ATOK8 では次のように機能が変更されています。
辞書に関して次のように機能が変更されています。
ATOK7 の辞書はシステム辞書とユーザー辞書に分かれていました。ATOK8 の辞書では、この区別はなくなり統合されました。この変更に伴って、辞書メンテナンスツールの辞書区分 (システム辞書・ユーザー辞書) もなくなりました。
ATOK8 で提供される、ATOK7 辞書から ATOK8 辞書への移行コマンド (atok8migd) は、システム辞書でもユーザー辞書でも扱うことができます。このコマンドの詳細については、『日本語入力システムの概要とセットアップ』を参照してください。
ATOK7 では辞書メンテナンスツールの辞書作成機能で空の辞書を作成することができました。ATOK8 では空辞書として atok8you.dic ファイルが提供されます。この変更に伴って辞書メンテナンスツールの辞書作成機能は提供されなくなりました。
ATOK7 ではコマンド行から辞書メンテナンスツールを起動することができました。ATOK8 では ATOK8 ウィンドウから起動する方法だけに変更されました。
ATOK7 では単語を 29 の品詞に分類していました。ATOK8 では単語を 33 の品詞に分類しています。品詞番号が変更されていることに特に注意してください。
ATOK8 では atok8migd(1) の品詞指定だけを ATOK7 の品詞体系で行います。その他の操作は、ATOK8 の品詞体系で行います。ATOK8 の品詞の詳細については、第 9 章「辞書の管理」の表 9-2を参照してください。
表 A-1 ATOK8 と ATOK7 の品詞番号
ATOK8 の品詞番号 |
ATOK8 の品詞 |
ATOK7 の品詞番号 |
---|---|---|
1 |
一般名詞 |
1 |
2 |
固有人名 |
2 |
3 |
固有地名 |
2 |
4 |
固有組織 |
2 |
5 |
固有一般 |
21 |
6 |
名詞サ変 |
3 |
7 |
名詞ザ変 |
4 |
8 |
名詞形動 |
5 |
9 |
独立語 |
6 |
10 |
単漢字 |
7 |
11 |
連体詞 |
8 |
12 |
接続詞 |
9 |
13 |
感動詞 |
10 |
14 |
接頭語 |
11 |
15 |
接尾辞 |
12 |
16 |
数詞 |
13 |
17 |
カ行五段 |
14 |
18 |
ガ行五段 |
15 |
19 |
サ行五段 |
16 |
20 |
タ行五段 |
17 |
21 |
ナ行五段 |
18 |
22 |
ハ行五段 |
|
23 |
バ行五段 |
19 |
24 |
マ行五段 |
20 |
25 |
ラ行五段 |
21 |
26 |
ワ行五段 |
22 |
27 |
一段動詞 |
23 |
28 |
カ変動詞 |
24 |
29 |
サ変動詞 |
25 |
30 |
ザ変動詞 |
26 |
31 |
形容詞 |
27 |
32 |
形容動詞 |
28 |
33 |
副詞 |
29 |
ATOK7 で 2 (固有名詞) に分類されている単語は、ATOK8 では、5 (固有一般) として登録されます。
ATOK8 では ATOK7 からキーの標準設定が一部変更されています。
表 A-2 キーの標準設定 (キー別)
キー名 |
ATOK7 での機能 |
ATOK8 での機能 |
---|---|---|
【PgDn】 |
変換候補の次候補を表示する。 【変換】キーと同等 |
文節変換候補から最後の文字に確定する |
【PgUp】 |
変換候補の前候補を表示する。 【Shift + 変換】キーと同等 |
文節変換候補から先頭の文字に確定する |
【Ctrl + @】 |
日本語入力モードに切り替える |
割り当て機能なし。 日本語入力モードに切り替えるには、 【日本語 On-Off】キー、または【Ctrl + スペース】キーを使用する |
表 A-3 キーの標準設定 (機能別)
機能 |
ATOK7 でのキー |
ATOK8 でのキー |
---|---|---|
単語登録ウィンドウを表示する (ATOK7 では複数、ATOK8 では 1 つだけ表示できる) |
【Shift + F6】 |
【Ctrl + F6】 |
辞書ファイルを変更する |
【Shift + F8】 |
【Ctrl + F8】 |
固定入力選択メニューを表示する |
【Shift + F9】 |
【Ctrl + F9】 |
句読点モード選択メニューを表示する |
【Shift + F10】 |
【Ctrl + F10】 |
一般ユーザーの権限で、変換サーバー部分を含めて動作させることができるようになりました。なお、変換サーバー部分のみ他のマシンで動作させる形のリモート使用はできませんが、入力サーバー部分も含め他のマシンで動作させることは可能です。この機能の詳細は、第 11 章「ATOK8 の起動と終了」を参照してください。
ATOK7 の入力スタイル設定で PreeditNothing、または StatusNothing を選択した場合、未確定文字列やモード状態は各クライアントで共用するウインドウに表示されていました。ATOK8 でそのようなスタイルを選択した場合、各クライアントウインドウの外側下部に作成されるウインドウに未確定文字列やモード状態が表示されます。そのウィンドウはクライアント間で共用されません。各スタイルの設定については、『日本語入力システムの概要とセットアップ』を参照してください。