OpenBoot 2.x コマンド・リファレンスマニュアル

付録 A 端末エミュレータを使うテスト

テストしようとするシステムの 1 つまたは複数のシリアルポートから、ファイルサーバーとして動作させる第 2 のシステムに接続することができます。このファイルサーバーは、次の条件が満たされれば、システムタイプが同じであってもなくても差し支えありません。

2 つのシステムをこのように接続することにより、ファイルサーバー上の端末エミュレータを、テストしようとしているシステムへの端末として使用できます。(UNIX システムについては、リモートホストへ接続する端末に関する詳細について、オンラインの tip マニュアルページを参照してください。Windows システムについては、アクセサリのターミナルの説明を参照してください。Macintosh(R) システムについては、MacTerminal(R) のマニュアルを参照してください。)

この端末エミュレーション方式は、起動 ROM を使って作業を行うときに通常のエディタとオペレーティングシステムの機能を使用できるので、(単にダム端末に接続するよりも) お勧めします。


注 -

以降では、「システム」とはテストしようとするシステムのことで、「サーバー」とはテストされているシステムに接続するファイルサーバーシステムのことです。


この章に示す手順は、UNIX の tip 端末エミュレータを使用するものとしています。他の端末エミュレータの場合も、手順は似ています。

  1. 3 芯の「ヌルモデム」ケーブル (つまり、ピン 3 をピン 2 に、ピン 2 をピン 3 に、ピン 7 をピン 7 に接続するケーブル) を使用して、サーバーのシリアルポートをシステムのシリアルポートに接続します。以降の例では、システムのポート A とサーバーのポート B を使用するものとします。

  2. サーバーで tip セッションを設定するため、次のように入力します。


    hostname% tip -9600 /dev/ttyb
    connected 


    注 -

    サンワークステーションでは、コマンドツールウィンドウでなく、シェルツールウィンドウを使用してください。一部の tip コマンドがコマンドツールウィンドウでは正しく機能しないことがあります。


  3. システムを起動して、ok プロンプトを表示させます。

    システムにビデオモニターを接続してない場合は、システムの ttya をサーバーの ttyb に接続し、システムに電源を投入します。数秒待ってから、Stop-A を押して電源投入処理を中断し、n を入力して ok プロンプトを表示させます。システムが完全に動作不可でさえなければ、ユーザーインタフェースが使用可能になり、ok プロンプトに対しコマンド入力が可能となり、この手順の次の手順に進むことができます。

  4. 標準入出力先を ttya にリダイレクトするには、次のように入力します。


    ok ttya io
    

    画面には応答はありません。

  5. サンワークステーションのキーボードで Return キーを押します。ok プロンプトが tip ウィンドウに表示されます。

    tip ウィンドウに ‾# と入力するのは、SPARC システムで Stop-A と入力するのと同じです。


    注 -

    テストされるシステムのサーバーとして使用しているサンワークステーションからは Stop-A を入力しないでください。入力すると、サーバーのオペレーティングシステムが強制終了されてます。(誤って Stop-A と入力した場合は、ただちに > プロンプトで c を入力するか、ok プロンプトで go を入力して、正常状態を回復してください。再表示コマンドにより画面がもとの状態にもどります。)


  6. tip ウィンドウの使用が終わったら、tip セッションを終了して tip ウィンドウを閉じます。

    1. 必要な場合は、入出力先をそれぞれキーボードと画面にリダイレクトします。

    2. tip ウィンドウで次のように入力します。


      ok ‾. 
      
      hostname% 


      注 -

      tipウィンドウに (チルド) コマンドを入力するときは、 はその行の最初の入力文字でなければなりません。文字の入力位置を確実に新しい行の先頭するには、まず Return キーを押します。


tip に関する一般的問題

この節では、2.0 より前の Solaris オペレーティング環境で発生する tip の障害の解決方法について説明します。

tip にかかわる障害は、次のような場合に発生することがあります。

/usr/spool/uucp という名前のディレクトリが必要です。所有者は uucp で、モードは drwxr-sr-x です。

/etc/ttytab 内の ttyb (または使用しているシリアルポート) のステータスフィールドを off に設定していなければなりません。このエントリを変更する必要がある場合は、必ず root になって kill -HUP 1 を実行してください (init(8) マニュアルページを参照)。

ときどき、プログラムが /dev/ttyb (使用するシリアルポート) のモードを変更してしまい、アクセスできなくなることがあります。/dev/ttyb のモードが crw-rw-rw- に設定されていることを確認してください。

tip 接続がタンデムモードの場合は、オペレーティングシステムはときどき (特に他のウィンドウのプログラムが大量に出力しているときに) XON (^S) 文字を送出することがあります。XON 文字は Forth の key? ワードによって検出され、混乱を生じることがあります。この解決方法は、‾s !tandem tip コマンドでタンデムモードをオフにすることです。

tip が、cat を実行するためにサブシェルを開くため、読み込まれたファイルの先頭にテキストを付け加えてしまいます。dl を使用して予期されない出力を調べる場合は、.cshrc ファイルをチェックしてください。