Solaris ネーミングの管理

組織単位の名前空間

組織単位の名前空間では、エンタープライズのサブ単位をネーミングするために階層になった名前空間が提供されます。各組識単位名は組織単位を表す「組織単位コンテキスト」と結合されています。組織単位名は、接頭辞 org/orgunit/、または _orgunit/ によってネーミングされます。短縮形別名の org/ は、内部コンテキストだけで使用され、複合名の途中では使用されません。「エンタープライズ内のネーミングに対する初期コンテキストのバインド」および、「複合名の例」を参照してください。

NIS+ 環境

NIS+ 環境では、組織単位は NIS+ のドメインおよびサブドメインに対応します。

NIS+ では、組織単位は必ずドメインおよびサブドメインにマップされます。それぞれの NIS+ ドメインおよびサブドメインに組織単位を与える必要があります。ドメインまたはサブドメインに論理、組織ユニットを与えることはできません。つまり、NIS+ ドメインまたはサブドメインを小規模な組織単位に分割することはできません。そのため、NIS+ ドメイン doc.com. と 2 つのサブドメイン sales.doc.com. および manf.doc.com. がある場合は、これら 3 つのドメインに対応する 3 つの FNS 組織単位を持つ必要があります。

組織単位は、ドットで区切られた右から左への複合名を使用してネーミングされます。ここでは、各原子要素がより大きな単位内の組織単位をネーミングします。たとえば、org/sales.doc.com. という名前は、doc.com. という名前のより大きな単位内にある sales をネーミングします。この例では、sales は、doc.com. の NIS+ サブドメインです。

組織単位名は、完全指定の NIS+ ドメインまたは相対名の NIS+ 名のどちらかになります。完全指定名には終端にドットが付きますが、相対名には付きません。そのため、終端のドットが組織名にある場合は、その名前は完全指定の NIS+ ドメイン名として処理されます。終端にドットがない場合は、その組織名は最上部の組織階層に対して相対的に解釈処理されます。たとえば、orgunit/west.sales.doc.com. は、west 組織単位をネーミングする完全指定名で、_orgunit/west.sales は、同じサブドメインをネーミングする相対的な名前です。

NIS 環境

NIS 環境では、NIS ドメインに対応する組織単位は各エンタープライズ 1 つずつあります。この orgunit には、orgunit/domainname という名前が付けられ、ここでの domainname は NIS ドメイン名です。たとえば、NIS ドメイン名が doc.com である場合は、組織単位は org/doc.com です。

NIS 環境では、空の文字列を組織単位の省略形として使用できます。したがって、org// は、org/domainname に相当します。

ファイルベースの環境

エンタープライズレベルのネームサービスがファイルベースであるときには、1 つだけの FNS 組織単位が存在し、サブ単位はありません。ファイルベースのネーミングで許容される唯一の組織単位は org// です。