共通デスクトップ環境 プログラマ概要

スタイル管理

スタイル・マネージャにより、ユーザは GUI を使用してデスクトップをカスタマイズできます。ユーザはほとんどの共通カスタマイズ・オプションについて X リソースなどの高度な概念を気にしないですみます。スタイル・マネージャは、背景の設定、キーボード設定、マウス設定、スクリーンセーバ・オプション、ウィンドウ管理、セッション管理などデスクトップ全体の属性を制御できるようにします。これらの属性は、アプリケーションに直接影響を与えないか、X サーバまたはウィンドウ・マネージャによって間接的に影響を与えます。

アプリケーション開発者は、フォントの選択、カラーの選択、入力デバイス・マッピングによってより直接的に影響を受けます。Motif ツールキットおよび共通デスクトップ環境は、これらの設定のほとんどをウィジェットに対して透過的に処理します。ただし、アプリケーションがユーザのフォントとカラーの設定に対応する場合、アプリケーションはデスクトップに対して、より統合されているように見えます。直接マウスで対話するアプリケーションは、たとえばマウス・ボタンのダブルクリックに同じ最小間隔の値 (multiClickTime リソース) を使用するなど他のアプリケーションと一貫した動作をすれば、デスクトップにより統合されているように感じられます。

プラットフォーム・ベンダのディスプレイと使用可能なフォント・セットとの相違点をなくすため、共通デスクトップ環境は実際のフォント名の二次的な名前であるフォント別名を定義します。デスクトップが使用するように別名を使用してください。

スタイル・マネージャはユーザにカラー選択オプションを提供して、デスクトップのカラー・スキーマを調整できるようにします。このカラー情報は共通デスクトップ環境だけで使用されるものです。ウィジェットをサブクラス化するアプリケーションは、継承されたバックグラウンド・ピクセル値を参照することによって、カラー・スキーマの一部に間接的にアクセスできます。XmGetColors() を呼び出すと、3D シャドウ・カラーが生成されます。

共通デスクトップ環境は、アイコンで使用するような固定のカラーに対してカラーの使用法を指定しません。ただしこの場合、カラーの共有を増進するため、アプリケーションは共通デスクトップ環境アイコン・エディタが提供するカラーを使用してください。