日本語入力システムの概要とセットアップ

パート II セットアップとファイル

第 2 章 ATOK12 セットアップとファイル構成

この章では、ATOK12 の使用環境のセットアップ方法とファイル構成について説明します。


注 -

この章で説明する手順は、一般ユーザーを対象としています。一般ユーザーとして作業してください。


使用環境のセットアップ

複数の日本語入力システムがインストールされている場合、ウィンドウシステムのデフォルトの日本語入力システムは、次の優先順位で決まります。

  1. ATOK12

  2. Wnn6

  3. ATOK8

  4. cs00

たとえば、ATOK12 と Wnn6 がインストールされている場合、ATOK12 がデフォルトの日本語入力システムになります。

ATOK12 以外の日本語入力システムを使用するように設定されている場合に ATOK12 に切り替えるには、ワークスペースメニューから「ATOK12 に設定...」 [実際には「ATOK12 に設定...」を設定すると atok12setup コマンドが実行されます。atok12setup コマンドの詳細については、atok12setup (1) のマニュアルページを参照してください。] を選択し、いったんログアウトしてから再度ログインします。

「ATOK12 に設定...」の位置は、図 2-1 を参考にしてください。

図 2-1 Solaris CDE で日本語入力システムを切り替える

Graphic

その他の環境設定

次の環境変数の設定が必要です。


注 -

atok12setup コマンドを実行した場合のように ATOK12 だけが動作している環境では、設定する必要はありません。


ファイル構成

ATOK12 のパッケージ構成

ATOK12 をウィンドウシステム上で使用するには、ウィンドウシステムのパッケージ以外に、JSatsvr、JSatsvu、JSatsvw の 3 つのパッケージが必要です。これらのパッケージは、表 2-1表 2-2表 2-3 のファイルで構成されています。

表 2-1 JSatsvr パッケージの内容
/etc/rc2.d/ 
S99atsvシステムの起動時に ATOK ユーザー管理デーモンを起動するスクリプト (/etc/init.d/etc/rcS.d//etc/rc0.d/etc/rc1.d/ にリンクがある)
/var/locale/ja/atokserver/original/usr/lib/locale/ja/atokserver/original/ へのシンボリックリンク
/var/locale/ja/atokserver/systemdic/usr/lib/locale/ja/atokserver/systemdic へのシンボリックリンク

表 2-2 JSatsvru パッケージの内容
/usr/lib/locale/ja/atokserver
atokmngdaemon ATOK ユーザー管理デーモン
/usr/lib/locale/ja/atokserver/original
atok12.conf ATOK12 設定ファイル
atok12.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12n.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12p.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12u1.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
atok12u2.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
atok12u3.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
atok12u4.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
atok12u5.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
/usr/lib/locale/ja/atokserver/systemdic/
atok12.dic ATOK12 基本辞書
atok12tk.dic ATOK12 単漢字辞書
atok12y5.dic ATOK12 郵便番号辞書 (5 桁)
atok12y7.dic ATOK12 郵便番号辞書 (7 桁)
atok12yc.dic ATOK12 郵便番号辞書 (企業)
facem12.dic フェイスマーク辞書
facemi12.dic フェイスマーク辞書

表 2-3 JSatsvu パッケージの内容
/usr/openwin/bin/
atok12setup セットアップスクリプト
atok12migd ATOK8 辞書移行スクリプト

ユーザーが、これ以外のファイルを実行したり参照したりすることはありません。

ATOK12 使用時に作成または更新されるファイルとディレクトリ

次のファイルは、ユーザーが ATOK12 を初めて使用したときに /usr/lib/locale/ja/atokserver/original の同名のファイルから自動的にコピーされます。

表 2-4 ユーザーごとにコピーされる ATOK12 関連ファイル
atok12.conf ATOK12 設定ファイル
atok12.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12n.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12p.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12u1.dic ATOK12 ユーザー辞書
atok12u2.dic ATOK12 ユーザー辞書
atok12u3.dic ATOK12 ユーザー辞書
atok12u4.dic ATOK12 ユーザー辞書
atok12u5.dic ATOK12 ユーザー辞書

