ONC+ 開発ガイド

RPCSEC_GSS API

RPCSEC_GSS API セキュリティタイプを使用すると、ONC RPC アプリケーションは、GSS-API の機能を利用することができます。RPCSEC_GSS は、次の図のように、GSS-API 階層の「最上部」に位置しています。

図 4-1 GSS-API と RPCSEC-GSS のセキュリティ階層

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RPCSEC-GSS のプログラミングインタフェースを使用する場合は、ONC RPC アプリケーションは以下の項目を指定できます。

メカニズム

セキュリティのパラダイム。各種セキュリティメカニズムでは、1 つまたは複数レベルのデータ保護と同時に、それぞれ異なる種類のデータ保護を提供します。この場合、GSS-API によってサポートされる任意のセキュリティメカニズムを指定します (Kerberos v5、RSA 公開鍵など)。

サービス

プライバシまたは完全性のいずれかを指定します (あるいはどちらも指定しない)。デフォルトは完全性です。この項目はメカニズムに依存しません。

QOP

保護の質。QOP により、プライバシまたは完全性サービスを実現するために使用する暗号化アルゴリズムのタイプが指定されます。各セキュリティメカニズムには、それに関連する 1 つまたは複数の QOP があります。

アプリケーションは、RPCSEC_GSS によって提供される関数により、QOP およびメカニズムのリストを入手できます (「その他の関数」を参照)。開発者は、メカニズムと QOP をハードコード化し、使用するアプリケーション内に埋め込むことは避けてください。そうすれば、新しい、または異なるメカニズムおよび QOP を使用するためにアプリケーションを修正する必要はありません。


注 -

これまでは、「セキュリティタイプ」と「認証タイプ」は同じものを表していました。RPCSEC_GSS の導入によって、「タイプ」は現在、多少異なる意味を持ちます。タイプには、認証とともにサービス (一貫性またはプライバシ) を含むことができますが、現在は RPCSEC_GSS が、これを実行できる唯一のタイプです。


RPCSEC_GSS を使用すると、ONC RPC アプリケーションは、他のタイプを使用して行う場合と同様に、ピアにセキュリティコンテキストを確立し、データを交換してこのコンテキストを破棄します。一度コンテキストが確立されると、アプリケーションは、送信したデータユニットごとに QOP およびサービスを変更できます。

RPCSEC_GSS データタイプを含む RPCSEC_GSS の詳細については、rpcsec_gss(3NSL) のマニュアルページを参照してください。