Hostview GUI (別の実行可能ファイル drview(1M) を内部で呼び出します) を使用して接続操作を行うと、接続プロセス中、以下のボタンがさまざまな場面で登場します。
init attach - 接続を開始します (「Init Attach 操作」を参照)。接続が正常に完了すると、このボタンの表示が complete に変わります。
complete - 接続を完了します (「Complete Attach 操作」を参照)。
reconfig - ドメインのデバイスディレクトリを自動的に再構成します。ボードを接続した後で、この再構成を実行するとよいでしょう (「DR 操作後の再構成」を参照)。
abort - 接続を取り消します。このボタンは、Init Attach 操作が正常に完了した後で有効になります (「Init Attach 操作」を参照)。
dismiss - 現在行っている手順を終了しますが、ボードは現在の状態 (Present、Init Attach、In Use) のままになります。DR Attach ウィンドウは、接続の任意の時点で dismiss を選択することによって、消去することができます。dismiss ボタンは、接続のために SSP 上で行われているすべての処理を終了します。たとえば、dismiss をクリックしたときに hpost(1M) が実行中の場合は、hpost(1M) プロセスが終了します。dr_daemon(1M) への RPC によってホスト上で行われている処理は、dismiss では終了できません。RPC が開始されると、ホストは、呼び出したプログラムが RPC が終了するのを待っているかどうかに関係なく、RPC を完了します。ホストの dr_daemon(1M) は、接続の進行状況を追跡します。Init Attach 操作が正常に完了すると、dr_daemon(1M) はこの状態を記録します。ですから、ウィンドウを消しても、後で DR 操作に戻り、接続を中止することができます。
help - DR Attach 操作に関するオンライン情報を表示します。
以下の操作を実行する前に、「システムボードの接続」を必ずお読みください。
Hostview の View メニューから、表示させるシステムを選択します。
接続するボードを含んだ画面を選択してください。
Hostview で、接続するボードを選択します。
Hostview から Configuration > Board > Attach を選択します。
attach - Board and Domain Selection ウィンドウが表示されます (図 3-1)。
最上部にある select ボタンをクリックします。
Board フィールドには情報が自動的に入力されます。ボードがドメインに属している場合は、同様に Domain にも自動的に情報が入力されます (手動でこのフィールドを編集することもできます)。
Hostview のメインウィンドウの View メニューから、ボードを接続するドメインを選択します。
Select ボタンをクリックします。
Target Domain フィールドに情報が自動的に入力されます (手動でこのフィールドを変更することもできます)。
execute ボタンをクリックします。
エラーが発生すると、Hostview のメインウィンドウにエラーメッセージが表示されます。エラーがなければ、Dynamic Reconfiguration ウィンドウが表示されます。このウィンドウには init attach ボタンが表示されます (図 3-2)。
init attach ボタンをクリックします。
init attach ボタンをクリックすると、ボード接続プロセスの最初の段階が開始されます。システムは最初に、ターゲットドメインのボードリストにシステムボードを追加することによって、SSP の domain.config(4) ファイルを更新します。次に、システムは hpost(1M) を使用してシステムボードのセルフテストを行います。セルフテスト完了後、センタープレーンおよびシステムボードハードウェアレジスタを変更して、ハードウェアドメインに組み込まれることによって、そのボードは実行中のターゲットドメインに認識されるようになります。最後に、init attach を完了するときに OBP は新しいボードをプローブして、そのボード上にある CPU、入出力およびメモリーを認識します。この段階が終了すると、ボタンの表示が complete に変化します。また、complete ボタンをクリックする前にドメイン情報を表示して、指定の確認をしてください (「ドメイン情報の表示」を参照)。
通常、Init Attach 操作の完了までには、数分を要します。hpost(1M) コマンドの出力は、Dynamic Reconfiguration ウィンドウの Information 区画に表示されます。
Init Attach が失敗した場合は、Information 区画に出力された内容を見て、原因を解明してください。原因を把握してから、再度 Init Attach を選択します。
Init Attach の処理が成功すると、ウィンドウは 図 3-3 のように変わり、complete ボタンが有効になります。
complete ボタンをクリックします。
通常、complete 操作が完了するのに約 1 分かかります。正常に完了すると、DR は以下のメッセージを表示します。
Board attachment completed successfully |
これで、オペレーティングシステムは、システムボードのリソース (プロセッサ、メモリー、および入出力デバイス) を使用することができます。
「ドメイン情報の表示」で説明するように、ボタン (CPU、Memory、Device など) を使用して、新たに接続したボードのシステム情報を表示することができます。
reconfig ボタンを使用する前に、「DR 操作後の再構成」を必ずお読みください。
dismiss ボタンをクリックします。
DR Attach 操作が完了します。
以下に説明する手順は、SSP バージョン 3.1 以降と dr(1M) を使用してボードを接続する方法です。SSP バージョン 3.0 を使用している場合は、前バージョンの『Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』を参照してください。
