Ultra 450 システムは、内蔵ディスクドライブの「ホットプラグ」機能に対応しています。このため、オペレーティングシステムを停止したり、システムの電源を切らずに、新しいディスクドライブを取り付けたり、障害の発生したディスクドライブを交換することができます。ホットプラグの手順には、ソフトウェアコマンドを使用して、ディスクドライブを取り外すための準備や、新しいドライブを取り付けた後のシステム環境の再構成が含まれます。
むやみにドライブを取り外さないでください。ドライブが動作している場合は、完全に停止するのを待って取り外してください。ドライブを取り外すために、オペレーティングシステムを停止したり、システムの電源を切る必要はありません。システムはホットプラグに対応していますが、ソフトウェアに関する注意事項がいくつかあります。ドライブの取り外し、交換、追加は、後述の手順に従って行ってください。
動作中のディスクドライブに対しては、ホットプラグ作業やホットプラグ時の再構成を行わないでください。ドライブに対するディスクアクセスがすべて停止するのを待ってから、取り外しまたは交換を行ってください。
一般的に、ホットプラグ時の再構成の手順は以下のようになります。
ホットプラグ後の再構成のための準備を行う
ディスクドライブを追加、交換、または取り外す
システム環境を再構成する
以下の 3 つの操作を行う場合は、ホットプラグ機能が有用になります。
ディスクドライブを追加して記憶容量を増やす
「ホットプラグ対応のディスクドライブの追加」を参照してください。
システムの動作中に障害の発生したディスクドライブを交換する
「障害の発生したホットプラグ対応のディスクドライブの交換」を参照してください。
障害の発生したドライブの交換では、作業を円滑に行うために、事前に交換ドライブを用意しておいてください。
各交換用ディスクに対しては、障害の発生した元のディスクと同じ方法でフォーマット、ラベル指定、パーティション分割を行います。また、ファイルシステムの作成と、個々のアプリケーションに必要な準備を行います。
不要になったディスクドライブを取り外す
「ホットプラグ対応のディスクドライブの取り外し」を参照してください。
ここでは、オペレーティングシステムの動作中にディスクドライブを追加できるようにシステムを設定する方法を説明します。
ディスクドライブを追加する方法は、使用しているアプリケーションによって異なります。使用しているアプリケーションに関わらず、新しいディスクドライブの取り付け場所を決め、ドライブを追加し、システム環境を再構成する必要があります。
どのような場合でも、ディスクドライブを取り付けるスロットを選択し、物理的にディスクドライブを取り付け、ドライブが認識されるように Solaris 環境を設定する必要があります。さらに、新しいディスクドライブを使用することができるようにアプリケーションを設定する必要があります。
システムの内蔵ディスクアレイは、ロープロファイル UltraSCSI ディスクドライブを 20 台まで収容することができます。基本システム構成では、4 スロットのバックプレーンに 1 〜 4 台のディスクドライブを接続することができます。
5 〜 12 台の内蔵ディスクドライブを使用するには、別売の 8 ベイ拡張記憶装置キットを取り付ける必要があります。このキットは、8 スロットのバックプレーン 1 つと、デュアルチャネル、シングルエンド型 UltraSCSI PCI コントローラカード 1 枚、必要なケーブル一式で構成されています。13 台以上の内蔵ディスクドライブを使用するには、8 ベイ拡張記憶装置キットがもう 1 つ必要になります。キットは、工場出荷時にあらかじめ取り付けることも、後日アップグレードとして取り付けることもできます。
システムの内蔵ディスクスロットを以下に示します。ディスクスロットは 20 個あり、0 〜 19 の番号が付けられています。システムに新しいディスクドライブを追加するときは、番号の小さい空きスロットから順に取り付けます。
ドライブの取り付け手順については、『Sun Ultra 450 ワークステーションユーザーマニュアル』または『Ultra Enterprise 450 システムユーザーマニュアル』を参照してください。
ディスクドライブを取り付けた後に、そのドライブの新しいデバイスエントリを /devices、/dev/dsk、/dev/rdsk 階層に作成する必要があります。新規ドライブには、cwtxdysz 形式の論理デバイス名が割り当てられます。
w は、ディスクドライブの SCSI コントローラに対応しています。
x は、ディスクドライブの SCSI ターゲットに対応しています。
y は、ディスクドライブの論理ユニット番号で、常に 0 です。
z は、ディスクのスライス (パーティション) です。
ドライブに割り当てられる論理デバイス名は、ドライブが取り付けられたスロット番号と、そのドライブが接続された UltraSCSI コントローラカードの取り付けられている PCI スロット番号によって異なります。
drvconfig コマンドと disks コマンドを使用して、新しいデバイスを追加します。
# drvconfig # disks
以下のように入力して、新しいディスクが作成されたことを確認します。