次のシンボリックリンクは、ユーザーが ATOK12 を初めて使用したときに /var/lib/locale/ja/atokserver/systemdic の同名のファイルに対して自動的に作成されます。

表 2-5 ユーザーごとに作成される ATOK12 関連シンボリックリンク
atok12.dic ATOK12 基本辞書
atok12tk.dic ATOK12 単漢字辞書
atok12y5.dic ATOK12 郵便番号辞書 (5 桁)
atok12y7.dic ATOK12 郵便番号辞書 (7 桁)
atok12yc.dic ATOK12 郵便番号辞書 (企業)
facem12.dic フェイスマーク辞書
facemi12.dic フェイスマーク辞書

ATOK12 の自動起動設定時に作成または更新されるファイル

次のファイルは、ATOK12 の自動起動設定時に作成または更新されます。

表 2-6 ユーザーのホームディレクトリ下の ATOK12 関連ファイル
$HOME/ 
.dtprofile Solaris CDE 起動時に使用する個人環境設定用スクリプトファイル

第 3 章 Wnn6 セットアップとファイル構成

この章では、Wnn6 を使用する際に必要な使用環境のセットアップと Wnn6 のファイル構成について説明します。

使用環境のセットアップ

複数の日本語入力システムがインストールされている場合、ウィンドウシステムのデフォルトの日本語入力システムは次の優先順位で決まります。

  1. ATOK12

  2. Wnn6

  3. ATOK8

  4. cs00

たとえば、Wnn6 と ATOK8 がインストールされている場合、Wnn6 がデフォルトの日本語入力システムになります。

Wnn6 以外の日本語入力システムを使用するように設定されている状態で、Wnn6 を使用するには、ワークスペースメニューから「Wnn6 (htt) に設定...」 [実際には「Wnn6(htt)に設定...」を選択すると、wnn6setup コマンドが実行されます。wnn6setup コマンドの詳細は、wnn6setup(1) のマニュアルページを参照してください。] を選択し、一度ログアウトしてから再度ログインします。

図 3-1 Solaris CDE で日本語入力システムを切り替える

Graphic

図 3-2 日本語 OpenWindows で日本語入力システムを切り替える

Graphic

他の日本語入力システムとの同時使用

ATOK8 との同時使用

ATOK8 を使用するように設定されている状態で Wnn6 を一時的に使用する場合は、端末エミュレータなどから次のように htt コマンドを起動します。

sun% htt -if xjsi -so -nosm &

Wnn6 を使用して日本語を入力したいアプリケーションは、環境変数 XMODIFIERS に @im=htt を指定して起動します。例えばテキストエディタ (dtpad) で Wnn6 を使用して日本語を入力したい場合は、次のようにします。

sun% env XMODIFIERS=@im=htt dtpad -standAlone &

cs00 との同時使用

Wnn6 と cs00 は、ウィンドウ環境で同時に使用することはできません。

ファイル構成

Wnn6 システムのディレクトリ構成を図 3-3 に示します。

図 3-3 Wnn6 システムのディレクトリ構成

Graphic

図 3-3 の [1] 〜 [28] の各ディレクトリの内容、またはディレクトリの下に設置されるファイルの内容を表 3-2 で示します。表中の ※ は実行形式ファイルを示します。

表 3-1 Wnn6 システムのファイル一覧 (1)

No. 

