Wnn6 上級ユーザーおよびシステム管理者ガイド

付録 A Wnn6 設定ユーティリティ

この付録では、Wnn6 設定ユーティリティで Wnn6 の設定を行う方法について説明します。

Wnn6 設定ユーティリティには、システム管理者用の「システム管理用」メニューと、ユーザー用の「ユーザーカスタマイズ」メニューがあります。

A.1 Wnn6 設定ユーティリティの起動方法

    Wnn6 設定ユーティリティは、次のコマンドで起動します。

    sun% /usr/openwin/bin/wnnenvutil
    

Wnn6 設定ユーティリティの各機能は、メニューから選択できます。

図 A-1 Wnn6 設定ユーティリティメニュー

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A.2 システム管理用

「システム管理用」のメニューを利用する場合は、root のアカウントで wnnenvutil を実行します。

「システム管理用」のメニューでは次の設定を行えます。

A.2.1 システム管理

A.2.1.1 かな漢字変換サーバー接続パラメタ

かな漢字変換サーバーの接続環境を設定します。

Wnn6 設定ユーティリティの「システム管理用」メニューから「かな漢字変換サーバ接続パラメタ」を選択します。

図 A-2 Wnn6 設定ユーティリティ「システム管理用」

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図 A-3 「かな漢字変換サーバ接続パラメタ」ウィンドウ

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(1) 〜 (8) については 表 A-1 を参照してください。

表 A-1 「かな漢字変換サーバ接続パラメタ」ウィンドウの説明

(1) 

設定されているパラメタ 

(2) 

選択したサーバーの接続パラメタを変更する 

(3) 

サーバーを追加する 

(4) 

選択したサーバーを削除する 

(5) 

編集した内容でかな漢字変換サーバの接続パラメタを設定する 

(6) 

すべての設定をウィンドウが開いた時の状態に戻す 

(7) 

すべての設定を出荷時の設定に戻す 

(8) 

設定中の内容を取り消してウィンドウを閉じる 

(9) 

接続パラメタ設定操作のヘルプを表示する 

「追加」ボタンまたは「変更」ボタンをクリックすると、サーバーのパラメタを追加・変更するウィンドウが開きます。

図 A-4 接続パラメタ変更画面

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言語、サーバー、ソケットファイル、サービス、ポート番号を入力して「了解」ボタンをクリックすると、サーバーが追加、変更されます。

「リセット」ボタンをクリックすると、このウィンドウを開いたときの状態に戻ります。

A.2.1.2 かな漢字変換サーバー基本設定

かな漢字変換サーバーの基本設定を行います。

Wnn6 設定ユーティリティの「システム管理用」メニューから「かな漢字変換サーバ基本設定」を選択します。

図 A-5 「かな漢字変換サーバ基本設定」ウィンドウ

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(1) 〜 (11) については表 A-2 を参照してください。

表 A-2 「かな漢字変換サーバー基本設定」ウィンドウの説明

(1) 

起動時に読み込む辞書を指定 

(2) 

同時に接続できるクライアント数。初期設定は 64 

(3) 

固定化できる環境数。初期設定は 10 

(4) 

辞書ディレクトリを指定 

(5) 

疑似品詞「英数」に追加する文字 

(6) 

接続する wnnds を指定する 

(7) 

編集した内容で、かな漢字変換サーバーの設定を行う 

(8) 

すべての設定をウィンドウが開いた時の状態に戻す 

(9) 

すべての設定を出荷時の設定に戻す 

(10) 

設定中の内容を取り消してウィンドウを閉じる 

(11) 

操作のヘルプを表示する 

A.2.1.3 かな漢字変換サーバー / 辞書引きサーバーアクセス制御

アクセス許可するホスト、ユーザーを設定します。

Wnn6 設定ユーティリティの「システム管理用」メニューから「かな漢字変換サーバ / 辞書引きサーバ アクセス制御」を選択します。

図 A-6 かな漢字変換サーバー / 辞書引きサーバーアクセス制御設定画面

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(1) 〜 (14) については表 A-3 を参照してください。

表 A-3 かな漢字変換サーバー / 辞書引きサーバーアクセス制御設定画面の説明

(1) 

(かな漢字変換サーバー / 辞書引きサーバー) を切り替える 

(2) 

アクセス可能なホストを一覧表示する 

(3) 

アクセス可能なサーバーを追加する 

(4) 

選択したサーバーのホスト名、ポート番号を変更する 

(5) 

選択したサーバーを削除する 

(6) 

