共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド

メッセージ

 

n/a 

 

 

推奨 

gc: 

アプリケーションが表示するメッセージは、ユーザがコンピュータ・システム一般や、UNIX システムに関する専門的な知識を持っていることを想定したものであってはならない。 

ユーザが、ファイルやプログラムなど、デスクトップ内で使用される標準的な用語に関する知識を持っているということは想定してもかまわない。ユーザは、このような知識を、チュートリアル、オンライン・ヘルプ、およびユーザ・マニュアルから得ていると考えられる。しかし、専門家や上級者のコンピュータ・ユーザしか理解できないような用語は、コンピュータの専門家をターゲットとしているアプリケーション以外では避けるべきである。同じように、基本のオペレーティング・システムによってアプリケーションに返されるメッセージは、そのままユーザに渡すのではなく、初心者のユーザでも理解できるような言葉に「翻訳」しなければならない。 

推奨 

gd: 

アプリケーションが表示するエラー・メッセージは、エラーの考えうる原因を示し、ユーザがそれに応じて取ることができるアクションを示す。 

オプション 

ge: 

アプリケーションは、エラーの条件やイベントを通知するために、表示されるメッセージに加えて、音声でのフィードバックも使用するべきである。 

オプション 

gf: 

カーネルおよびライブラリ・ルーチンからのエラー・メッセージには頼らないようにする。カーネルおよびライブラリ・ルーチンからのエラー・メッセージは、通常はユーザには見えず、ユーザに見えるときであっても、プログラマ以外のユーザにとってはわかりにくい内容になっている。アプリケーションはエラー条件を検査し、ユーザのアクションと意図に沿った適切なエラー・メッセージを表示するべきである。 

推奨 

gg: 

ユーザが指定したアクションによって、またはシステムに格納されている情報、またはシステムやデスクトップ環境の動作が元に戻せなくなったり、破壊的されたりする可能性がある場合、アプリケーションは確認または警告メッセージ・ダイアログ・ボックスを表示する。 

オプション 

gh: 

ユーザがどのアプリケーションやデスクトップ・サービスにアクセスしていても、ユーザがただちに知らなければならない緊急事態が発生した場合は、聴覚的かつ視覚的な通知を使用してユーザの注意を引く。アプリケーションがどのワークスペースにあるかにかかわらず、警報は現在のワークスペースで通知されなければならない。 

ネットワーク・モニタや株式監視プログラムなどのアプリケーションは、あるイベントに対して、ユーザの注意をただちに引き付けなければならない。ユーザへの通知には、視覚的かつ聴覚的な警報を使用するべきである。ユーザはその警報を確認し、終了させることができなければならない。 

推奨 

gi: 

アプリケーションは、ステータス、経過状況または情報 (ヘルプ) メッセージを伝えるためにのみ、フッタ・メッセージを使用する。エラー・メッセージの表示のためにフッタは使用しない。 

フッタは、ウィンドウ内でのオプションの選択方法や、特定のフィールドの入力方法をユーザに知らせるためのプロンプト・メッセージを表示するのに適している。ユーザにエラー・メッセージを表示したり、ユーザに気付いてもらう必要がある情報メッセージには使用するべきではない。これらのメッセージは、適切な形式のメッセージ・ダイアログ・ボックスに表示する。 

推奨 

gj: 

アプリケーションは、自己完結的な説明を含んでいるダイアログ・ボックスを除き、すべてのメッセージ・ダイアログ・ボックスに [ヘルプ] ボタンを用意する。 

アプリケーションは、専門家と初心者のユーザの両方を念頭に置いて設計しなければならない。初心者のユーザは、メッセージの内容、それが表示される状況、およびメッセージに対してユーザが行うべきアクションを理解するための情報にアクセスできなければならない。 

推奨 

gk: 

アプリケーションは、メッセージの表示のために、適切な形式のダイアログ・ボックスを使用する。 

オプション 

gl: 

情報ダイアログ・ボックスは、ステータス、アクションの完了、あるいはユーザがそのメッセージを読んだということを確認する以外に特別な応答をしなくて済むような、他のタイプの情報メッセージを表示するために使用される。 

情報ダイアログ・ボックスは、少なくとも、ユーザがダイアログ・ボックスを消去できるように [了解] ボタンを持っていなければならない。メッセージの表示を引き起こした状況に関して他の情報があったり、メッセージが関連するトピックについて他のリファレンスがある場合は、[ヘルプ] ボタンを用意する。 

オプション 

gm: 

