国際化対応言語環境の利用ガイド

国際化および Solaris CDE

共通のオープンシステムに複数の環境を存在させて、さまざまな言語をサポートすることができます。これらをロケールと呼びます。ロケールは、データを表示するための言語、フォント、慣習を指定します。Solaris CDE は完全に国際化されており、任意のアプリケーションを任意のロケールで実行できます。アプリケーションはコードセット非依存で、任意の複数バイトコードセットをサポートしていなければなりません。

すべての構成要素は単一の、全世界共通の実行プログラムとして提供されます。これらの構成要素は、米国、ヨーロッパ (西欧および東欧)、日本、韓国、台湾、タイ、中華人民共和国、中東をサポートしています。

フォントおよび文字セットの一致

ロケールの文字を表示するためにさまざまなフォントセットが使用されます。特定のフォントの文字セットはロケールに依存します。この情報はロケール固有の app-defaults ファイルに記述します。このファイルには、フォントセットフォントフォントリストが含まれます。

XmFontSet はロケール依存のフォントを指定します。リソース名は *fontSet です。フォントの名前を具体的に指定してはいけません。XFontStruc のリソース名は *font です。フォントリストにはフォントのリストおよびフォントセットが含まれます。XFontList はフォントを指定します。

言語対応されたテキストの保存

各言語のテキスト文字列は、アプリケーションとは別に、ロケール名により識別されるディレクトリに保存しなければなりません。これらの文字列は、リソースファイル、メッセージカタログ、専有ファイルの 3 つのタイプのファイルに保存されます。

リソースファイルとメッセージカタログはどちらも、テキスト文字列を提供するファイルです。リソースファイルはロード時に変換され、メッセージカタログは事前にコンパイルされてアクセスの準備が行われます。アプリケーションはコードセット非依存で、任意の複数バイトをサポートしていなければなりません。専有ファイルは、テキスト文字列を含む情報のデータベースである場合があります。理想的には、テキスト文字列はリソースファイルまたはメッセージカタログに保存してください。テキスト文字列が専有ファイルで提供される場合、ツールを開発してテキスト文字列を抽出して置換しなければなりません。

Xlib の依存性

X ロケールはホスト環境で定義された 1 つまたは複数のロケールをサポートします。direct XlibTM は ANSI C ライブラリに準拠し、ロケール宣言メソッドは setlocale() 関数です。この関数はホストの C ライブラリと Xlib の両方のロケール操作を設定します。Xlib の操作は LC_CTYPE カテゴリにより管理します。これを現在のロケールと呼びます。XSupportsLocale() 関数は、現在のロケールが X によりサポートされるかどうかを判断するために使用されます。

メッセージガイドライン

メッセージガイドラインは、一貫した形式およびスタイルのテキストの作成に使用するために作成します。明確で簡単な英語を使用し、最低限の英語を理解できるユーザーがすべてのメッセージを理解できるようにします。『共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド (国際化対応編)』の最後には、明確かつ簡潔で、翻訳可能なメッセージを作成するためのガイドラインが数多く示されています。メッセージは問題を説明し、正確に処置を実行する方法を提案しなければなりません。翻訳担当者向けに、概要や変数などを説明するコメントも含めます。この資料には、メッセージカタログの形式やメッセージ自体のスタイルについてのアドバイスがリストされています。

翻訳されるメッセージカタログを送信する前に、メッセージカタログを英語から国際的な英語、つまり、簡単で他の言語に翻訳しやすい英語に翻訳することも役に立ちます。これにより、翻訳作業が効率化し、翻訳担当者の問い合わせが減り、コストが削減されます。