アクセス許可されているユーザーを一覧表示する 

(7) 

アクセス許可するユーザーを追加する 

(8) 

アクセス許可するユーザーを変更する 

(9) 

選択したユーザーをアクセスから外す 

(10) 

編集した内容でアクセス制御を設定する 

(11) 

すべての設定をウィンドウが開いた時の状態に戻す 

(12) 

すべての設定を出荷時の設定に戻す 

(13) 

設定中の内容を取り消してウィンドウを閉じる 

(14) 

操作のヘルプを表示する 

(3)、(4) のボタンをクリックすると、サーバーを追加、変更するウィンドウが開きます。

図 A-7 サーバ追加

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ホスト名とポート番号を入力して「了解」ボタンをクリックすると、アクセス可能なサーバーが追加、変更されます。

(2) でサーバーを選択して、(7)、(8) のボタンをクリックすると、アクセス許可を追加、変更するウィンドウが開きます。

図 A-8 アクセス許可追加

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ホスト名とユーザー名を入力して「了解」ボタンをクリックすると、そのホスト上では指定されたユーザー以外アクセスできなくなります。

ホスト名を入力せず、ユーザー名だけ入力して「了解」ボタンをクリックすると、そのユーザーはすべてのホストからのアクセスが可能になります。

A.2.2 システムデフォルト

図 A-9 Wnn6 設定ユーティリティ「システムデフォルト」

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A.2.2.1 標準かな漢字変換インタフェース

かな漢字変換の標準インタフェースを使用するときの環境を設定します。

Wnn6 設定ユーティリティの「システム管理用」メニューから、「標準かな漢字変換インタフェース」を選択します。

図 A-10 標準かな漢字変換インターフェース設定画面

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(1) 〜 (24) については表 A-4 を参照してください。

表 A-4 標準かな漢字変換インタフェース設定画面の説明

(1) 

サーバーのホスト名を指定すると、そのサーバーに接続される。 ファイル名が省略されている場合は wnnenvrc が指定される

(2) 

サーバーのホスト名を指定すると、そのサーバーに接続される。 ファイル名が省略されている場合は漢字かな変換ができない 

(3) 

サーバーのホスト名を指定すると、そのサーバーに接続される。 ファイル名が省略されている場合はかなローマ字変換ができない 

(4) 

「する」に設定すると、かな漢字変換サーバーに環境を固定化する 

(5) 

「する」に設定すると、かな漢字変換サーバーに環境を固定化する 

(6) 

「する」に設定すると、かな漢字変換サーバーに環境を固定化する 

(7) 

最大変換可能文字数を指定する。初期設定は 100 

(8) 

次候補一覧の時の最大表示候補数を指定する。初期設定は 36 

(9) 

最大変換可能文節数を指定する。初期設定は 80 

(10) 

ヒストリを最大何個まで記憶するかを指定する。初期設定は 11 

(11) 

「ローマ字」にすると、確定した文字をローマ字に戻して削除する。 「かな」にすると、確定した文字はそのまま削除される 

(12) 

「する」に設定すると tty のフロー制御を行う 

(13) 

「しない」に設定すると、変換オフの時キーコード変換を行わない 

(14) 

「しない」に設定すると、変換行が空の時バッファを取り込まない 

(15) 

「オフ」に設定すると、uum を変換モードオフで起動する 

(16) 

「しない」に設定すると、句点 (。) 変換を行わない 

(17) 

キーの割り当て設定ファイルを指定する 

(18) 

ローマ字かな変換設定ファイルを指定する 

(19) 

キーコードファイルを設定する 

(20) 

編集した内容で標準かな漢字変換インタフェースを設定する 

(21) 

すべての設定をこのウィンドウを開いた時の状態に戻す 

(22) 

すべての設定を出荷時の設定に戻す 

(23) 

設定中の内容を取り消してウィンドウを閉じる 

(24) 

操作のヘルプを表示する 

A.2.2.2 かな漢字変換用辞書

Wnn6 設定ユーティリティの「システム管理用」メニューから「かな漢字変換用辞書」を選択します。

図 A-11 かな漢字変換用辞書 設定画面

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(1) 〜 (11) については表 A-5 を参照してください。

表 A-5 かな漢字変換用辞書設定画面の説明

(1) 

かな漢字変換用辞書を一覧表示する 

(2) 

かな漢字変換用辞書を追加する 

(3) 

選択したかな漢字変換用辞書を変更する 

(4) 

選択したかな漢字変換用辞書を削除する 

(5) 

付属語ファイルを指定する 

(6) 