# ls -lt /dev/dsk | more lrwxrwxrwx 1 root root 41 Jan 30 09:07 c0t3d0s0 -> ../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@3,0:a lrwxrwxrwx 1 root root 41 Jan 30 09:07 c0t3d0s1 -> ../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@3,0:b lrwxrwxrwx 1 root root 41 Jan 30 09:07 c0t3d0s2 -> ../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@3,0:c lrwxrwxrwx 1 root root 41 Jan 30 09:07 c0t3d0s3 -> ../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@3,0:d lrwxrwxrwx 1 root root 41 Jan 30 09:07 c0t3d0s4 -> ../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@3,0:e lrwxrwxrwx 1 root root 41 Jan 30 09:07 c0t3d0s5 -> ../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@3,0:f lrwxrwxrwx 1 root root 41 Jan 30 09:07 c0t3d0s6 -> ../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@3,0:g lrwxrwxrwx 1 root root 41 Jan 30 09:07 c0t3d0s7 -> ../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@3,0:h --More--(13%)
この一覧の先頭に、新しいディスクとその論理デバイス名が表示されます。ファイル作成日が実際にファイルを作成した日時と一致することを確認してください。上記の例では、新しいディスクの論理デバイス名は c0t3d0 です。
それぞれのアプリケーションについてディスクドライブの設定作業を行ってください。
以下で説明する作業は、有資格のシステム管理者が行ってください。動作中のディスクドライブに対して誤ったホットプラグ作業を行うと、データが失われることがあります。
UFS ファイルシステムで使用するスライス (単一の物理パーティション) をディスクに設定するには、以下の手順に従ってください。Solstice(TM) DiskSuite(TM) (SDS) 論理ディスクにファイルシステムを追加する方法については、アプリケーションに付属しているマニュアルを参照してください。
デバイスラベルが条件を満たしているか確認します。
ディスクのラベルは、prtvtoc コマンドを使用して調べることができます。ラベルを変更する場合は、format コマンドを使用します。詳細は、prtvtoc(1M) および format(1M) のマニュアルページを参照してください。
UFS ファイルシステムで使用するスライスを選択し、そのスライスに新しいファイルシステムを作成します。
# newfs /dev/rdsk/cwtxdysz
# newfs /dev/rdsk/c0t3d0s2
詳細は、newfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
必要に応じて、作成したファイルシステムのマウント先を作成します。
# mkdir マウント先
マウント先には、絶対パス名を指定します。詳細は、mount(1M) のマニュアルページを参照してください。
ファイルシステムとマウント先の作成が終了したら、新しいファイルシステムが反映されるように /etc/vfstab ファイルを変更します。
詳細は、vfstab(4) のマニュアルページを参照してください。
mount コマンドを使用して新しいファイルシステムをマウントします。
# mount マウント先
マウント先は、手順 3 で作成したディレクトリです。
これでファイルシステムを使用することができます。
システムに追加したディスクは、Solstice DiskSuite (SDS) の新規または既存のメタデバイスで使用することができます。
ディスクドライブの設定については、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
ここでは、オペレーティングシステムの動作中にディスクドライブを交換できるようにシステムを設定する方法を説明します。
障害の発生したディスクドライブを交換する方法は、使用しているアプリケーションによって異なります。使用しているアプリケーションに関わらず行う必要がある作業は以下のとおりです。
障害が発生しているか、障害が発生したディスクドライブを特定する
ディスクドライブを取り外す
交換用のドライブを追加する
システム環境を再構成する
どのような場合でも、ディスクやアプリケーションを停止してから、ディスクをマウント解除し、現在のドライブを取り外して、交換用ドライブを取り付け、ドライブが認識されるように Solaris 環境を設定する必要があります。さらに、新しいディスクドライブを使用することができるようにアプリケーションを設定する必要があります。
