前述の 「各 ToolTalk 対応アプリケーションが実行する必要があるタスク」で説明しているタスクの他に、ToolTalk 対応エディタ・アプリケーションは次のタスクも実行する必要があります。
ptype の宣言
開始文字列メッセージの処理
メディア・コールバックのパス
メッセージの無視
要求完了時の応答
この節では、これらの追加タスクを実行できるようにエディタ・アプリケーションに組み込む必要がある ToolTalk のコーディング例を取り上げます。
この節で使用しているコーディングの一部分は、CoEditor.C ファイルから引用しています。このファイルには、エディタ・アプリケーション用の特定コマンドが入っています。詳細なソースコードについては、付録 B 「CoEd デモンストレーション・プログラム」 を参照してください。
ToolTalk 関数を組み込むためにエディタ・アプリケーションをコーディングする前に、実行しなければならない手順が 1 つあります。この手順は、メディア・ロード・パターン・コールバック・ルーチンを記述する必要があるということです。たとえば、次のようになります。
Tt_message CoEditor::loadISOLatin1_( Tt_message msg, void *pWidget, Ttttk_op op, Tt_status diagnosis, unsigned char *contents, int len, char *file, char *docname )
このコールバックは、実行時にメディア・ロード関数に渡されます。
型情報は (アプリケーションのインストール時に) 1 回だけしか指定されないので、アプリケーションを起動するたびにその ptype を宣言する必要があります。
前述したメディア・ロード・パターン・コールバック・ルーチンは実行時に渡されます。コールバックは、アプリケーションがセッションに参加するときに登録されます。ツールが要求を処理することにすると、コールバック・メッセージが送信されます。ファイルが参加する、あるいはメッセージが無視される場合にも、コールバック・メッセージは送信されます。
// Join the session and register patterns and callbacks sessPats = ttdt_session_join( 0, 0, session_shell, this, 1 ); // Accept responsibility to handle a request _contractPats = ttdt_message_accept(msg, CoEditor::_contractCB_, shell, this, 1, 1 ); // Optional task: Join a file (Can be called recursively) if (_filePats == 0) {_filePats = ttdt_file_join( _file, TT_SCOPE_NONE, 1, CoEditor::_fileCB_, this ); } // Fail a message tttk_message_fail( msg, TT_DESKTOP_ENODATA, 0, 1 );
アプリケーションはオペレーションの要求を完了した後、送信側アプリケーションに応答しなければなりません。次のメッセージは、テキストの編集された内容を送信側に返します。
// Reply to media load pattern callback // with edited contents of text ttmedia_load_reply( _contract, (unsigned char *)contents, len, 1 );