辞書の作成条件を指定する。初期設定は「無条件に作る」 

(7) 

編集した内容でかな漢字変換用辞書を設定する 

(8) 

すべての設定をウィンドウが開いた時の状態に戻す 

(9) 

すべての設定を出荷時の設定に戻す 

(10) 

設定中の内容を取り消してウィンドウを閉じる 

(11) 

操作のヘルプを表示する 

(2)、(3) のボタンをクリックすると、かな漢字変換用辞書ファイルを追加、変更するウィンドウが開きます。

図 A-12 かな漢字変換用辞書編集ウィンドウ

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辞書ファイル名、頻度ファイル名、パスワードファイル名、優先順位、変換の種類を指定し、「了解」ボタンをクリックすると、かな漢字変換用辞書が設定されます。

A.2.2.3 キーの割り当て

日本語入力時のキーを設定します。

キーコードの表記方法として、8 進数、10 進数、16 進数を使用できます。表記方法は、プログラミング言語 C の表記方法に準じます。

Wnn6 設定ユーティリティの「システム管理用」メニューから「キーの割り当て」を選択します。

図 A-13 キーの割り当て設定画面

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(1) 〜 (5) については表 A-6 を参照してください。

表 A-6 キーの割り当て設定画面の説明

(1) 

キーコードを追加する 

(2) 

選択したキーコードを変更する 

(3) 

選択したキーコードを削除する 

(4) 

指定したキーコードでキーの割り当てを行う 

(5) 

ウィンドウが開いた時の状態に戻す 

(6) 

出荷時の設定に戻す 

(7) 

設定を行わずにウィンドウを閉じる 

(8) 

キーの割り当て設定操作のヘルプを表示する 

モード番号の内容は表 A-7 を参照してください。

表 A-7 モード番号の内容

モード番号 

内容 

変換結果を修正している状態 

文字を入力している状態 

変換後、文節の長さを伸ばしたり、縮めたりしている状態 

バッファーに何も文字が入っていない状態 

カーソルを動かしながら、候補を選択している状態 

A.2.2.4 学習 / 変換 / 表示モード

Wnn6 設定ユーティリティの「システム管理用」メニューから「学習 / 変換 / 表示モード」を選択します。

図 A-14 学習 / 変換 / 表示モード設定画面

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(1) 〜 (7) については表 A-8 を参照してください。

表 A-8 学習 / 変換 / 表示モード設定画面の説明

(1) 

「全設定項目」と「主要設定項目」を切り替える 

(2) 

指定したモードで Wnn6 の環境設定を行う 

(3) 

指定したモードを実行中の Wnn6 に反映するが、保存はしない 

(4) 

すべての設定をウィンドウが開いた時の状態に戻す。ただし、実行中の Wnn6 には影響しない 

(5) 

すべての設定を出荷時の設定に戻す。ただし、実行中の Wnn6 には影響しない 

(6) 

設定中の内容を取り消してウィンドウを閉じる。ただし、実行中の Wnn6 には影響しない 

(7) 

操作のヘルプを表示する 

カスタマイズできる内容を表 A-9 に示します。

表 A-9 学習 / 変換 / 表示モード 全設定項目

項目 (初期設定) 

内容 

無変換学習 (する)  

「する」に設定すると、辞書に登録されていない「ひらがな」「カタカナ」「ローマ字」の候補が確定された場合に、自動的に辞書へ登録する 

文節切り学習 (する)  

「する」に設定すると、文節の切り直しを学習する 

FI 関係学習 (する)  

「する」に設定すると、FI 関係ユーザー辞書の学習を行う 

送り基準学習 (する) 

「する」に設定すると、送り基準を学習する 

接頭語学習 (する) 

「する」に設定すると、接頭語学習を行う 

接尾語学習 (する) 

「する」に設定すると、接尾語学習を行う 

一般語学習 (する) 

「する」に設定すると、一般語の学習を行う 

頻度学習 (じわじわ学習) 

頻度の学習方法を指定する 

FI 頻度学習 (基準) 

FI 頻度の学習方法を指定する 

複合語変換 (しない)  

「しない」に設定すると付属語を含まない候補を優先する 

送り基準 (本則)  

送りがなの基準規則を設定する 

句読点 (。、)  

句読点の変換を、 "。" "、" <==> ". "," で設定する 

括弧(「」) 

括弧の変換を、"「" "」" <==> "[" "]" で設定する 

斜線 (・) 

斜線の変換を、"・" <==> "/" で設定する 

揺らぎ処理 (しない) 

