Java 2 SDK 開発ガイド (Solaris 編)

同期処理におけるオーバーヘッドの軽減

次の各機能によりマルチスレッドアプリケーションの同期オーバーヘッドが減少するため、性能が向上します。

高速同期モニターロック/高速スレッド同期

Java 2 SDK Solaris 版では新しい高速ロックアルゴリズムが内部的に使用されるため、メソッドの同期化が効率的になります。この VM では、Java プラットフォームの同期化プリミティブの実装が大幅に拡張されました。この実装では、並行プログラムの実行が効率的になり、同期化プリミティブが単一スレッドのアプリケーション性能に与える影響が減少します。

ロック競合の抑制

Java 2 SDK Solaris 版は、スレッドに対してローカルなデータ構造を使用し、よりきめの細かいロックを行うことによって、VM においてできる限りロック競合が発生しないようにします。

VM のコアロックアーキテクチャは、よりきめの細かい VM ロックを行うことができます。このロックによって、競合するスレッド実行パスの数が最低限に押さえられます。競合するパスが少なくなるということは、あるスレッドの実行が他のスレッドを妨害する可能性が低くなることを意味します。これにより、マルチプロセッサ (MP) のスケーラビリティが改善されます。また、きめの細かいロックにより VM が大量の同時処理を行うことが可能になります。