このマニュアルでは、遠隔手続き呼び出し (RPC) と、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以下、「 Sun 」とします) が開発した ONC+TM 分散サービスに含まれるネットワークネームサービスである NIS+ のためのプログラミングインタフェースについて説明します。
このマニュアルで説明するインタフェースは SunOSTM と SolarisTM とで共通であるため、ここでは SunOS と Solaris とは同じ意味で使用しています。Solaris 8 は Sun の分散コンピューティングオペレーティング環境です。これは、SunOS リリース 5.8 に ONC+ 技術、OpenWindowsTM、ToolTalkTM、DeskSetTM、OPEN LOOK、およびその他のユーティリティを統合したものです。
このマニュアルで説明するユーティリティ (オプションのユーティリティも含む)、ライブラリ関数は、すべて最新の Solaris 用のものです。Solaris は、Sun で開発したシステムソフトウェアです。旧バージョンの Solaris システムソフトウェア上でユーティリティやライブラリ関数をご使用になると、その動作が異なる場合があります。
このマニュアルは、単独のコンピュータ用アプリケーションをネットワークに対応する分散アプリケーションに変換するユーザー、または分散アプリケーションの開発と実装を行うユーザーを対象にしています。
このマニュアルでは、基本的なプログラミングの能力と、C 言語および UNIX オペレーティングシステムの使用経験を前提としています。ネットワーク対応のプログラミングの経験があれば役に立ちますが、必須ではありません。
第 1 章「ONC+ 入門」では、ONC+ 分散コンピューティングプラットフォームとサービスについて詳しく紹介します。
第 2 章「TI-RPC 入門」では TI-RPC を紹介します。
第 3 章「rpcgen プログラミングガイド」では、rpcgen ツールを使用してクライアントとサーバーのスタブを作成する方法を説明します。
第 4 章「RPC プログラマインタフェース」では、プログラミング環境での RPC の使用方法について説明します。
第 5 章「NIS+ プログラミングガイド」では、NIS+ アプリケーションプログラミングインタフェースについて説明します。
付録 A 「XDR テクニカルノート」 では、データのフォーマットと型変換のために XDR を使用する方法を説明します。
付録 B 「RPC プロトコルおよび言語の仕様」 では、RPC 用プロトコルについて、構文と制限事項を説明します。
付録 C 「XDR プロトコル仕様」 では、XDR プロトコルと言語について説明します。
付録 D 「RPC サンプルプログラム」 では、このマニュアルで使用するサンプルプログラムの一部について、全リストを収録します。
付録 E 「portmap ユーティリティ」 では、portmap ユーティリティとその機能を説明します。付録 E 「portmap ユーティリティ」 は、SunOS の旧バージョンで作成したアプリケーションを現バージョンで使用するときに参照してください。
付録 F 「SAF を使用したポートモニタプログラムの作成」 では、アプリケーション開発の参考として、SAF を使用するポートモニタプログラムの作成方法を示します。
次のオンライン AnswerBookTM 製品はネットワークプログラミングについて説明しています。
「Solaris 8 Reference Manual Collection」
「Solaris 8 Software Developer Collection」
Sun の NFSTM 分散コンピューティングファイルシステムについては、以下を参照してください。
『NFS: Network File System Protocol Specification version 3』RFC 1813、Sun Microsystems
『NFS: Network File System Version 3 Protocol Specification』 Sun Microsystems、1993 年。PostscriptTM ファイルが anonymous ftp で入手できます。
ftp.uu.net:/networking/ip/nfs/NFS3.spec.ps.Z bcm.tmc.edu:/nfs/nfsv3.ps.Z gatekeeper.dec.com:/pub/standards/nfs/nfsv3.ps.Z
1094 NFS: Network File System Protocol specification (version 2)
1509 Generic Security Service API: C-bindings
1510 The Kerberos Network Authentication Service (V5)
1813 NFS Version 3 Protocol Specification
1831 RPC: Remote Procedure Call Protocol Specification Version 2
1832 XDR: External Data Representation Standard
1833 Binding Protocols for ONC RPC Version 2
2078 Generic Security Service Application Program Interface
2203 RPCSEC_GSS Protocol Specification
以下の一般図書と記事には、ネットワークプログラミングについての詳しい説明があります。
UNIX Network Programming, W. Richard Stevens (Prentice Hall Software Series, 1990)
Power Programming with RPC, John Bloomer (O'Reilly & Associates, Inc, 1992)
Networking Applications on UNIX System V Release 4, Michael Padovano (Prentice Hall, Inc., 1993)
Distributed Computing:Implementation and Managment Strategies (Edited by Raman Khanna. Prentice Hall, 1993)
Using Encryption for Authentication in Large Networks of Computers, R.M. Needham and M.D. Schroeder in 「Communications of the ACM」 (Vol. 21, No. 12, pages 993-999, 1978)
Section E.2.1: Kerberos Authentication and Authorization System,S.P. Miller, B.C Neuman, J.I. Schiller and J.H. Saltzer (「Project Athena Technical Plan」, MIT Project Athena, December 1987)
Kerberos: An Authentication Service for Open Network Systems, J.G. Steiner, B.C. Neuman, and J.I.Schiller (Usenix Conference Proceedings, Dallas, TX, pages 191-202, February, 1988)
専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。
http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索をおこなうこともできます。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2 では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャ を意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、 Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon の各プロセッサ、 および AMD、Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。