ToolTalk ユーザーズガイド

この例では、ToolTalk サービスに FinnogaCalc という架空のスプレッドシートアプリケーションを統合します。

  1. FinnogaCalc は ToolTalk サービスを起動し、FinnogaCalc という ptype を宣言してデフォルトのセッションに参加することによって ToolTalk へ登録します。

  2. FinnogaCalc は、hatsize.wks ワークシートをロードし、ワークシートファイルに結合することによって、ワークシートを監視することを ToolTalk サービスに通知します。

  3. 第 2 のインスタンスの FinnogaCalc (FinnogaCalc2 と呼びます) が起動し、ワークシート wardrobe.wks をロードし、同じ方法で ToolTalk に登録します。

  4. hatsize.wks のセル B2 の値を、wardrobe.wks のセル C14 に代入します。

  5. FinnogaCalc2 は、FinnogaCalc が FinnogaCalc2 に値を送信できるように ToolTalk 関数を呼び出して、セル C14 のオブジェクト仕様を作成します。このオブジェクトは、objid によって識別されます。

  6. その後 FinnogaCalc2 は、FinnogaCalc にその objid を (たとえばクリップボードを介して) 指示します。

  7. FinnogaCalc は、この objid によって識別されるオブジェクトにセル B2 を表示し、値を持つメッセージを送信することを記憶します。

  8. ToolTalk はメッセージの経路を指定します。ToolTalk サービスは、メッセージを配信するために次のことを行います。

    1. objid に関連付けられている仕様を検査して、objid の型が FinnogaCalc_cell であることと、対応するオブジェクトが wardrobe.wks ファイルの中にあることを確認します。

    2. FinnogaCalc_cell について otype の定義を参照します。ToolTalk サービスは otype から、ptype である FinnogaCalc のプロセスがこのメッセージを監視することと、メッセージの配信範囲が TT_FILE であることを判定します。

    3. メッセージを登録済みのパターンと照合して、適切なファイルを監視しているプロセスのうち、この ptype を持つすべてのプロセスを検索します。FinnogaCalc2 は一致しますが、FinnogaCalc は一致しません。

    4. FinnogaCalc2 にメッセージを配信します。

  9. FinnogaCalc2 は、セル C14 に対応するオブジェクトがメッセージに入っていることを認識します。FinnogaCalc2 は、wardrobe.wks の値を更新し、新しい値を表示します。