ファイル名 

内容 

[1] 

/etc/lib/locale/ja/wnn/dpkeyallow

Wnn6 ライセンスサーバーへのアクセス制御

[1] 

/etc/lib/locale/ja/wnn/dpkeylist

Wnn6 使用許諾情報 

[1] 

/etc/lib/locale/ja/wnn/dpkeyservlist

Wnn6 ライセンスサーバーのリスト 

[1] 

/etc/lib/locale/ja/wnn/offlinerc

オフライン学習を初期化する

[1] 

/etc/lib/locale/ja/wnn/serverdefs

Wnn6 ライブラリのサーバーとの接続環境設定 

[1] 

/etc/lib/locale/ja/wnn/udmergerc

登録語自動反映を初期化する

[1] 

/etc/lib/locale/ja/wnn/wnnhosts

サーバーへのアクセス許可 

[2] 

/etc/lib/locale/ja/wnn/ja/jserverrc

jserver を初期化する 

[3] ※ 

/etc/rc1.d/K15Wnn6

jserver 停止用スクリプト 

[4] ※ 

/etc/rc2.d/S94Wnn6

jserver 起動用スクリプト 

[5] ※ 

/usr/bin/uum

かな漢字変換フロントエンドプロセッサ 

[5] ※ 

/usr/bin/wnnatod

テキスト形式辞書=>バイナリ形式辞書 

[5] ※ 

/usr/bin/wnndtoa

バイナリ形式辞書=>テキスト形式辞書 

[5] ※ 

/usr/bin/wnnotow

辞書コンバータ

[5] ※ 

/usr/bin/wnnstat

変換サーバーの使用者状況を見る 

[5] ※ 

/usr/bin/wnntouch

辞書の inode を合わせる 

[6] 

/usr/lib/locale/ja/LC_MESSAGES/*.cat

日本語 EUC 環境用メッセージ 

[7] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/cvt_key_tbl*

キーコード変換表 

[7] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/cvt_xim_tbl

ファンクション / メタキー変換データベース 

[7] ※ 

/usr/lib/locale/ja/wnn/dpkeyserv

Wnn6 ライセンスサーバー 

[7] ※ 

/usr/lib/locale/ja/wnn/dpkeystat

Wnn6 ライセンスの使用状況を見る 

[7] ※ 

/usr/lib/locale/ja/wnn/jserver

かな漢字変換サーバー

[7] ※ 

/usr/lib/locale/ja/wnn/wnnds

辞書引きサーバー

[7] ※ 

/usr/lib/locale/ja/wnn/wnnoffline

オフライン学習 

[7] ※ 

/usr/lib/locale/ja/wnn/wnnudmerge

登録語自動反映 

[7] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ximrc

Wnn6/Htt を初期化する 

[8] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/demo/

デモ用ライブラリのディレクトリ 

[9] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/hinsi.data

品詞管理 

[9] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/rk/mode

オートマトン変換 / モード定義表 

[9] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/uumrc

uum を初期化する 

[9] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/uumkey

キーバインド定義

[9] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/wnnenvrc

かな漢字変換環境初期化 

[10] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/bushu/bushu.dic

部首入力用辞書 

[10] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/bushu/bushu.dic.no_JISX0212

部首入力用辞書 (補助漢字を含まない) 

[10] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/bushu/bushu.fzk

部首入力用接続ベクトル定義 

[11] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/iwanami/fisd

FI 関係システム辞書 (固定形式) 

[11] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/iwanami/*.dic

システム辞書 (固定形式)  

[11] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/iwanami/*.fzk

付属語情報データ 

表 3-2 Wnn6 システムのファイル一覧 (2)

No. 

ファイル名 

内容 

[12] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/udmerge

/var の下にある共用辞書用ディレクトリへのリンク

[13] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/usr/

/var の下にあるユーザー辞書用ディレクトリへのリンク

[14] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/dic/usr.backup/

/var の下にあるユーザー辞書バックアップ用ディレクトリへのリンク

[15] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/otow.format/*.fmt

辞書コンバータで使用する各日本語入力システムの書式 

[16] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/rk/1*

オートマトン変換 : 対応表の前処理部分 

[16] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/rk/2*

オートマトン変換 : 対応表の本処理部分 

[16] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/ja/rk/3*

オートマトン変換 : 対応表の後処理部分 

[17] 

/usr/lib/locale/ja/wnn/offline/

/var の下にあるオフライン学習用ディレクトリへのリンク

[18] 

