Wnn6 上級ユーザーおよびシステム管理者ガイド

3.3.1 offlinerc の設定

offlinerc は、オフライン学習の動作を規定するテキストファイルです。

オフライン学習を起動するときは、必ず offlinerc ファイルを設定しておきます。

ファイル :

/etc/lib/locale/ja/wnn/offlinerc

書式は次のとおりです。

<キーワード>  <設定値> /* パス名、数字など */ 
<キーワード>  <設定値> /* パス名、数字など */ 
<キーワード>  <設定値> /* パス名、数字など */ 
	   ・	      ・

キーワードと設定値の間には「空白文字」または「タブ文字」を入力して区切ります。

「;」 で始まる行と 「/*」 と 「*/」 で囲まれた範囲は、コメントとして解釈されます。

同一のキーワードが複数設定された場合は、ファイル中で最後に記述されている指定が有効になります。ただし、キーワード「target」は、ファイルの最後に記述されていても有効にはなりません。

表 3-3 に、offlinerc ファイルのキーワード一覧を示します。

表 3-3 offlinerc のキーワード一覧

キーワード 

設定内容 

target

オフライン学習を行う環境のディレクトリを指定する。 

指定したディレクトリの下のディレクトリもすべて指定される。 

target は複数回指定することができる。  

省略不可  

target <ディレクトリパス名 1>

target <ディレクトリパス名 2>

・ ・  

jserver_list

jserver が起動しているホスト名を指定する。 

ここで指定された jserver に対して、ファイルのセーブ、ロックのプロトコルを送る。 

ホスト名を省略すると、jserver のロックは行われない。 

同時に複数個を指定する場合は、「,」 で区切る。  

下記のキーワード wnnds_list での指定個数と合わせて 50 個のホストを指定できる。  

省略不可  

jserver_list <ホスト 1>, <ホスト 2>, <ホスト 3>, ...

wnnds_list

wnnds が起動しているホスト名を指定する。 

ここで指定された wnnds に対して、ファイルのセーブ、ロックのプロトコルを送る。 

ホスト名を省略すると、wnnds のロックは行われない。 

同時に複数個を指定する場合は、「,」 で区切る。  

上記のキーワード jserver_list での指定個数と合わせて 50 個のホストを指定できる。  

省略不可  

wnnds_list <ホスト 1>, <ホスト 2>, <ホスト 3>, ...

udmerge_ command

オフライン学習から起動する登録語自動反映モジュールのコマンドライン (オプションを含む) を指定する。  

省略すると /usr/lib/locale/ja/wnn/wnnudmerge が使用される

udmerge_command <コマンドライン>

delete_entry

オフライン学習で、単語削除を行うかどうかを ON または OFF で指定する。 

省略すると、OFF に設定される  

delete_entry [ON/OFF]

decrease_percent

オフライン学習で、頻度を下げる場合の下げ率を % で指定する。0 〜 100 の整数値で指定。省略すると、50 % に設定される  

decrease_percent <下げ率>

offline_dir

オフライン学習の環境とその保存ディレクトリの対応関係を出力する Entries ファイルのディレクトリパス名を指定する。

省略すると /usr/lib/locale/ja/wnn/wnnoffline が使用される

offline_dir <ディレクトリパス名>

update_count

1 つの環境の使用回数がここで指定される数値を超えたとき、ファイルの保存や処理が行われる。 

0 〜 4294967295 の整数値で指定する。 

省略すると、1000 に設定される  

update_count <回数>


注 -

offlinerc ファイルの記述では、target、jserver_list、wnnds_list の 3 つのキーワードは省略できません。また、jserver_list、wnnds_list では引数であるホスト名を省略することができますが、target では引数にオフライン学習を行う環境のディレクトリを指定しなければなりません。


表 3-4 に、offlinerc のキーワード jserver_list と wnnds_list のホスト指定の記述形式を示します。

表 3-4 jserver_list と wnnds_list のホスト指定

記述形式 

説明 

host_name

ホスト名 (または、IP アドレス) のみを指定。 

標準ポート番号が適用される 

host_name:offset_number

標準ポート番号に offset_number を加算したポート番号を使用

host_name/port_number

ポート番号として port_number を使用

次に、offlinerc ファイルの記述例を示します。


target											@LIBDIR/ja/dic/usr
jserver_list					hostA,hostA:3,133.210.2.10:1,hostB/22274
wnnds_list							hostC:3,hostB,133.210.2.46,hostB/22374
udmerge_command		/usr/lib/locale/ja/wnn/wnnudmerge
 
;delete_entry				on
delete_entry					off
 
decrease_percent	30
offline_dir						@LIBDIR/offline
update_count					2000

target または offline_dir のキーワードでのみ、@LIBDIR の記述を使用して /usr/lib/locale/ja/wnn のパスに置き換えることができます。

オフライン学習の動作中に発生するエラー内容については、付録 C 「エラーメッセージ一覧」を参照してください。