Sun NFS サーバーの調整

読み取りスループットの向上

SunFDDI、SunFastEthernet、SunATM などの高速なネットワークでは、NFS クライアント側の先読み量を増やすことで、NFS の読み取りスループットが向上します。

以下の場合は、先読み値を増やさないでください。

使用可能なメモリーの量が十分に確保できない場合は、先読みは行われません。

デフォルトでは、先読みは 1 ブロック (バージョン 2 では 8 KB、バージョン 3 では 32 KB) に設定されています。先読みを 2 ブロックに設定すると、ファイルから最初の 8 KB を読み取っている間に、次の 16 K バイトがフェッチされます。先読みでは、8 KB 単位で情報をフェッチすることによって、前もって新しい情報を確保しておくことができます。

先読み量を増やすことによって、ある点までは読み取りスループットを向上させることができます。先読み量の最大値は、構成やアプリケーションによって異なります。先読み量が最大値を超えると、スループットが低下する場合があります。通常、先読み値を 8 (8 ブロック) より大きくしても、スループットは改善されません。


注 -

以下の手順では、nfs_nranfs3_nra 値は別々に調整することができます。Solaris 2.5、2.5.1、2.6、7、8 のいずれかがクライアントで動作している場合は、nfs_nra の調整が必要になることがあります (NFS バージョン 2)。クライアントからサーバーに、バージョン 3 をサポートしていない旨の通知がある場合は、この調整を行ってください。


先読み値を大きくする (NFS バージョン 2)
  1. NFS クライアントの /etc/system に以下の行を追加します。


    set nfs:nfs_nra=4

  2. システムを再起動して、新しい先読み値を有効にします。

先読み値を大きくする (NFS バージョン 3)
  1. NFS クライアントの/etc/system に以下の行を追加します。

    • Solaris 2.6 より前の場合。


      set nfs:nfs3_nra=6

    • Solaris 2.6 の場合。


      set nfs:nfs3_nra=2

    • Solaris 7、8 の場合。


      set nfs:nfs3_nra=4


    注 -

    先読み値を大きくしすぎると、読み取りのスループットが悪くなります。使用している環境における最適の値を見つけるために、nfs3_nranfs_nra の異なる値でベンチマークを行うことをお勧めします。


  2. システムを再起動して、新しい先読み値を有効にします。