Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド

RAID5 スライスの交換方法 (コマンド行)

この作業は、1 つのスライスにだけエラーの発生した RAID5 メタデバイス内で、エラーの発生したスライスを交換するために使用します。


注意 - 注意 -

複数のスライスにエラーが発生している場合、エラーになったスライスを交換すると、正確でないデータが生成される可能性があります。この場合、データの整合性には疑問があります。


「DiskSuite オブジェクトを保守するための前提条件」の前提条件、「ミラーと RAID5 メタデバイスにおけるスライスの交換と有効化の概要」の概要、「ミラーと RAID5 メタデバイス内のスライスを交換および有効にするための予備情報」の予備情報をチェックしてから、この例に従って RAID5 メタデバイス内のエラーの発生したスライスを交換します。詳細については、metareplace(1M) のマニュアルページを参照してください。

例 - RAID5 スライスの交換


# metastat d1
d1: RAID
State: Needs Maintenance
    Invoke: metareplace d1 c0t14d0s6 <new device>
    Interlace: 32 blocks
    Size: 8087040 blocks
Original device:
    Size: 8087520 blocks
	Device              Start Block  Dbase State        Hot Spare
	c0t9d0s6                 330     No    Okay        
	c0t13d0s6                330     No    Okay        
	c0t10d0s6                330     No    Okay        
	c0t11d0s6                330     No    Okay        
	c0t12d0s6                330     No    Okay        
	c0t14d0s6                330     No    Maintenance
 
# metareplace d1 c0t14d0s6 c0t4d0s6
d1: device c0t14d0s6 is replaced with c0t4d0s6
# metatstat d1
d1: RAID
    State: Resyncing
    Resync in progress: 98% done
    Interlace: 32 blocks
    Size: 8087040 blocks
Original device:
    Size: 8087520 blocks
	Device              Start Block  Dbase State        Hot Spare
	c0t9d0s6                 330     No    Okay        
	c0t13d0s6                330     No    Okay        
	c0t10d0s6                330     No    Okay        
	c0t11d0s6                330     No    Okay        
	c0t12d0s6                330     No    Okay
	c0t4d0s6                 330     No    Resyncing

metastat コマンドは、RAID5 メタデバイス d1 内でエラーの発生したスライスから回復するために実行する操作内容を表示します。使用可能なスライスを探してから、metareplace コマンドを実行します。その際、最初にエラーの発生したスライスを指定し、次に交換用のスライスを指定します (他のスライスが使用できない場合、-e オプション付きの metareplace(1M) コマンドを実行し、エラーの発生したデバイスを再同期することによって、予想されるソフトエラーからの回復を試みます)。複数のエラーが存在する場合、「Maintenance (保守)」状態にあるスライスを最初に交換または有効にする必要があります。そうすれば「Last Erred (最後にエラーが発生した状態)」のスライスを修復できます。metareplace の後、metastat が再同期の進捗状況を監視します。交換中には、メタデバイスと新しいスライスの状態は「Resycing (再同期中)」となります。この状態の間は、メタデバイスを使用し続けることができます。


注 -

エラーの発生していないデバイス上で metareplace(1M) コマンドを使用して、ディスク (スライス) を変更することができます。この方法は、RAID5 メタデバイスのパフォーマンスをチューニングするときに便利です。