/usr/lib/locale/ja_JP.PCK/LC_MESSAGES/*.cat

PC 漢字コード環境用メッセージ 

[19] 

/usr/lib/locale/ja_JP.UTF-8/LC-MESSAGES/*.cat

UTF-8 環境用メッセージ 

[20]  

/usr/openwin/bin/wnnbushu

部首入力 

[20]  

/usr/openwin/bin/wnnenvutil

設定ユーティリティ 

[20]  

/usr/openwin/bin/wnndictutil

辞書ユーティリティ

[21] 

/usr/openwin/include/X11/bitmaps/Wnn6.bitmap

ビットマップ 

[22] 

/usr/openwin/lib/locale/ja/app-defaults/Wnnbushu

Wnn6/Htt の部首入力リソース 

[22] 

/usr/openwin/lib/locale/ja/app-defaults/Wnndictutil

辞書ユーティリティのリソース 

[22] 

/usr/openwin/lib/locale/ja/app-defaults/Wnnenvutil

環境設定ユーティリティのリソース 

[22] 

/usr/openwin/lib/locale/ja/app-defaults/Xjsi

Wnn6/Htt のリソース 

[23] 

/usr/openwin/lib/locale/ja/help/wnnenvutil.hlp

環境設定ユーティリティのヘルプ 

[24]※ 

/usr/openwin/lib/locale/ja/imsscript/S509Wnn6

Wnn6/Htt 起動用スクリプト 

[25] 

/usr/openwin/lib/locale/ja/LC_MESSAGES/*.cat

メッセージ 

[26]※ 

/usr/openwin/lib/locale/ja/udcscript/Wnn6_udcregister

外字ツール単語登録支援機能用スクリプト 

[27] 

/usr/openwin/lib/locale/ja/xim/xjsi.so

htt 用インタフェースモジュール 

[28] ※ 

/usr/sbin/wnnaccess

サーバーへのアクセスを制御する 

[28] ※ 

/usr/sbin/wnnkill

jserver を終了する 

[29] 

/var/locale/ja/wnn/ja/dic/udmerge/

共用辞書用ディレクトリ 

[30] 

/var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr/<ユーザー名>/fiud

FI 関係ユーザー辞書 (登録可能形式) 

[30] 

/var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr/<ユーザー名>/muhenkan

ユーザーごとの無変換学習辞書 (登録可能)  

[30] 

/var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr/<ユーザー名>/bunsetsu

ユーザーごとの文節切り学習辞書 (登録可能) 

[30] 

/var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr/<ユーザー名>/ud

ユーザー辞書 (登録可能)

[30] 

/var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr/<ユーザー名>/*.h

ユーザーごとの頻度情報 

[31] 

/var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr.backup/

ユーザー辞書バックアップ用ディレクトリ 

[32] 

/var/locale/ja/wnn/offline/

オンライン学習用データディレクトリ 

ここで示したファイルのパス名は初期設定のものです。

初期化ファイル jserverrcuumrcwnnenvrc の中で、次のパスを設定しています。

第 4 章 ATOK8 セットアップとファイル構成

この章では、ATOK8 を使用する際に必要な使用環境のセットアップと、ATOK8 のファイル構成について説明します。


注 -

この章で説明する設定や操作は、すべて一般ユーザーで作業してください。


使用環境のセットアップ

複数の日本語入力システムのインストールがされている場合、ウィンドウシステムのデフォルトの日本語入力システムは、次の優先順位で決まります。

  1. ATOK12

  2. Wnn6

  3. ATOK8

  4. cs00

たとえば、Wnn6 と ATOK8 がインストールされている場合、Wnn6 がデフォルトの日本語入力システムになります。

ATOK8 以外の日本語入力システムを使用するように設定されている状態で、ATOK8 を使用するには、ワークスペースメニューから「ATOK8 に設定...」 [実際には、「ATOK8 に設定...」を選択すると、atok8setup コマンドが実行されます。atok8setup コマンドの詳細は、atok8setup(1) のマニュアルページを参照してください。] を選択し、一度ログアウトしてから、再度ログインします。

