システムインタフェース

priocntl(1) コマンド

priocntl(1) ユーティリティは、プロセスをスケジューリングする際に、次の 4 つの制御機能を実行します。

priocntl -l

設定内容が表示される。 

priocntl -d

プロセスのスケジューリングパラメタが表示される。 

priocntl -s

プロセスのスケジューリングパラメタが設定される。 

priocntl -e

指定したスケジューリングパラメタでコマンドが実行される。 

以下に、priocntl(1) を使用した例をいくつか示します。

デフォルト設定について -l オプションを使用すると、次のように出力されます。


$ priocntl -d -i all
CONFIGURED CLASSES
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SYS (System Class)

TS (Time Sharing)
Configured TS User Priority Range -20 through 20

RT (Real Time)
Maximum Configured RT Priority: 59

すべてのプロセスについての情報を表示する例


$ priocntl -d -i all   

すべてのタイムシェアリングプロセスについての情報を表示する例


$ priocntl -d -i class TS

ユーザ ID が 103 または 6626 のすべてのプロセスについての情報を表示する例


$ priocntl -d -i uid 103 6626

ID 24688 のプロセスに実時間プロセスのデフォルトパラメタを設定する例


$ priocntl -s -c RT -i pid 24668

ID 3608 のプロセスを優先順位 55、タイムスライス 5 分の 1 秒の実時間プロセスとして設定する例


$ priocntl -s -c RT -p 55 -t 1 -r 5 -i pid 3608

すべてのプロセスをタイムシェアリングプロセスに変更する例


$ priocntl -s -c TS -i all

ユーザ ID 1122 のプロセスに対して、タイムシェアリングユーザ優先順位とユーザ優先順位限界を -10 に減少させる例


$ priocntl -s -c TS -p -10 -m -10 -i uid 1122

デフォルトの実時間優先順位で実時間シェルを開始する例


$ priocntl -e -c RT /bin/sh

タイムシェアリングユーザ優先順位を -10 にして make を実行する例


$ priocntl -e -c TS -p -10 make bigprog

priocntl(1) は、nice(1) の機能を包んでいます。nice(1) は、タイムシェアリングプロセスについてだけ有効で、数値が大きいほど優先順位が低くなります。上の例は、「増分」に 10 を指定して nice(1) を実効するのと同じです。


$ nice -10 make bigprog