「しない」に設定すると、揺らぎ処理を行わない 

連濁処理 (しない) 

「しない」に設定すると連濁処理を行わない 

最終使用最優先 (する) 

「する」に設定すると、最終使用を最優先する 

初期設定 :  

接頭語 -お、ご/御 (ひらがな)  

数字 (全角 - カンマ無)  

アルファベット (全角)  

シンボル (JIS) 

接頭語、数字、アルファベット、シンボルの初期設定を指定する 

単漢字を変換に使用 (しない) 

「しない」に設定すると、単漢字を変換に使用しない 

人名を変換に使用 (する) 

「する」に設定すると、人名を変換に使用する 

地名を変換に使用 (する) 

「する」に設定すると、地名を変換に使用する 

句点変換 (しない) 

「しない」に設定すると、読みの入力中に句点 (。) を入力してもかな漢字変換が開始されない 

次候補一覧の位置 (下)  

次候補一覧のウィンドウの表示位置を設定する 

次候補一覧のレイアウト (複数行)  

候補一覧ウィンドウに候補を配置する形式を設定する 

A.3 ユーザーカスタマイズ

「ユーザカスタマイズ」メニューでは次の設定が行えます。

Wnn6 は「ユーザカスタマイズ」メニューで設定された内容で、起動時の環境設定を行います。ユーザーによる設定が行われていない場合は、「システム管理用」メニューの「システムデフォルト」の設定内容で環境設定を行います。

A.3.1 一般ユーザー向けカスタマイズ

図 A-15 Wnn6 設定ユーティリティ「一般ユーザー向けカスタマイズ」

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A.3.1.1 学習 / 変換 / 表示モード

設定方法は「システム管理用」->「システムデフォルト」メニューの「学習 / 変換 / 表示モード」と同じです。「A.2.2.4 学習 / 変換 / 表示モード」を参照してください。

A.3.1.2 入力スタイル

入力スタイルを設定します。

図 A-16 入力スタイル設定画面

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(1) 〜 (6) については表 A-10 を参照してください。

表 A-10 学習 / 変換 / 表示モード設定画面の説明

(1) 

選択した入力スタイルのキーバインド設定を行う 

(2) 

選択した入力スタイルを適用する 

(3) 

入力スタイルを試す。保存はされない 

(4) 

すべての設定をウィンドウが開いた時の状態に戻す 

(5) 

設定中の内容を取り消してウィンドウを閉じる 

(6) 

操作のヘルプを表示する 

「キーの割り当て」ボタンをクリックすると、選択されているスタイルのキーバインド機能を編集することができます。

詳しくは 「A.2.2.3 キーの割り当て」を参照してください。

A.3.2 上級ユーザ向けカスタマイズ

図 A-17 Wnn6 設定ユーティリティ「上級ユーザー向けカスタマイズ」

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A.3.2.1 標準かな漢字変換インタフェース

設定方法は「システム管理用」-> 「システムデフォルト」メニューの「標準かな漢字変換インタフェース」と同じです。「A.2.2.1 標準かな漢字変換インタフェース」 を参照してください。

A.3.2.2 かな漢字変換用辞書

設定方法は「システム管理用」-> 「システムデフォルト」メニューの「かな漢字変換用辞書」と同じです。「A.2.2.2 かな漢字変換用辞書」 を参照してください。

A.3.2.3 ローマ字かな変換テーブル

使用中の入力スタイルに対応するローマ字かな変換を編集します。

左側に入力文字 (アルファベット)、右側に出力文字 (ひらがな) が表示されています。

図 A-18 ローマ字かな変換テーブル設定画面

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(1) 〜 (8) については表 A-11 を参照してください。

表 A-11 ローマ字かな変換テーブル設定画面の説明

(1) 

ローマ字かな変換を追加する 

(2) 

選択したローマ字かな変換を変更する 

(3) 

選択したローマ字かな変換を削除する 

(4) 

編集した内容でローマ字かな変換テーブルを設定する 

(5) 

すべての設定をウィンドウが開いた時の状態に戻す 

(6) 

すべての設定を出荷時の設定に戻す 

(7) 

設定中の内容を取り消してウィンドウを閉じる 

(8) 

操作のヘルプを表示する 

「追加」、「変更」ボタンをクリックすると、入力文字と出力文字を設定するウィンドウが開きます。

図 A-19 ローマ字かな変換テーブル 編集ウィンドウ

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入力文字は、半角英字、記号 3 文字以内です。出力文字はひらがな、カタカナ 3 文字以内です。