「ATOK8 に設定...」の位置は、図 4-1 または、図 4-2 を参考にしてください。

図 4-1 Solaris CDE で日本語入力システムを切り替える

Graphic

図 4-2 日本語 OpenWindows で日本語入力システムを切り替える

Graphic

その他の環境設定

次の環境変数の設定が必要です。


注 -

atok8setup コマンドを実行した場合のように、ATOK8 だけが動作している環境では設定する必要はありません。設定方法は次のとおりです。


ファイル構成

ATOK8 のパッケージ構成

ATOK8 をウィンドウシステム上で利用するには、ウィンドウシステムのパッケージに加え、JSat8xw パッケージが必要です。JSat8xw [エンドユーザークラスタ以上のクラスタを選んでインストールする場合は、標準でインストールされます。] パッケージ は表 4-1 のファイルで構成されています。

表 4-1 JSat8xw パッケージのファイル - 1
/usr/openwin/bin/ 
atok8 日本語入力サーバー本体
atok8dicm 辞書メンテナンスコマンド
atok8migd ATOK7 辞書移行コマンド
atok8setup セットアップスクリプト
/usr/openwin/lib/locale/ja/app-defaults/
Atok8 app-defaultsファイル
/usr/openwin/lib/locale/ja/atok8/ 
atok8.ucf デフォルトの環境設定ファイル
atok8.ucf.like7 環境設定ファイル ATOK7 (Solaris 用) に似たキーバインドを好むユーザー用
atok8.dic 基本辞書マスター
atok8tkj.dic 単漢字辞書マスター
atok8you.dic 空辞書マスター

次の表 4-2 にあるファイルはユーザーが直接実行したり、参照したりすることはありません。


注意 - 注意 -

ファイル名やパス名は将来変更される場合があります。


表 4-2 JSat8xw パッケージのファイル - 2
/usr/openwin/lib/locale/ja/atok8/ 
atok8conftool 環境設定ツールのバイナリファイル
atok8dictool 辞書メンテナンスツールのバイナリファイル
atok8wordreg 単語登録ウィンドウのバイナリファイル
/usr/openwin/lib/locale/ja/atok8/keymap/ 
default  キーマップファイル
/usr/openwin/lib/locale/ja/LC_MESSAGES/ 
JS_ATOK8_CONFTOOL.cat  環境設定ツール用メッセージカタログ
JS_ATOK8_SETUP.mo セットアップスクリプト用メッセージオブジェクト
/usr/openwin/lib/locale/ja/help/ 
atok8.hlp  ヘルプファイル
atok8conftool.hlp  環境設定ツール用ヘルプファイル
atok8dictool.hlp  辞書メンテナンスツール用ヘルプファイル
/usr/openwin/lib/locale/ja/imsscript/ 
S549atok8  atok8 自動起動用シェルスクリプト (ja ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale/ja_JP.PCK/ imsscript/ 
S549atok8  atok8 自動起動用シェルスクリプト (ja_JP.PCK ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale/ja_JP.UTF-8/immsscript/ 
S549atok8 atok8 自動起動用シェルスクリプト (ja_JP.UTF-8 ロケール 用)
/usr/openwin/lib/locale/ja/udcscript/ 
ATOK8_udcregister 外字ツール単語登録支援機能用シェルスクリプト

ATOK8 使用時に作成または更新されるファイルとディレクトリ

次のファイルは、ATOK8 を初めて起動したときに /usr/openwin/lib/locale/ja/atok8 の下の同名のファイルから自動的にコピーされます。

表 4-3 ユーザーのホームディレクトリ下の ATOK8 関連ファイル
$HOME/.atok8/ 
atok8.ucf  ユーザー用環境ファイル
atok8.dic  ユーザー用辞書
atok8tkj.dic  ユーザー用単漢字辞書
atok8you.dic  ユーザーカスタマイズ用空辞書

