ここでは、UNIX ファイルシステムによって使用されているディスクを構成解除する手順を説明します。
以下で説明する作業は、有資格のシステム管理者が行ってください。動作中のディスクドライブに対して誤ったホットプラグ作業を行うと、データが失われることがあります。
su と入力し、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
取り外すデバイスを使用している処理またはアプリケーションを特定します。
これを行うには、mount、showmount -a、ps -ef コマンドを使用します。詳細は、mount(1M)、showmount(1M)、ps(1) のマニュアルページを参照してください。
たとえば、コントローラ番号が 0 で、ターゲット ID が 11 の場合は、以下のように入力します。
# mount | grep c0t11 /export/home1 on /dev/dsk/c0t11d0s2 setuid/read/write on # showmount -a | grep /export/home1 cinnamon:/export/home1/archive austin:/export/home1 swlab1:/export/home1/doc # ps -f | grep c0t11 root 1225 450 4 13:09:58 pts/2 0:00 grep c0t11
この例では、障害の発生したディスクのファイルシステム /export/home1 が、3 つのシステム (cinnamon、austin、swlab1) によって遠隔マウントされています。動作中のプロセスは grep だけで、これは終了しています。
構成解除するファイルシステムに対するすべての処理やアプリケーションプロセスを停止します。
システムのバックアップを取ります。
# mount | grep cwtx
たとえば、構成解除するデバイスが c0t11d0 の場合は、以下のように入力します。
# mount | grep c0t11 /export/home (/dev/dsk/c0t11d0s7 ): 98892 blocks 142713 files /export/home1 (/dev/dsk/c0t11d0s5 ): 153424 blocks 112107 files
ディスクのパーティションテーブルを特定して、保存します。
交換用ディスクの種類が障害の発生したディスクと同じ場合は、format コマンドを使用して、ディスクのパーティションテーブルを保存することができます。format で save コマンドを使用して、パーティションテーブルを /etc/format.dat ファイルにコピーしてください。これによって、現在のディスクと同じ配置になるように交換用ディスクを設定することができます。
詳細は、format(1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスク上にあるすべてのファイルシステムをマウント解除します。
# umount ファイルシステム
ファイルシステムは、手順 5 で返された各行の先頭の列の値です。
# umount /export/home # umount /export/home1
マウント解除するファイルシステムが存在するディスクで障害が発生しているか、障害が発生した場合、umount 処理が完了せずに、その処理中に大量のエラーメッセージがシステムコンソールに表示され、/var ディレクトリ内に記録される場合があります。umount 処理が正常に完了しない場合は、システムの再起動が必要となる場合があります。
ssaadm replace_device コマンドを使用して、デバイスをオフラインにします。
# ssaadm replace_device 論理デバイス名 ssaadm: warning: can't quiesce "/dev/rdsk/c0t11d0s2": I/O error Bus is ready for the replacement of device Replace device and reconfigure bus as needed Press RETURN when ready to continue
論理デバイス名には、取り外すドライブの完全な論理デバイス名 (この例では /dev/rdsk/c0t11d0s2) を指定します。ディスク全体を表すスライス 2 を指定する必要があります。このコマンドには、論理デバイス名の代わりに物理デバイス名を指定することもできます。
Sun Enterprise 250 の SCSI バスは休止を必要としないため、警告メッセージは無視してください。
障害の発生したディスクドライブを取り外して、交換用ドライブを挿入します。
ディスクドライブの取り外しと交換の方法については、『Sun Enterprise 250 サーバーユーザーマニュアル』を参照してください。
Return を押して、ホットプラグ作業を完了します。
ssaadm コマンドによって、交換用ドライブがオンラインになります。
デバイスのパーティションテーブルが、再度作成するファイルシステムの条件を満たしているか確認します。
デバイスのラベルは、prtvtoc コマンドを使用して調べることができます。ラベルを変更する場合は、format コマンドを使用します。詳細は、prtvtoc(1M) および format(1M) のマニュアルページを参照してください。以下に例を示します。
# prtvtoc /dev/rdsk/cwtxdysz
交換用ディスクの種類が障害の発生したディスクと同じで、format ユーティリティを使用してディスクパーティションテーブルを保存した場合は、format ユーティリティの partition セクションを使用して、交換用ディスクのパーティションテーブルを設定することができます。partition セクションの select と label コマンドを参照してください。
交換用ディスクと元のディスクの種類が異なる場合は、元のディスクのパーティションの大きさに関する情報を使用して、交換用ディスクにパーティションテーブルを設定することができます。詳細は、prtvtoc(1M) と format(1M) のマニュアルページを参照してください。
これで、ディスクのパーティションテーブルと、UFS ファイルシステムを作成するディスクスライスを定義したことになります。
UFS ファイルシステムで使用するディスクスライスを選択し、スライスのファイルシステムを調べて、ファイルシステムを作成します。
# fsck /dev/rdsk/cwtxdysz # newfs /dev/rdsk/cwtxdysz
mount コマンドを使用して新しいファイルシステムをマウントします。
# mount マウント先
マウント先は、障害の発生したディスクがマウントされていたディレクトリです。
これで、新しいディスクを使用し、バックアップからデータを復元することができます。