en_US.UTF-8 ロケールは、Solaris 8 製品では重要な Unicode ロケールです。このロケールは、UTF-8 をコードセットとして使用することで、マルチスクリプト処理能力をサポートし実現します。このロケールは、複数のスクリプトでテキストを入出力できます。これは、Solaris オペレーティング環境で最初にこの機能を持ったロケールでした。
UTF-8 は、1992 年の X/Open-Uniform Joint Internationalization Working Group (XoJIG) によって公式化され、1996 年に ISO と IEC によって ISO/IEC 10646-1:1993 の修正第 2 条として承認された Unicode/ISO/IEC 10646-1 のファイルシステム安全汎用文字セット変換形式です。この規格は、Unicode Consortium、ISO (国際標準化機構)、IEC (国際電気標準会議) によって、Unicode 2.0 および ISO/IEC 10646-1 として採用されました。
en_US.UTF-8 は、Unicode 3.0 および ISO/IEC 10646-1 で定義されている、各コードポイント値の計算をサポートしています。Solaris 8 では、言語スクリプトのサポートは全ヨーロッパロケールだけに限らず、韓国語、繁体字中国語、簡体字中国語、日本語などのアジア言語のスクリプトが含まれます。フォント資源の節約のため、Solaris 8 ソフトウェアには次の文字セットの文字グリフのみ含まれています。
ISO 8859-7 (ギリシャ語)
ISO 8859-8 (ヘブライ語)
TIS 620.2533 (さらに多くの表示形式の文字グリフを含むタイ語)
ISO 8859-15 (ユーロ記号を含む多くの西ヨーロッパ言語)
GB 2312-1980 (簡体字中国語)
Big5 (繁体字中国語)
JIS X0201-1976, JIS X0208-1983 (日本語)
KS C 5601-1992 Annex 3 (韓国語)
対応するグリフが en_US.UTF-8 ロケールに含まれていない文字をユーザーが表示させると、ロケールが、代わりに「No-glyph」というグリフを以下の例のように表示します。
Solaris 8 環境より、このロケールはコアクラスタ以外のすべてのクラスタで使用できるようになりました。
まったく同じレベルの en_US.UTF-8 ロケールのサポートが、64 ビットと 32 ビットの Solaris システムの両方に用意されています。
Motif および Solaris CDE のデスクトップアプリケーションとライブラリは、en_US.UTF-8 ロケールをサポートしています。OpenWindows、XView、および OPENLOOK の DeskSet アプリケーションとライブラリでは en_US.UTF-8 ロケールをサポートしていません。