エラー・ダイアログ・ボックスは、ユーザにエラー・メッセージを表示するために使用される。表示されるエラー・ダイアログ・ボックスは、エラーの内容と、その発生理由を示す。エラー・ダイアログ・ボックスには、メッセージが自己完結的である場合を除き、ユーザが詳細な情報を得られるように [ヘルプ] ボタンが含まれている。エラー・ダイアログ・ボックスは、ダイアログ・ボックスを閉じる [了解] ボタンを含んでいる。 

発生したエラーのために、実行中のアクションが中断した場合を除き、エラー・ダイアログ・ボックスには [取消し] ボタンは不要である。[取消し] ボタンがある場合、メッセージはユーザがアクションの続行または中止を選択できることを示さなければならず、ダイアログ・ボックスのボタンは [続行]、[取消し]、および [ヘルプ] となる。一般に、エラー・ダイアログ・ボックスは、ユーザがエラー・メッセージを読んだことを確認するまで、アプリケーションの操作を行なってはならない場合を除き、モード付きであってはならない。 

オプション 

gn: 

ユーザに質問をするためには質問ダイアログ・ボックスが使用される。質問は、肯定応答と否定応答が何なのかがわかるように、明確に書かれていなければならない。表示されるボタンは [はい]、[いいえ]、および [ヘルプ] である。[ヘルプ] は、[はい] と [いいえ] の選択に対してアプリケーションが行う処理に関する情報を提供する。 

[はい] と [いいえ] のボタン・ラベルは、可能な限り、これらのオプションを選択することによって実行されるアクションを明確に示すラベルに置き換えるべきである。たとえば、ユーザがドキュメントに変更を加えており、保存を行わずにアプリケーションの [終了] オプションを選択した場合は、「変更内容は保存されていません。終了する前に保存しますか」と問い合わせる確認ダイアログ・ボックスを表示する。ボタンは [保存]、[破棄]、[取消し]、および [ヘルプ] になる。これらのラベルを使うと、上級ユーザは、質問の内容を読まずに、ラベルだけから判断して、正しいボタンをクリックできる。 

オプション 

go: 

ユーザが要求したアクションの結果として、データやシステムまたはアプリケーションへのアクセスしやすさが失われたり、その他の望ましくないイベントが起こる可能性がある場合は、そのことを通知するために警告ダイアログ・ボックスが使用される。このダイアログ・ボックスは、アクションが実行される前に表示され、要求された操作を取り消す機会をユーザに与える。表示されるボタンは [はい]、[いいえ]、および [ヘルプ]、あるいは [継続]、[取消し]、および [ヘルプ] である。[ヘルプ] は、要求されたアクションを実行したときの結果に関する追加情報を提供する。 

[はい] と [いいえ]、または [継続] と [取消し] のどちらを使用するかは、メッセージの言葉遣いに依存する。[はい] と [いいえ] のラベルは、前述のように、適当な言葉に置き換えるべきである。[継続] は、実行されるアクションに即したラベルに置き換えることもできる。 

オプション 

gp: 

実行中の作業に関する情報が、アプリケーションのウィンドウのフッタに表示されない場合は、この情報を作業中ダイアログ・ボックスに表示する。このダイアログ・ボックスは、ユーザが作業を終了させるための [中止] ボタンを含んでいる。操作は次の適当なブレークポイントで終了し、ユーザが本当に作業を中止したいのかどうかを問い合わせる確認を表示できる。確認メッセージは、アクションを中止したときの影響を記述することもできる。 

オプション 

gq: 

アプリケーションは、エラー・メッセージがメッセージ・ダイアログ・ボックスに表示するのには適さないが、問題の診断に役立つ可能性がある場合には、共通デスクトップ環境のエラー・ログにエラー・メッセージを書き込む。 

また、ユーザまたは管理者にとって、メッセージを後から確認できると便利な場合は、ユーザに表示されたエラー・メッセージをエラー・ログに書き込むこともできる。エラー・ログに書き込まれたメッセージは、エラーに関する詳細な情報を提供し、エラーが発生したコンテキストを明示するべきである。 

オプション 

gr: 

情報メッセージは、左揃えで表示され、その控え目な性質を保つために、細いフォントで表示するべきである。情報メッセージが表示されるマージンは、マウス・フォーカスを受け付けてはならない。 

オプション 

gs: 

経過メッセージは、通常は操作の実行中にのみ表示される。通知や無効になっているその他の情報は、それが現在の情報なのかということで混乱を起こさないように、2、3 秒以内に削除されなければならない。