ATOK8 の自動起動設定時に作成または更新されるファイル

次のファイルは、ATOK8 の自動起動設定時に作成または更新されます。

表 4-4 ユーザーのホームディレクトリ下の ATOK8 関連ファイル
$HOME/ 
.openwin-init  日本語 OpenWindows 起動ファイル
.dtprofile Solaris CDE 起動時に使用する個人環境設定用スクリプトファイル

第 5 章 cs00 セットアップとファイル構成

この章では、cs00 を使用する際に必要な使用環境のセットアップと cs00 のファイル構成について説明します。

使用環境のセットアップ

複数の日本語入力システムがインストールされている場合、ウィンドウシステムのデフォルトの日本語入力システムは、次の優先順位で決まります。

  1. ATOK12

  2. Wnn6

  3. ATOK8

  4. cs00

たとえば、ATOK8 と cs00 がインストールされている場合、ATOK8 がデフォルトの日本語入力システムになります。

cs00 以外の日本語入力システムを使用するように設定されている状態で、cs00 を使用するには、ワークスペースメニューから「cs00(htt) に設定...」 [実際には、「cs00(htt) に設定...」を選択すると、cs00setup コマンドが実行されます。cs00setup コマンドの詳細は、cs00setup(1) のマニュアルページを参照してください。] を選択し、一度ログアウトしてから、再度ログインします。

「cs00(htt) に設定...」の位置は、図 5-1 または、図 5-2 を参考にしてください。

図 5-1 Solaris CDE で日本語入力システムを切り替える

Graphic

図 5-2 日本語 OpenWindows で日本語入力システムを切り替える

Graphic

cs00 のパッケージを後から追加する場合の注意点

Solaris のインストール時に cs00 のパッケージを選択せずに、インストール作業を行なった場合、cs00 のパッケージを後から追加しても、そのままでは cs00 を使用することはできません。これは、かな漢字変換サーバー cs00 が、パッケージをインストールするだけでは起動されないためです。

cs00 のパッケージを後から追加した場合、次の作業が必要です (システムをリブートすることでも cs00 は使用可能)。

    cssd コマンドにシグナル SIGHUP を送信します。

    % su
    # ps -e | grep cssd
       226 ?        0:00 cssd
    # kill -HUP 226
    

これにより、cssd は、新たにインストールされた cs 起動スクリプト (cs00 起動スクリプト) を検出し、かな漢字変換サーバー cs00 を起動します。

cssd に関しては、マニュアルページ cssd(1M) を参照してください。

ファイル構成

cs00 をウィンドウシステム上で使用するには、ウィンドウシステムのパッケージに加え、次のパッケージが必要です。 [エンドユーザークラスタ以上のクラスタを選んでインストールする場合は、標準でインストールされます。]

表 5-1 cs00 に必要なパッケージ
 SUNWxim 入力サーバー htt のパッケージ
 SUNWjc0r cs00 / ディレクトリ用パッケージ
 SUNWjc0ucs00 /usr ディレクトリ用パッケージ
 SUNWjc0w cs00 ユーザー辞書メンテナンスツール (日本語 OpenWindows 版)
 SUNWjc0d cs00 ユーザー辞書メンテナンスツール (Solaris CDE 版)

SUNWjc0r、SUNWjc0u、SUNWjc0w、SUNWjc0d パッケージの主要なファイルを表 5-2表 5-5 に示します。

表 5-2 SUNWjc0r パッケージのファイル
 ファイル名 ファイル内容
/var/mle/ja/cs00/ 
cs00_u.dic cs00 ユーザー辞書
cs00_m.dic cs00 メイン辞書
/etc/mle/ja/cs00/ 
csdef CS 定義情報ファイル (libmle、mle)
config デフォルト設定ファイル (libmle、mle)
keybind キー割り当て定義ファイル (libmle、mle)
keyword キーワード定義ファイル
resourcesカスタマイズ用ファイル (xci)
hiragana.ccv  文字コード変換規則定義ファイル (ひらがなモード用)
katakana.ccv 文字コード変換規則定義ファイル (全角カタカナモード用)
h_katakana.ccv 文字コード変換規則定義ファイル (半角カタカナモード用)
eisuu.ccv 文字コード変換規則定義ファイル (半角英数モード用)
h_eisuu.ccv  文字コード変換規則定義ファイル (全角英数モード用)

