共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド

情報メッセージ

経過状況、ステータス、または有用な情報をユーザに伝えるためには、ウィンドウのフッタに情報メッセージを表示します。情報メッセージは作業の妨げにならないように設計されるもので、多くのユーザは気付かない可能性があるため、重要な情報を表示するために情報メッセージを使用してはなりません。

情報メッセージのガイドライン

推奨 

gi: 

アプリケーションは、ステータス、経過状況または情報 (ヘルプ) メッセージを伝えるためにのみ、フッタ・メッセージを使用する。エラー・メッセージの表示のためにフッタは使用しない。 

Motif はメイン・ウィンドウの下部にメッセージ領域を用意していますが、これはかなり不自然で、汚くなることがあります。よりエレガントなアプローチは、図 8-2 に示すように、メイン・ウィンドウのデータ領域の下に、より広いマージンを用意して、そこにステータス情報をさりげなく表示するという方法です。情報メッセージの他の使用例については、共通デスクトップ環境のメール・プログラムのステータス・メッセージ領域を参考にしてください。

図 8-2 ウィンドウの下部の情報メッセージ

Graphic

読み込みの開始時には「earth.gif を読み込み中です...」というテキストが表示され、読み込みが完了したら「終了」というテキストが追加されます。メッセージ全体が 5 秒後に削除されます。

フッタ領域の情報メッセージは左に揃え、邪魔にならないように細いフォントで表示します。情報メッセージが表示されるマージンは、マウス・フォーカスを受け入れてはならないという点に注意します。フッタ領域の経過メッセージは、通常は操作の実行中にのみ表示します。情報が最新のものであるかどうかという点での混乱を避けるために、無効になった通知やその他の情報は、2、3 秒以内に削除されなければなりません。

その他のメッセージ・ダイアログ

推奨 

gk: 

アプリケーションは、メッセージの表示のために、適切な形式のダイアログ・ボックスを使用する。 

オプション 

gl: 

情報ダイアログ・ボックスは、ステータス、アクションの完了、あるいはユーザがそのメッセージを読んだということを確認する以外に特別な応答をしなくて済むような、他のタイプの情報メッセージを表示するために使用される。 

情報ダイアログ・ボックスは、少なくとも、ユーザがダイアログ・ボックスを消去できるように [了解] ボタンを持っていなければなりません。メッセージの表示を引き起こした状況に関して他の情報があったり、メッセージが関連するトピックについて他のリファレンスがある場合は、[ヘルプ] ボタンを用意します。 

オプション 

gn: 

ユーザに質問をするためには質問ダイアログ・ボックスが使用される。質問は、肯定応答と否定応答が何なのかがわかるように、明確に書かれていなければならない。表示されるボタンは [はい]、[いいえ]、および [ヘルプ] である。[ヘルプ] は、[はい] と [いいえ] の選択に対してアプリケーションが行う処理に関する情報を提供する。 

[はい] と [いいえ] のボタン・ラベルは、可能な限り、これらのオプションを選択することによって実行されるアクションを明確に示すラベルに置き換えてください。たとえば、ユーザがドキュメントに変更を加えており、保存を行わずにアプリケーションの [終了] オプションを選択した場合は、「変更内容は保存されていません。終了する前に保存しますか」と問い合わせる確認ダイアログ・ボックスを表示します。ボタンは [保存]、[破棄]、[取消し]、および [ヘルプ] になります。これらのラベルを使うと、上級ユーザは質問の内容を読まずにラベルだけから判断して、正しいボタンをクリックできます。 

オプション 

go: 

ユーザが要求したアクションの結果として、データやシステムまたはアプリケーションへのアクセスしやすさが失われたり、その他の望ましくないイベントが起こる可能性がある場合は、そのことを通知するために警告ダイアログ・ボックスが使用される。このダイアログ・ボックスは、アクションが実行される前に表示され、要求された操作を取り消す機会をユーザに与える。表示されるボタンは [はい]、[いいえ]、および [ヘルプ]、あるいは [継続]、[取消し]、および [ヘルプ] である。[ヘルプ] は、要求されたアクションを実行したときの結果に関する追加情報を提供する。 

[はい]、[いいえ] と [継続]、[取消し] のどちらを使用するかは、メッセージの言葉遣いに依存します。[はい] と [いいえ] のラベルは、前述のように、適当な言葉に置き換えるべきです。[継続] は、実行されるアクションに即したラベルに置き換えることもできます。 

オプション 

gp: 

実行中の作業に関する情報が、アプリケーションのウィンドウのフッタに表示されない場合は、この情報を作業中ダイアログ・ボックスに表示する。このダイアログ・ボックスは、ユーザが作業を終了させるための [中止] ボタンを含んでいる。操作は次の適当なブレークポイントで終了し、ユーザが本当に作業を中止したいのかどうかを問い合わせる確認を表示できる。確認メッセージは、アクションを中止したときの影響を記述することもできる。 

実行中の作業のフィードバック

推奨 

gt: 

ユーザが選択したコマンドが完了するまでにかかる時間が 2 秒よりも長く、10 秒よりも短いと予想される場合、アプリケーションは、コマンドが実行中であることをフィードバックする標準のビジー・ポインタを表示する。 

ユーザには、アプリケーションが要求を「聞き入れて」おり、その作業を実行しているという保証を与えなければなりません。要求の結果をただちに表示できない場合は、何らかのフィードバックを提供する必要があります。ビジー・カーソルは、コマンドの実行から 0.5 秒以内に表示されなければなりません。 

推奨 

gu: 

ユーザが選択したコマンドが完了するまでにかかる時間が 10 秒を超えると予想される場合、アプリケーションは、要求の処理を行なっていることを示す作業中ダイアログ・ボックスや、これに似た何らかのフィードバックを表示する。フィードバックは、そのアクションの完了に向けての経過状況を示すものでなければならない。 

あるアクションが完了するまでに長い時間 (10 秒以上) がかかると予想される場合、アプリケーションはビジー・ポインタよりも強いフィードバックを表示しなければなりません。ビジー・ポインタの表示時間が長くなりすぎると、ユーザはアプリケーションがハングアップしたと思うかもしれません。このような場合には、アプリケーションが実行を続けており、ユーザの要求を処理していることを示す経過表示を行います。経過表示は、アクションのどれだけの部分が完了したのか、どれだけの部分が残っているのかを表示しなければなりません。 

推奨 

gv: 

アプリケーションが実行中の作業のフィードバックをユーザに表示しているときに、デスクトップ環境の他のアプリケーションやサービスに対するアクセスを中断しない。 

マルチタスクは必ずサポートされなければならないので、アプリケーションは何らかのアクションを実行している間も、他のサービスへのアクセスを許可しなければなりません。可能ならば、ユーザは、アプリケーションが別の要求の処理を行なっている間も、同じアプリケーションの別の機能にアクセスできるべきです。これがサポートされている場合、アプリケーションはビジーではあるが、入力の受け付けは行なっていることを示す拡張ビジー・ポインタを表示します。