交換用ディスクドライブは、できるだけ事前に用意しておいてください。各交換用ディスクドライブに対しては、障害の発生した元のディスクと同じ方法でフォーマット、ラベル指定、パーティション分割を行います。ディスクのフォーマット、パーティションの作成、アプリケーションへのディスクの追加の方法については、アプリケーションのマニュアルを参照してください。
ディスクエラーの発生は、さまざまな方法によって報告されます。一般的には、障害が発生しているか、障害が発生したディスクに関するメッセージはシステムコンソールで確認します。この情報は、/usr/adm/messages ファイルにも記録されます。一般的にこれらのエラーメッセージは、ディスクの物理デバイス名 (/devices/pci@6,4000/scsi@4,1/sd@3,0 など) と UNIX のデバイスインスタンス名 (sd14 など) によって、障害の発生したディスクドライブを示します。場合によっては、論理デバイス名 (c2t3d0 など) が使用されることもあります。また、ドライブのスロット番号 (0 〜 19) を報告したり、ディスクドライブに対応する LED を点灯させたりするアプリケーションもあります (図 3-2 を参照)。
ディスクのホットプラグ作業を行うには、障害の発生したディスクのスロット番号 (0 〜 5) と、ディスクの論理デバイス名 (c2t3d0 など) を特定する必要があります。ドライブスロット番号が特定されている場合は、論理デバイス名を調べることができます。また、その逆も可能です。また、物理デバイス名 (/devices/pci@6,4000/scsi@4,1/sd@3,0 など) からドライブスロット番号と論理デバイス名の両方を調べることもできます。
ある形式のディスク識別名から別の形式の識別名を求める方法については、第 4 章「論理デバイス名と物理デバイス名の対応」を参照してください。ドライブスロット番号と論理デバイス名を特定したら、次の手順に進むことができます。
それぞれのアプリケーションについてディスクの交換作業を行ってください。
ここでは、UNIX ファイルシステムによって使用されているディスクを構成解除する手順を説明します。
以下で説明する作業は、有資格のシステム管理者が行ってください。動作中のディスクドライブに対して誤ったホットプラグ作業を行うと、データが失われることがあります。
su と入力し、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
取り外すデバイスを使用している処理またはアプリケーションを特定します。
これを行うには、mount、showmount -a、ps -ef コマンドを使用します。詳細は、mount(1M)、showmount(1M)、ps(1) のマニュアルページを参照してください。
たとえば、コントローラ番号が 1 で、ターゲット ID が 2 の場合は、以下のように入力します。
# mount | grep c1t2 /export/home1 on /dev/dsk/c1t2d0s2 setuid/read/write on # showmount -a | grep /export/home1 cinnamon:/export/home1/archive austin:/export/home1 swlab1:/export/home1/doc # ps -f | grep c1t2 root 1225 450 4 13:09:58 pts/2 0:00 grep c1t2
この例では、障害の発生したディスクのファイルシステム /export/home1 が、3 つのシステム (cinnamon、austin、swlab1) によって遠隔マウントされています。動作中のプロセスは grep だけで、これは終了しています。
構成解除するファイルシステムに対するすべての処理やアプリケーションプロセスを停止します。
システムのバックアップを取ります。
# mount | grep cwtx
たとえば、構成解除するデバイスが c1t2d0 の場合は、以下のように入力します。
# mount | grep c0t11 /export/home (/dev/dsk/c0t11d0s7 ): 98892 blocks 142713 files /export/home1 (/dev/dsk/c0t11d0s5 ): 153424 blocks 112107 files
ディスクのパーティションテーブルを特定して、保存します。
交換用ディスクの種類が障害の発生したディスクと同じ場合は、format コマンドを使用して、ディスクのパーティションテーブルを保存することができます。format で save コマンドを使用して、パーティションテーブルを /etc/format.dat ファイルにコピーしてください。これによって、現在のディスクと同じ配置になるように交換用ディスクを設定することができます。
詳細は、format(1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスク上にあるすべてのファイルシステムをマウント解除します。
# umount ファイルシステム
ファイルシステムは、手順 5 で返された各行の先頭の列の値です。
