共通デスクトップ環境 プログラマ概要

標準フォント名

共通デスクトップ環境で定義された標準フォント名は、すべての共通デスクトップ環境準拠システムで使用できることが保証されています。これらは実際のフォントを示すものではありません。各システムのベンダが最も適切に使用できるフォントにマップするための別名です。アプリケーションでこのフォント名のみを使用していれば、任意の共通デスクトップ環境準拠システムで最も近いフォントを使用できます。これには、最も一般的な設計および形式で使用できる X Window System のフォント名を含みます。

標準フォント名は、別の共通デスクトップ環境プラットフォームでは、通常 X のフォント別名機能によって別のフォントにマップされます。これによって異なるプラットフォーム上のさまざまなフォントから選択しなければならないという問題から解放されます。また、特定のベンダの共通デスクトップ環境の実装でデフォルトのフォント・セットを使用できるようになります。

共通デスクトップ環境は 2 種類の標準フォントを定義します。アプリケーション・フォントとインタフェース・フォントです。アプリケーション・フォントをアプリケーションからの出力に使用してください。Motif ウィジェットおよびデスクトップではインタフェース・フォントを使用します。このデフォルト・フォントは変更しないでください。

アプリケーション・フォント

すべての共通デスクトップ環境プラットフォームで、最小 6 種類のフォントサイズが使用できます。各フォントは、標準フォント名 8、10、12、14、16、18、24 に関連しています。共通デスクトップ環境用 XLFD フォントの記述は次のようになります。

-dt-application-*

上記のようなパターンを使用すれば有効です。

テキストの表示に使用されるフォントのデザインのバリエーションで最も一般的なのは、serif と sans serif 、およびプロポーショナルと固定幅文字の選択です。これら 2 つのデザインのバリエーションを組み合わせると、次の 4 つのデザインがあります。

上記 4 つのデザインの一般例は次のとおりです (順序は上記のとおりです)。

これらのデザインには、(太さと傾斜の組合せによる) 次のような 4 つのスタイルがあります。

上記 4 つのスタイルにはそれぞれ 4 つのデザインのバリエーションがあるので、合計 16 種類のフォントが生成されます。この 16 種類のフォントは一般のデスクトップ・コンピューティングで最も一般的に使用されるものです。たとえば Times Roman (タイムズ・ローマン)、Helvetica (ヘルベチカ)、Courier (クーリエ) は 4 つのスタイルにありますが、シンボル・フォントと共に Adobe 13、つまりすべての PostScript プリンタに組み込まれるフォントの最小セットを構成します。

アプリケーションは、正式なフォント・ファミリまたはフォント名を必要としませんが、たとえば固定幅フォント、sans serif フォント、serif フォントなどの使用は必要です。特定の共通デスクトップ環境プラットフォームに存在する正式フォント名を知る必要はありません。共通デスクトップ環境標準フォントは、ベンダのプラットフォームで最適な特定のデザインの選択をデフォルトにしています。

アプリケーションが必要とするフォントのリソース値として、アプリケーションの app-defaults ファイルでは概要アプリケーション・フォントの XLFD フォント名を指定して下さい。このフォント名を使用しない場合は、各共通デスクトップ環境プラットフォーム上の各アプリケーションに対して、別の app-defaults ファイルを提供する必要があります。

インタフェース・フォント

インタフェース・フォントは、特定のプラットフォームでデスクトップの外観を定義するのに最適化されたフォントの小さなセットです。これらのフォントはウィンドウ・タイトル、ボタン、メニュー、テキスト・フィールドなどに表示されている様に、少量の情報を明確にすばやく伝達します。

標準デスクトップおよび Motif ツールキット・ウィジェットはインタフェース・フォントを使用します。これらのフォントは、アプリケーション・ウィンドウ内で直接使用しないでください。

標準インタフェース・フォント名は標準アプリケーション・フォント名とは異なります。これはアプリケーション・フォント名のように、別の共通デスクトップ環境プラットフォーム上では、別のフォントにマップされます。インタフェース・フォントには次の 3 つのスタイルがあります。

上記のスタイルサイズには 7 種類のサイズがあります。スタイル・マネージャを使用して、ユーザがデスクトップで使用するインタフェース・フォントのサイズを選択することもできます。

デモ・プログラム

/usr/dt/examples/template にある描画プログラムのデモは、独自のインタフェース・フォントを指定しません。共通デスクトップ環境 Motif インタフェース・フォントの表示例を示します。ただし、このデモでは、アプリケーション・フォントは利用していません。

関連マニュアル

標準フォントの詳細は、関連するマニュアル・ページ、特に DtStdAppFontNames(5) および DtStdInterfaceFontNames(5) の XLFD フォント名のリストに関する記述と、『Solaris 共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド』を参照してください。