SunSHIELD 基本セキュリティモジュール

ipc トークン

ipc トークンには、呼び出し元で特定の IPC オブジェクトを識別するための System V IPC メッセージ/セマフォ/共有メモリハンドルが入っています。このトークンには 3 つのフィールドがあります。第 1 はこれを ipc トークンとして識別するトークン ID、第 2 は IPC オブジェクトのタイプを指定するタイプフィールド、第 3 は IPC オブジェクトを識別するハンドルです。図 A-14ipc トークンを示しています。

図 A-14 ipc トークンの形式

Graphic


注 -

IPC オブジェクト識別子は Solaris CMW 監査トークンのコンテキストに依存しない性質に違反しています。IPC オブジェクトを一意に識別するグローバルな「名前」はありません。代わりに、IPC オブジェクトが使用可能な間だけ有効なハンドルで識別されます。System V の IPC メカニズムはあまり使用されず、すべてが同じ監査クラスを共有するので、識別は問題ではないはずです。


IPC オブジェクトタイプフィールドには、表 A-4 のような値が入っています。値は /usr/include/bsm/audit.h 内で定義されます。

表 A-4 IPC オブジェクトタイプフィールド

名前 

値 

記述 

AU_IPC_MSG

IPC メッセージオブジェクト 

AU_IPC_SEM

IPC セマフォオブジェクト 

AU_IPC_SHM

IPC 共有メモリオブジェクト