このマニュアルでは、SolarisTM 上で日本語の処理を行うアプリケーションを開発する方のために、日本語処理で使用できる国際化・日本語化プログラミングインタフェースを扱う方法について説明します。プログラミングの国際化に関する一般的な知識については、『国際化対応言語環境の利用ガイド』をお読みください。なお、国際化された GUI アプリケーションの作成方法については『共通デスクトップ環境プログラマーズ・ガイド (国際化対応編)』をお読みください。
このマニュアルでは、読者が次の項目に関する一般的な知識を持っていることを前提に、日本語処理プログラミングで有効な項目について解説します。
SunOSTM上でのプログラミング環境 (コンパイラ、デバッガ、各種ユーティリティ)
プログラムの国際化と言語対応化
プログラミング言語 (このマニュアルでは C 言語とシェルスクリプトを使って説明します)
文字集合とエンコーディング
文字コードの複数バイト表現とワイド文字表現
このマニュアルは次の章から構成されています。
マニュアルを読み進むにあたって必要な概念、または知っていると便利な概念について説明し、関連マニュアルを紹介します。
X/OpenTM Portability Guide, Issue4 Release2 (以下「XPG」と記述) で仕様が決定された国際化文字列処理プログラミングインタフェースを紹介し、日本語文字列を処理する方法を説明します。
XPG で仕様が決定された国際化文字対応・分類プログラミングインタフェースと、Solaris で仕様が追加された日本語ロケール用文字対応・分類インタフェースを紹介し、日本語文字の分類について説明します。
文字列の複数バイト表現とワイド文字表現の相互変換のためのインタフェースと iconv() 汎用コード変換インタフェースを紹介し、その利用方法を説明します。
メッセージ処理のためのインタフェースを紹介し、国際化・日本語化されたアプリケーションで日本語のメッセージを取り扱い、表示させる方法を説明します。
シェルスクリプトに対するロケール環境の設定とメッセージ処理コマンドを紹介し、その利用方法を説明します。
付録 A 「日本語専用ライブラリ (libjapanese.a)」
日本語専用ライブラリの使い方を説明します。なお、この章で説明するインタフェースは、 ja (または japanese) ロケール上でのみ動作が保証されています。
付録 B 「Solaris の日本語 TrueType フォント」
Solaris で提供する日本語 TrueType フォントと、そのインストール方法について説明します。
『Solaris 8 ご使用にあたって』
『SunOS リファレンスマニュアル』
『man pages section 3』
『X/Open CAE Specification』
『System Interfaces and Headers, Issue4, Release2』
『Commands and Utilities, Issue4, Release2』
『System Interface Definitions, Issue4, Release2』
『UI-OSF 日本語環境実装規約 Ver. 1.1』
専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。
http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索をおこなうこともできます。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2 では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon の各プロセッサ、および AMD、Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。