表 5-3 SUNWjc0u パッケージのファイル
 ファイル名 ファイル内容
/usr/bin/ 
cs00setup  cs00 ウィンドウ環境設定用コマンド
mdicm cs00 メイン辞書メンテナンスツール
udicm cs00 ユーザー辞書メンテナンスツール
/usr/sbin/ 
cs00  cs00 かな漢字変換サーバー本体
/usr/lib/css.d/ 
cs00.sh  cssd 用 cs00 起動スクリプト

表 5-4 SUNWjc0w パッケージのファイル
 ファイル名 ファイル内容
/usr/openwin/bin/ 
udicmtool  cs00 ユーザー辞書ツール (日本語 OpenWindows 版)
/usr/openwin/lib/locale /ja/imsscript/
S599cs00  入力サーバー htt を cs00 と接続して 起動するためのスクリプト (ja ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale /ja_JP.PCK/imsscript/
S599cs00   入力サーバー htt を cs00 と接続して 起動するためのスクリプト (ja_JP.PCK ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale /ja_JP.UTF-8/imsscript/
S599cs00   入力サーバー htt を cs00 と接続して起動するためのスクリプト (ja_JP.UTF-8 ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale /ja/udcscript/
cs00_udcregister   外字ツール単語登録支援機能用シェルスクリプト
/usr/openwin/lib/locale/ja/help/
udicmtool.info  ヘルプファイル (日本語)
/usr/openwin/lib/locale/C/help/
udicmtool.info  ヘルプファイル (英語)
/usr/openwin/lib/locale /ja/LC_MESSAGES/
SUNW_JFP_UDICMTOOL.mo  メッセージファイル (日本語)

表 5-5 SUNWjc0d パッケージのファイル
 ファイル名 ファイル内容
/usr/dt/bin/ 
sdtudicm  cs00 ユーザー辞書ツール (日本語 Solaris CDE 版)
/usr/dt/lib/nls/msg/ja/ 
sdtudicm.cat   メッセージカタログファイル (日本語)
/usr/dt/app-defaults/ja/ 
Sdtudicm app-defaults ファイル (ja ロケール用)
/usr/dt/app-defaults/ja_JP.PCK/ 
Sdtudicm app-defaults ファイル (ja_JP.PCK ロケール用)
/usr/dt/app-defaults/ja_JP.UFT-8/ 
Sdtudicm  app-defaults ファイル (ja_JP.UTF-8 ロケール用)
/usr/dt/appconfig/help/ja/ 
Sdtudicm.info  ヘルプファイル (日本語)

cs00 の使用するファイルと関連するプログラムとの関係

図 5-3 は cs00 の使用するファイルと関連するプログラムとの関係について説明したものです。cs00 は、入力サーバー htt または mle コマンドを使用してアプリケーションから利用できます。

図 5-3 cs00 の使用するファイルと関連するプログラム

Graphic

以前のリリースより移動したファイル

cs00 の主なファイルは、Solaris 2.6 から 表 5-6 のように移動しました。Solaris 2.5.1 以前のリリースとの互換性を保つため、移動前の位置にもシンボリックリンクが張られています。

表 5-6 cs00 の移動したファイルの位置関係
 ファイル名 Solaris 2.5.1 以前の位置 Solaris 8 での位置

cstab

keyword

resource

csdef

config

keybind

hiragana.ccv

katakana.ccv

h_katakana.ccv

eisuu.ccv

h_eisuu.ccv

cs00_m.dic

/usr/lib/mle/ja/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/var/mle/ja/cs00/