共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド (ヘルプ・システム編)

フォント・リソース

各フォント・スキーマは、実際は X リソースのセットです。X リソースは、ヘルプを表示しているアプリケーションによって読み取られます。フォント・スキーマを変更したい場合は、フォント・リソースをアプリケーションのデフォルトのリソース・ファイルに設定できます。

フォント・スキーマ内の各リソースの一般的な形式は次のとおりです。

*pitch.size.slant.weight.style.lang.char-set: font specification

pitch

文字間の水平方向の間隔を指定します。このフィールドは、p (プロポーショナル) か m (モノスペース) のいずれかです。

size

希望するフォントの高さを指定します。ヘルプタグでフォーマットされたヘルプ・ファイルは、この値は 68101214 のいずれかです。

slant

希望するフォントの傾斜を指定します。このフィールドは通常、垂直な文字なら roman、傾斜した文字なら italic のいずれかになります。

weight

希望するフォントの線の太さを指定します。このフィールドは通常、mediumbold のいずれかです。

style

希望するフォントの一般的なスタイルを指定します。ヘルプタグでフォーマットされたヘルプ・ファイルのこの値は serifsans_serif のいずれかです。

lang

この言語を使用してコンパイルされたボリュームが、これらのフォントを使用するように指定します。通常、指定された char_set を使用するすべてのボリュームがこれらのフォントを使用するように、* (アスタリスク) をエントリに使用します。

char-set

ヘルプ・テキストの記述に使用する文字セットを指定します。この値は、ヘルプタグを実行したときに指定した文字セットと一致しなければなりません。デフォルトは ISO-8859-1 です。一部の特殊文字は symbol 文字セットを使用して表示されます。

* (アスタリスク) を使用すると、特定の属性のすべての値を持つフォントを指定できます。たとえば、記号セット (特殊文字と特殊記号) はサイズと文字セットのみに基づいて一意のフォントを識別します。

フォント・リソースはフォント・スキーマ内で次のように表示されます。

*.6.*.*.*.*.DT-SYMBOL-1:
    -adobe-symbol-medium-r-normal-*-*-60-*-*-p-*-adobe-fontspecific
*.8.*.*.*.*.DT-SYMBOL-1:
    -adobe-symbol-medium-r-normal-*-*-80-*-*-p-*-adobe-fontspecific 
*.10.*.*.*.*.DT-SYMBOL-1:
   -adobe-symbol-medium-r-normal-*-*-100-*-*-p-*-adobe-fontspecific 
*.12.*.*.*.*.DT-SYMBOL-1:
   -adobe-symbol-medium-r-normal-*-*-120-*-*-p-*-adobe-fontspecific 
*.14.*.*.*.*.DT-SYMBOL-1:
   -adobe-symbol-medium-r-normal-*-*-140-*-*-p-*-adobe-fontspecific

[char-set] フィールドは * (アスタリスク) を使用できない唯一のフィールドです。

日本語や韓国語などのマルチバイト言語を表示するには、フォント・セットを使用してフォント・リソースを指定しなければなりません。フォント・セットは、実際にはフォントのグループです。フォント・セットのリソース・エントリは、複数のフォント名が , (カンマ) で区切られ、指定が : (コロン) で終了する点を除き、単一のフォントと同様です。次の例は、日本語フォント・セット用の完全に指定したフォント・リソースです。

bridge-gothic-medium-r-normal--18-180-75-75-c-80-jisx0201.1976-0,
bridge-gothic-medium-r-normal--18-180-75-75-c-160-jisx0208.1983-0,
bridge-gothic-medium-r-normal--18-180-75-75-c-160-jisx0212.1990-0: 

マルチバイト言語のフォントを指定するには、最小限の XLFD フォント指定を提供し、システムがフォント・セットを生成するために文字セットの値を指定できるようにすることも可能です。

*.12.roman.medium.*.ja_JP.EUC-JP: -*-*-*-*-*-*-*-120-*-*-*-*-*-*:

フォント・セットを指定するときには、必ず指定を : (コロン) で終了してください。これにより、ヘルプ・システムは情報を表示するためのフォント・セットをロードします。フォント・セットはマルチバイト言語の表示に使用されます。シングルバイト情報を持つボリュームについては、標準フォント指定を使用してください。

フォント・スキーマの例

/usr/dt/dthelp/fontschemes ディレクトリには次の 4 つのフォント・スキーマが格納されています。

fontDef.fns

ヘルプ・システムが使用するデフォルト・フォント

fontLarge.fns

大きなフォントの例

fontMulti.fns

マルチバイト・フォントの例

fontX11.fns

X11 フォントの例