SunSHIELD 基本セキュリティモジュール

監査パーティションを作成してエクスポートする方法

  1. 各マシンに少なくとも 1 つの「一次監査ディレクトリ」を割り当てます。

    一次監査ディレクトリは、通常の条件下でマシンが監査ファイルを配置するディレクトリです。

  2. 一次監査ディレクトリとは異なる監査ファイルサーバ上で、各マシンに少なくとも 1 つの「二次監査ディレクトリ」を割り当てます。

    二次監査ディレクトリは、一次ディレクトリがいっぱいになった場合や、ネットワーク障害、NFS サーバのクラッシュなどの原因でアクセスできなくなった場合に、マシンが監査ファイルを配置するディレクトリです。

  3. 各ディスクフルマシン上で、最後の手段として確保するローカルの監査ディレクトリ (できれば専用の監査ファイルシステム) を作成します。このディレクトリは、ネットワークにアクセスできなくなったときや、一次と二次のディレクトリが使用できないときに使用されます。

  4. 一次と二次の宛先として使用するディレクトリを、システム内の監査サーバに均等に分散させます。

  5. この節で説明した要件に従って監査ファイルシステムを作成します。

    /etc/security ディレクトリには、すべての監査ファイルと、監査制御に関連する他のファイルがいくつか入ったサブディレクトリがあります。/etc/security ディレクトリにはマシンごとの audit_data ファイルが入っており、ブート時に監査デーモンを正常に起動するには、このファイルが使用可能でなければならないので、/etc/security ディレクトリがルートファイルシステムになければなりません。

    監査用の事後選択ツールは、デフォルトで /etc/security/audit の下のディレクトリ内を検索します。このため、監査サーバ上の最初の監査ファイルシステムのマウントポイントに使用するパス名は、/etc/security/audit/server-name です (この場合、server-name は監査サーバ名)。監査サーバ上に複数の監査パーティションがある場合、2 番目のマウントポイントの名前は /etc/security/audit/server-name.1、3 番目の名前は /etc/security/audit/server-name.2 というようになります。

    たとえば、監査サーバ winken 上で使用可能な監査ファイルシステムの名前は、/etc/security/audit/winken/etc/security/audit/winken.1 になります。

    この監査サーバ上では、各監査ファイルシステムに files というサブディレクトリもなければなりません。この files サブディレクトリに監査ファイルが格納され、auditreduce コマンドによって検索されます。たとえば、監査サーバ winken 上の監査ファイルシステムには files サブディレクトリがあり、その完全パス名は /etc/security/audit/winken/files となります。

    各マシン上のローカルの audit_control ファイルが、監査ファイルに対して files サブディレクトリに監査ファイルを格納するように指示しているかどうかを確認する必要があります。次の例は、eagle から監査ファイルシステムをマウントしているマシン上の audit_control ファイルの dir: 行を示しています。

    dir: /etc/security/audit/eagle/files

    監査サーバ上で (何らかの理由で) /etc/security/audit/server-name[.suffix] ディレクトリが使用できないときに、マシンのローカルルートファイルシステムが監査ファイルでいっぱいになるのを防ぐには、別の階層レベルが必要です。監査サーバ上には files サブディレクトリがあり、どのクライアントにも files サブディレクトリがないため、マウントに失敗した場合に監査ファイルをローカルのマウントポイントディレクトリ上で自動的に作成できなくなります。

    各監査ディレクトリに監査ファイル以外のデータが入っていないかどうかを確認してください。

  6. 監査ファイルシステムに必要な許可を割り当てます。

    下記の 表 2-5 は、/etc/security/audit/server-name ディレクトリと、その下に必ず作成する files ディレクトリ上になければならない許可を示しています。

    表 2-5 監査ファイルの許可

    所有者 

    グループ 

    許可 

    root 

    staff 

    2750 

audit_control ファイルのエントリの例

audit_control ファイルに dir: エントリを追加するときは、files サブディレクトリまでの完全パスを指定しなければなりません。次の例は、監査ファイルが専用のローカルディスクに格納されるサーバ blinken に関する audit_control ファイルの dir: エントリを示しています。

# cat /etc/security/audit_control
dir:/etc/security/audit/blinken.1/files
dir:/etc/security/audit/blinken.2/files