOA リソースレコードの例


;name class 		SOA 	origin				 person-in-charge
doc.com. IN		SOA	dnsmaster.doc.com. root.nismaster.doc.com. (
							101			;Serial
							7200		;Refresh
							3600		;Retry
							432000		;Expire
							86400)		;Minimum			 )