共通デスクトップ環境 プログラマ概要

マルチユーザでの共用

ToolTalk およびアクションの機能はアプリケーション間の連携を強化しますが、デスクトップもユーザ間での共用テクノロジを定義します。つまり、共有のユーザ・データへの分散アクセスです。デスクトップはいくつかの基本共有機能を定義し、既存の機能の一番上に構築しています。

既存機能上での構築の例としては、カレンダ管理の遠隔手続き呼び出し (RPC) クライアント/サービスがあります。デスクトップは、ユーザがアポイント情報を共有できるようにクライアント側ライブラリと API、RPC プロトコル、およびデーモン/サービスを提供します (API は X.400 アプリケーション・プログラミング・インタフェース・アソシエーション (XAPIA) によって標準化され、UNIX、PC、パームトップ・カレンダで相互に使用できる標準になります)。RPC プロトコルにより、ユーザは他のユーザのカレンダをブラウズし、直接編集できます。アクセスはユーザ固有のアクセス・コントロール機能で制御されます。カレンダはホストに結びつけられ、カレンダのデータはホスト固有のデーモンが管理します。デスクトップは user@host フォーマットによりカレンダを管理します。

共通デスクトップ環境は従来の分散ファイル・システムを使用して、ネットワークで共有できるファイルを管理します。分散ファイル・システムに依存しないインタフェースを提供するため、デスクトップは ホスト関連ファイル名をローカルに表現できるファイル名に変換する API を提供します。デスクトップは NFSTM システムに基づいていますが、他の分散ファイル・システムへ移植できます。デスクトップ・ファイル名マッピング API を使用すると、遮断されたファイル名オブジェクトを構築したり、ネットワークのデスクトップ・クライアント間で渡したり、ホスト固有の方法で解釈できます。また、プログラミング・タスクとエンド・ユーザ・メタファを単純にするため、共通デスクトップ環境のアプリケーションはローカル・ファイル・パスとしてリモート・ファイルのリファレンスを提供できます。

マルチユーザの共用アプリケーションを構築する基礎となるものの 1 つに、ファイルの共有機能があります。ネットワーク・ファイルの命名規則は、ファイル範囲指定と呼ばれる ToolTalk ファイル共有機能と結合して、ファイル共有によってマルチユーザでの共用を可能にします。ファイル範囲指定は、単純で排他的なアクセス・コントロールのためのメカニズムをもっています。協調するクライアントは、ファイル範囲指定アクセスを使用してファイルへのアクセスを調整できます。たとえばファイルに排他的アクセスをしているアプリケーションは、他のアプリケーションがファイルへの排他的アクセスを望んでいるときに、ユーザがアクセスを終了したかどうかを確認します。