# umount /export/home # umount /export/home2
マウント解除するファイルシステムが存在するディスクで障害が発生しているか、障害が発生した場合、umount 処理が完了せずに、その処理中に大量のエラーメッセージがシステムコンソールに表示され、/var ディレクトリ内に記録される場合があります。umount 処理が正常に完了しない場合は、システムの再起動が必要となる場合があります。
ディスクドライブの取り外しと交換方法については、『Sun Ultra 450 ワークステーションユーザーマニュアル』または『Ultra Enterprise 450 システムユーザーマニュアル』を参照してください。
以下の手順に従って、UNIX ファイルシステムに使用するディスクスライスを設定します。
デバイスのパーティションテーブルが、再度作成するファイルシステムの条件を満たしているか確認します。
デバイスのラベルは、prtvtoc コマンドを使用して調べることができます。ラベルを変更する場合は、format コマンドを使用します。詳細は、prtvtoc(1M) および format(1M) のマニュアルページを参照してください。以下に例を示します。
# prtvtoc /dev/rdsk/cwtxdysz
交換用ディスクの種類が障害の発生したディスクと同じで、format ユーティリティを使用してディスクパーティションテーブルを保存した場合は、format ユーティリティの partition セクションを使用して、交換用ディスクのパーティションテーブルを設定することができます。partition セクションの select と label コマンドを参照してください。
交換用ディスクと元のディスクの種類が異なる場合は、元のディスクのパーティションの大きさに関する情報を使用して、交換用ディスクにパーティションテーブルを設定することができます。詳細は、prtvtoc(1M) と format(1M) のマニュアルページを参照してください。
これで、ディスクのパーティションテーブルと、UFS ファイルシステムを作成するディスクスライスを定義したことになります。
UFS ファイルシステムで使用するディスクスライスを選択し、スライスのファイルシステムを調べて、ファイルシステムを作成します。
# fsck /dev/rdsk/cwtxdysz # newfs /dev/rdsk/cwtxdysz
mount コマンドを使用して新しいファイルシステムをマウントします。
# mount マウント先
マウント先は、障害の発生したディスクがマウントされていたディレクトリです。
これで、新しいディスクを使用し、バックアップからデータを復元することができます。
ここでは、Solstice DiskSuite によって使用されているディスクを構成解除する手順を説明します。詳細は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
以下で説明する作業は、有資格のシステム管理者が行ってください。動作中のディスクドライブに対して誤ったホットプラグ作業を行うと、データが失われることがあります。
システムのパックアップを取ります。
su と入力し、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
交換するディスクのパーティションテーブルを保存することができる場合は、そのパーティションテーブルを保存します。
ディスクラベルを読み取ることができる場合は、この時点でディスクパーティション情報を保存します。
メタデバイスまたはファイルシステムを設定したら、ただちにすべてのディスクパーティション情報を保存してください。この情報は、デバイス障害から回復する際に使用します。
prtvtoc コマンドを使用してパーティション情報を保存します。
# prtvtoc /dev/rdsk/cwtxdys0 > パーティションテーブルの保存先ファイル
# prtvtoc /dev/rdsk/c1t2d0s0 > /etc/c1t2d0s0.vtoc
取り外すデバイスを使用しているメタデバイスまたはアプリケーションを特定します。以下に例を示します。
# metadb | grep c1t2d0 # metastat | grep c1t2d0 # mount | grep c1t2d0
ディスクを交換した後でメタデバイスを再設定するために、これらのコマンドの出力を保存します。
複製データベースを削除します。
ディスクに複製データベースがある場合は、その複製データベースを削除する必要があります。削除する前に、複製データベースのサイズと各スライスにある複製データベースの数を記録してください。
# metadb -d cwtxdysz
# metadb -d c1t2d0s0
サブミラーを切り離します。
ディスクのスライスがサブミラーによって使用されている場合は、そのサブミラーを切り離す必要があります。以下に例を示します。
# metadetach d20 d21
ホットスペアを削除します。
ディスクのスライスがホットスペアプールによって使用されている場合は、そのホットスペアを削除する必要があります。削除する前に、スライスを含むホットスペアプールを記録してください。以下に例を示します。
# metahs -d all c1t2d0s1
ディスクに対する他のすべてのメタデバイス処理を終了します。
