システムインタフェース

プロセスのスケジューリング

UNIX システムのスケジューラは、プロセスをいつ実行するかを決定します。このスケジューラは、構成パラメタ、プロセスの動作、およびユーザの要求に基づいてプロセスの優先順位を管理し、これらの優先順位を使用して CPU にプロセスが割り当てられます。

スケジューラ関数を使用すると、特定のプロセスの実行順序と、各プロセスが他のプロセスに CPU を明け渡すまでに CPU を使用できる時間をすべてユーザが制御できます。

デフォルトでは、スケジューラはタイムシェアリング方式を使用します。タイムシェアリング方式では、プロセスの優先順位を動的に調整して、対話型プロセスには適切な応答性能、CPU を多く使用するプロセスには良いスループットを提供します。

スケジューラは、実時間スケジューリング方式も提供します。実時間スケジューリングにより、ユーザはプロセスごとに優先順位を固定できます。固定優先順位とは、システムによって変更されない優先順位のことです。最も優先順位の高い実時間ユーザプロセスは、他のシステムプロセスが実行可能な状態になっても、実行可能になりしだい常に CPU を使用できます。したがって、プログラムでプロセスの正確な実行順序を指定できます。また、実時間プロセスの応答時間がシステムによって保証されるようなプログラムも作成できます。

ほとんどの SunOS 5.0 から 5.8 のバージョンでは、デフォルトのスケジューラの構成で十分に機能するため、実時間プロセスは必要ありません。管理者が構成パラメタを変更したり、ユーザが各自のプロセスの優先順位を変更したりする必要はありません。ただし、タイミングの制約が厳しいプログラムでは、実時間プロセスでなければ制約を満たせないことがあります。

詳細は、priocntl(1)priocntl(2)dispadmin(1M) の各マニュアルページを参照してください。このテーマの詳細な説明は、第 3 章「プロセススケジューラ」を参照してください。