以下の操作を実行する前に、「システムボードの接続」を参照してください。ボードの接続プロセスは、Hostview を使用した場合も dr(1M) を使用した場合も似ています。基本的な概念はこの節では繰り返しません。
dr(1M) シェルについては第 1 章「動的再構成の概要」で説明しています。dr(1M) アプリケーションでは、help コマンドによって、クイックリファレンスガイドを利用することができます。
domain_switch(1M) コマンドを使用して、SUNW_HOSTNAME を適切なドメインに設定します。
% domain_switch ドメイン名 |
SSP ウィンドウで dr(1M) コマンドを実行し、dr(1M) プロンプトを表示します。
% dr Checking environment... Establishing Control Board Server connection... Initializing SSP SNMP MIB... Establishing communication with DR daemon... xf3: Domain Status - Summary BOARD #: 0 1 2 5 6 8 9 10 11 13 physically present. BOARD #: 4 7 being used by the domain. dr> |
目的のボードに対して、init_attach(1M) 操作を開始します。
dr> init_attach 6 Initiate attaching board 6 to domain xf3. Adding board 6 to domain_config file. /opt/SUNWssp/bin/hpost -H40,28 Opening SNMP server library...
Significant contents of /export/home/ssp/.postrc: blacklist_file ./bf redlist_file ./rf Reading centerplane asics to obtain bus configuration... Bus configuration established as 3F. phase cplane_isolate: CP domain cluster mask clear... ... phase final_config: Final configuration... Configuring in 3F, FOM = 2048.00: 4 procs, 4 SCards, 1024 MBytes. Creating OBP handoff structures... Configured in 3F with 4 processors, 4 SBus cards, 1024 MBytes memory. Interconnect frequency is 83.294 MHz, from SNMP MIB. Processor frequency is 166.631 MHz, from SNMP MIB. Boot processor is 6.0 = 24 POST (level=16, verbose=20, -H28,0040) execution time 3:07 hpost is complete. obp_helper -H -m24 Board debut complete. Reconfiguring domain mask registers. Board attachment initiated successfully.
Ready to COMPLETE board attachment. |
接続操作を中止するか、完了します。
ボードの接続操作を完了する場合は、complete_attach(1M) コマンドを使用します。
dr> complete_attach 6 Completing attach for board 6. ...Checking IDN state of domain_name_a : UP Issuing IDN UNLINK (domain_name_a) Verifying IDN UNLINK... IDN (XM) UNLINK succeeded (domain_name) ...Checking IDN state of domain_name_a : UP ...Checking IDN state of domain_name_b : UP Initiating IDN LINK... IDN LINK succeeded (domain_name_a + domain_name_b) Board attachment completed successfully. dr> |
ボードが正常に接続されると、すべての drshow(1M) 表示が使用可能になります。
drshow(1M) を使用して、新たに接続されたボードの入出力情報を表示します。
dr> drshow 6 IO
SBus Controllers and Devices for Board 6
---------------------- Sbus 0 : Slot 0 : SUNW,pln0 -------------
device opens name usage ------ ----- ---- ----- ssd0 0 /dev/dsk/c1t0d0s0 ssd16 0 /dev/dsk/c1t1d0s0 ssd32 0 /dev/dsk/c1t2d0s0 ssd48 0 /dev/dsk/c1t3d0s0 ssd64 0 /dev/dsk/c1t4d0s0 ssd80 0 /dev/dsk/c1t5d0s0
---------------------- Sbus 0 : Slot 1 : SUNW,pln2 -------------
device opens name usage ------ ----- ---- ----- ssd96 0 /dev/dsk/c2t0d0s0 ssd97 0 /dev/dsk/c2t0d1s0 ... |
exit と入力して、この dr(1M) セッションを終了します。
dr> exit % |
SSP のログインシェルプロンプトが再度表示されます。