切り離すことができないメタデバイス (ミラーにはないストライプなど) によって使用されている他のディスクスライスについては、metastat の出力を調べてください。メタデバイスにファイルシステムが存在する場合は、メタデバイスをマウント解除する必要があります。ファイルシステムが存在しない場合は、オフラインにしてください。
詳細は、prtvtoc(1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスク上にあるすべてのファイルシステムをマウント解除します。
マウント解除するファイルシステムが存在するディスクで障害が発生しているか、障害が発生した場合、umount 処理が完了せずに、その処理中に大量のエラーメッセージがシステムコンソールに表示され、/var ディレクトリ内に記録される場合があります。umount 処理が正常に完了しない場合は、システムの再起動が必要となる場合があります。
# umount ファイルシステム
ファイルシステムは、手順 4 で返された各行の先頭の列の値です。以下に例を示します。
# umount /export/home # umount /export/home2
ディスクドライブの取り外しと交換方法については、『Sun Ultra 450 ワークステーションユーザーマニュアル』または『Ultra Enterprise 450 システムユーザーマニュアル』を参照してください。
Solstice DiskSuite システムで使用することができるように、以下の手順でディスクにスライスを設定します。
ディスクパーティション情報を復元します。
ファイルにディスクパーティション情報を保存した場合は、fmthard を使用して復元することができます。以下に例を示します。
# fmthard -s /etc/c1t2d0s0.vtoc /dev/rdsk/c1t2d0s0
ディスクパーティションを保存していない場合は、format(1M) または fmthar(1M) コマンドを使用して、ディスクにパーティションを再度作成します。
すべての複製データベースを元に戻します。以下に例を示します。
# metadb -a -l 2000 -c 2 c1t2d0s0
# metattach d20 d21
新しいディスクのスライスを含む各ホットスペアプールについて、ホットスペアを再度作成します。
# metahs -a hsp001 c1t2d0s1
新しいディスクのスライスを使用して、壊れたメタデバイスを修復します。
交換する対象ディスクが原因でメタデバイスが保守状態になっている場合は、スライスを再度有効にすることによって、メタデバイスを修復することができます。
# metareplace -e ミラーまたは_RAID5_のメタデバイス cwtxdysz
すべてのファイルシステムを再度マウントし、オフラインにすることができなかったメタデバイスを使用していたすべてのアプリケーションを再起動します。
# mount ファイルシステム
詳細は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
ここでは、オペレーティングシステムの動作中にディスクドライブを取り外せるようにシステムを設定する方法を説明します。ディスクドライブを取り外すだけで、新しいディスクと交換しない場合は、以下で説明する手順を使用してください。
障害の発生したディスクドライブを取り外す方法は、使用しているアプリケーションによって異なります。使用しているアプリケーションに関わらず行う必要がある作業は以下のとおりです。
取り外すディスクドライブを選択する
ディスクドライブを取り外す
オペレーティングシステム環境を再構成する
どのような場合でも、ディスクやアプリケーションを停止してから、ディスクをマウント解除し、現在のドライブを取り外す必要があります。さらに、取り外したデバイスなしで動作するようにアプリケーションを設定する必要があります。
ディスクエラーの発生は、さまざまな方法によって報告されます。一般的には、障害が発生しているか、障害が発生したディスクに関するメッセージはシステムコンソールで確認します。この情報は、/usr/adm/messages ファイルにも記録されます。一般的にこれらのエラーメッセージは、ディスクの物理デバイス名 (/devices/pci@6,4000/scsi@4,1/sd@3,0 など) と UNIX のデバイスインスタンス名 (sd14 など) によって、障害の発生したディスクドライブを示します。場合によっては、論理デバイス名 (c2t3d0 など) が使用されることもあります。また、ドライブのスロット番号 (0 〜 19) を報告したり、ディスクドライブに対応する LED を点灯させたりするアプリケーションもあります (図 3-3 を参照)。
ディスクのホットプラグ作業を行うには、障害の発生したディスクのスロット番号 (0 〜 5) と、ディスクの論理デバイス名 (c2t3d0 など) を特定する必要があります。ドライブスロット番号が特定されている場合は、論理デバイス名を調べることができます。また、その逆も可能です。また、物理デバイス名 (/devices/pci@6,4000/scsi@4,1/sd@3,0 など) からドライブスロット番号と論理デバイス名の両方を調べることもできます。
ある形式のディスク識別名から別の形式の識別名を求める方法については、第 4 章「論理デバイス名と物理デバイス名の対応」を参照してください。ドライブスロット番号と論理デバイス名を特定したら、次の手順に進むことができます。
