共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド (ヘルプ・システム編)

プログラマが行う作業

プログラマは、ユーザがコンテキスト・ヘルプを要求したときに、その時のアプリケーションの動作に関連するヘルプ情報が表示されるようにアプリケーションにコードを追加します。


注 -

/usr/dt/share/examples/dthelp ディレクトリには、dthelpdemo というプログラム例のソースコードが入っています。OSF/Motif アプリケーションへのヘルプ・ダイアログを追加する方法を示すものです。


ヘルプへのアクセス方法

ユーザに役立つ情報を提供するには、次のことを考慮することが必要です。

ヘルプの設計者との協力

オンライン・ヘルプの設計者は各コンテキスト・トピックを表示する方法を知りたがっており、プログラマは各コンテキスト・トピックの内容を知りたがっているので、プログラマは設計者と密に連絡をとることが必要です。双方の協力がないと、情報は不適切で、曖昧で、誤りのあるものとなります。

こうした協力により、プログラマはアプリケーションを理解し、設計者は情報をユーザへどのように伝えたらよいかを理解できます。

ヘルプのエントリ・ポイントの識別

ヘルプのエントリ・ポイントを設定することにより、アプリケーションでオンライン・ヘルプが使えるようになります。エントリ・ポイントはアプリケーションで定義され、特定のヘルプ・トピックに対応付けられます。ユーザが [ヘルプ] キー、[ヘルプ] ボタン、[ヘルプ] メニューのいずれの方法によってヘルプを要求してもエントリ・ポイントが表示されます。たとえば [ヘルプ] ボタンを備えた印刷ダイアログ・ボックスを想定します。設計者はダイアログ・ボックスの内容を説明するヘルプ・トピックを記述し、トピックの ID を提供します。そこでユーザはコールバック・ルーチンを使用し、[ヘルプ] ボタンでヘルプ・トピックの ID を指定できます。

ヘルプ・ダイアログの作成と管理

ヘルプ・システムのアプリケーション・プログラム・インタフェースは、特に OSF/Motif アプリケーションで使用するように設計されています。特にこのヘルプでは、次の 2 つの新しいウィジェット・クラス (およびこれらを処理するために便利な機能を加えたもの) を提供することにより、OSF/Motif ウィジェット・セットを拡張しています。

アプリケーションでは上記のいずれか、または両方を使用できます。アプリケーションを (ヘルプ・ライブラリといっしょに) コンパイルすると、ヘルプ・ウィンドウがアプリケーションの一部になります。

第 9 章「ヘルプ・ダイアログ・ボックスの作成と管理 」で、一般ヘルプ・ダイアログ・ボックスと簡易ヘルプ・ダイアログ・ボックスを説明します。

パッケージとヘルプの割り当て

プロダクト・パッケージには実行時のヘルプ・ファイル (volume.sdl) とグラフィック・ファイルが入っています。また、フロント・パネルの [ヘルプ・ビューア] でボリュームを表示できるようにするヘルプ・ファミリ・ファイルも作成できます。

ヘルプ・ボリュームが実行リンクを使用する場合、適切な実行リンク・リソースをアプリケーションのデフォルト・リソース・ファイルに入れるよう設計者と協力しなければなりません。第 13 章「インストール・パッケージの準備」で、アプリケーションにどのヘルプ・ファイルが割り当てられるかを説明します。