サービスロケーションプロトコルの管理

再構成の判断

SLP を使用可能な snoop ユーティリティおよび SLP ログユーティリティを使用して、何を再構成する必要があるかを判断できます。たとえば、次の目的のために特定のプロパティを構成し直す場合があります。

snoop slp トレースの分析

次のトレース例は、デフォルトの「簡潔」モードにおいて snoop に SLP フィルタをかけて起動する方法と表示されるトレースの種類を示します。この例は次のコマンドを使用して呼び出されます。


# snoop slp

この例では、slpdvesuvius 上で起動され、snoop slp がホスト vesuvius 上で呼び出された後、ホスト umunum をエコーサーバーとして初期化し登録しています。vesuvius 上の slpd は、SA サーバーとしてデフォルトモードで動作しています。


注 -

トレース結果を説明しやすくするために、行間を空け、トレース行番号を付けて識別しています。


トレース 1 は、vesuvius 上の slpd が、ディレクトリエージェントを探すために SLP マルチキャストグループアドレスにマルチキャストすることにより、ディレクトリエージェントを能動検出していることを示しています。能動検出に対するメッセージ番号 (24487) は、トレース表示では角括弧内に示されます。


(1) vesuvius -> 239.255.255.253 SLP V@ SrvRqst [24487] service:directory-agent []

トレース 2 は、要求メッセージと応答メッセージの一致するペアがメッセージ番号の一致によって識別される、SLP の仕組みを示します。


(2) umunum -> vesuvius SLP V2 DAAdvert [24487] service:directory-agent://129

トレース 2 は、トレース 1 からの能動検出要求 24487 に対し、ホスト umunum 上で DA として動作している slpd が応答したことを示します。umunum からのサービス URL はトレース内では 1 行に収まるように切り捨てられています。トレース 1 および 2 のメッセージ番号が一致していることからわかるように、DA はマルチキャストディレクトリエージェント検出メッセージに応答して、DA 通知を送っています。

トレース 3 および 4 は、追加の DA に対する vesuvius 上の UA からのマルチキャストを示します。umunum はすでに要求に応答しているため、再び応答はせず、他のどの DA も応答しません。


(3) vesuvius -> 239.255.255.253 SLP V2 SrvRqst [24487] service:directory-agent []
(4) vesuvius -> 239.255.255.253 SLP V2 SrvRqst [24487] service:directory-agent []

次の 2 つのトレースでは、vesuvius 上の slpd は、SA クライアントが作成した登録を、ホスト umunum 上の DA に転送します。SA クライアントを稼動しているエコーサーバーと vesuvius 上の slpd との間のトラフィックは、ネットワークのループバックを超えて行われているため、snoop トレースに表示されないことに注意してください。トレース 5 および 6 は、vesuvius 上の slpd がサービス登録を umunum 上の DA に転送し、その応答を umunum から転送していることを示します。

トレースの 5 行および 6 行に示されるメッセージ交換は TCP によって発生します。これは、各メッセージ番号に tcp を付けることにより示されます。


(5) vesuvius -> umunum SLP V2 SrvReg [24488/tcp]service:echo.sun:tcp://vesuvius:
(6) umunum -> vesuvius SLP V2 SrvAck [24488/tcp] ok

トレース 5 は、エコーサーバーに対するユニキャストサービス登録 (SrvReg) を示しています。これは vesuviusumunum 上の DA に対して作成したものです。トレース 6 は、umunumvesuviusSrvReg に対してサービス確認応答 (SrvAck) で応答していることを表し、登録が完了したことを示しています。

次の例では、vesuvius 上のエコーサーバープログラムが、エコーサービス通知の登録を解除します。vesuvius 上の slpd は、登録解除を umunum 上の DA に転送します。


(1) vesuvius -> umunum SLP V2 SrvDereg [24489/tcp] service:echo.sun:tcp://vesuvius:
(2) umunum -> vesuvius SLP V2 SrvAck [24489/tcp] ok

エコーサーバー umunum は、ホスト vesuvius に対し、登録解除が SrvAck 経由で完了したことを知らせます。エコーサーバーの SA クライアントと slpd の間の最初のメッセージ交換は表示されません。その応答により、登録解除が完了したことが示されます。

次の手順

SLP トラフィックを監視後、snoop トレースから集められた情報を使用して、SLP デフォルトの再構成が必要かどうかを判断できます。SLP プロパティ値の設定については、第 3 章「SLP プロパティの構成」および第 4 章「ネットワークプロパティの構成」を参照してください。SLP メッセージおよびサービス登録については、付録 A 「SLP のメッセージタイプ」 を参照してください。