それぞれのアプリケーションについてディスクの取り外し作業を行ってください。
ここでは、UNIX ファイルシステムによって使用されているディスクを構成解除する手順を説明します。
su と入力し、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
取り外すデバイスを使用している処理またはアプリケーションを特定します。
これを行うには、mount、showmount -a、ps -ef コマンドを使用します。詳細は、mount(1M)、showmount(1M)、ps(1) のマニュアルページを参照してください。
たとえばコントローラ番号が 1 で、ターゲット ID が 2 の場合は、以下のように入力します。
# mount | grep c1t2 /export/home1 on /dev/dsk/c1t2d0s2 setuid/read/write on # showmount -a | grep /export/home1 cinnamon:/export/home1/archive austin:/export/home1 swlab1:/export/home1/doc # ps -f | grep c1t2 root 1225 450 4 13:09:58 pts/2 0:00 grep c1t2
この例では、障害の発生したディスクのファイルシステム /export/home1 が、3 つのシステム (cinnamon、austin、swlab1) によって遠隔マウントされています。動作中のプロセスは grep だけで、これは終了しています。
構成解除するファイルシステムに対するすべての処理やアプリケーションプロセスを停止します。
システムのバックアップを取ります。
# mount | grep cwtx
ディスク上にあるすべてのファイルシステムをマウント解除します。
マウント解除するファイルシステムが存在するディスクで障害が発生しているか、障害が発生した場合、umount 処理が完了せずに、その処理中に大量のエラーメッセージがシステムコンソールに表示され、/var ディレクトリ内に記録される場合があります。umount 処理が正常に完了しない場合は、システムの再起動が必要となる場合があります。
# umount ファイルシステム
ファイルシステムは、手順 5 で返された各行の先頭の列の値です。以下に例を示します。
# umount /export/home # umount /export/home2
ディスクドライブの取り外し方法については、『Sun Ultra 450 ワークステーションユーザーマニュアル』または『Ultra Enterprise 450 システムユーザーマニュアル』を参照してください。
ここでは、Solstice DiskSuite によって使用されているディスクを構成解除する手順を説明します。詳細は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
システムのパックアップを取ります。
su と入力し、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
取り外すデバイスを使用しているメタデバイスまたはアプリケーションを特定します。以下に例を示します。
# metadb | grep c1t2d0 # metastat | grep c1t2d0 # mount | grep c1t2d0
複製データベースを削除します。
ディスクに複製データベースがある場合は、その複製データベースを削除する必要があります。以下に例を示します。
# metadb -d c1t2d0s0
スライスを置き換えるか、メタデバイスを消去します。
ディスクのスライスがサブミラーによって使用されているか、RAID メタデバイス内に存在する場合は、それらのスライスを他の使用可能なスライスで置き換えることができます。以下に例を示します。
# metareplace d20 c1t2d0s1 c2t2d0s1
使用することができる交換用スライスがない場合は、メタデバイスを消去する必要があります。以下に例を示します。
# metaclear d21
スライスを置き換えるか、ホットスペアを消去します。
ディスクのスライスがホットスペアプールによって使用されている場合は、それらのスライスを他の使用可能なスライスで置き換えることができます。以下に例を示します。
# metahs -r all c1t2d0s1 c2t2d0s1
ディスク上にあるすべてのファイルシステムをマウント解除します。
マウント解除するファイルシステムが存在するディスクで障害が発生しているか、障害が発生した場合、umount 処理が完了せずに、その処理中に大量のエラーメッセージがシステムコンソールに表示され、/var ディレクトリ内に記録される場合があります。umount 処理が正常に完了しない場合は、システムの再起動が必要となる場合があります。
# umount ファイルシステム
# umount /export/home # umount /export/home2
詳細は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
ディスクドライブの取り外し方法については、『Sun Ultra 450 ワークステーションユーザーマニュアル』または『Ultra Enterprise 450 システムユーザーマニュアル』を参照してください。