特記事項: luxadm ソフトウェア

第 1 章 luxadm コマンドの基本的な機能

luxadm プログラムは、Sun StorEdge A5000 と SPARCstorage Array ディスクアレイの管理用コマンドです。luxadm は、さまざまな制御処理や照会処理に使用することができます。処理の内容は、コマンド行の引数やオプションを使用して指定します。

コマンドの構文

コマンド行には、サブコマンドの指定が必要です。オプションを指定することもできます。通常は、少なくとも 1 つの格納装置の名前またはパス名を指定します。サブコマンドによっては、他のパラメータを指定することもできます。デバイスを指定するには、物理パス名または論理パス名を入力します。詳細は 「アドレス指定」の節を参照してください。

基本的な構文を以下に示します。


luxadm [オプション] サブコマンド [オプション] {格納装置名[,デバイス名]... | パス名...}

サブコマンドを一意に識別するために必要な文字数のみ入力します。たとえば、box1 という格納装置に対してサブコマンド display を実行する場合は、以下のように入力することができます。


# luxadm disp box1

アドレス指定

この節では、ディスクアレイを指定したりアドレス指定したりする方法を説明します。

Sun StorEdge A5000 のアドレス指定

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイのアドレス指定は、パス名か格納装置名によって行います。

パス名の指定

デバイスまたはコントローラを指定するには、完全な物理パス名または完全な論理パス名を使用します。一般的な Sun StorEdge A5000 の物理パス名は以下のとおりです。


/devices/sbus@1f,0/SUNW,socal@1,0/sf@0,0/ssd@w2200002037000f96,0:a,raw

または


/devices/io-unit@f,e0200000/sbi@0,0/SUNW,socal@2,0/sf@0,0/ssd@34,0:a,raw

システム上のすべての Sun StorEdge A5000 のインタフェースボード (IB: Interface Board) に対して、物理パスへの論理リンク (例 : /dev/es/ses0) が /dev/es ディレクトリに保存されています。

格納装置名の指定

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイでは、パス名の代わりにワールドワイド名 (WWN: World Wide Name) を使用して、任意のデバイスまたはインタフェースボードを選択することができます。WWN は、一意の 16 桁の 16 進数で、デバイスへのアクセスに使用されるポートまたはデバイスそのものを示します。典型的な WWN の値は 2200002037000f96 です。

また、Sun StorEdge A5000 のディスクアレイ名と、格納装置内の特定のデバイスの識別子を指定することもできます。StorEdge A5000 のディスクアレイ内のデバイスは、以下のように指定します。


ボックス名,[f|r]スロット番号

各オプションと引数の意味は以下のとおりです。

表 1-1 Sun StorEdge A5000 のアドレスを格納装置名で指定

オプション/引数 

説明 

ボックス名

Sun StorEdge A5000 の格納装置名です。enclosure_name サブコマンドで指定します。

f または r

Sun StorEdge A5000 の格納装置の前面 (front) または背面 (rear) のスロットを指定します 

スロット番号

Sun StorEdge A5000 の格納装置のスロット番号です。 0 〜 6 または 0 〜 10 を指定します。 

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイのアドレスを指定するには、パス名または格納装置名を使用して、Sun StorEdge A5000 のインタフェースボードを指定します。

SPARCstorage Array のアドレス指定

SPARCstorage Array のアドレスを指定するには、パス名を使用して、SPARCstorage Array のコントローラまたは SPARCstorage Array 内のディスクを指定します。コントローラ名は、物理名を使用して指定します。以下に例を示します。


/devices/.../.../SUNW,soc@3,0/SUNW,pln@axxxxxxx,xxxxxxxx:ctlr

また、cN という形式でコントローラ名を指定することもできます。N は、コントローラの論理番号です。luxadm は、cN 名によって、SPARCstorage Array のコントローラに接続されているディスクの /dev/rdsk ディレクトリのエントリを検索します。/dev/rdsk のエントリから、SPARCstorage Array のコントローラの物理名が判断されます。

SPARCstorage Array 内のディスクは、デバイスの論理名または物理名を使用して指定します。以下に例を示します。


/dev/rdsk/c1t0d0s2

ディスクやサブシステムの論理名についての詳細は、disks (1M) および devlinks (1M) のマニュアルページを参照してください。

SPARCstorage RSM トレーのアドレス指定

SPARCstorage RSM トレーのアドレスを指定するには、パス名を使用して、SPARCstorage RSM トレーのコントローラまたはディスクを指定します。コントローラ名は、物理名を使用して指定します。以下に例を示します。


/devices/sbus@1f,0/QLGC,isp@1,10000/sd@8,0:c,raw

また、cN という形式でコントローラ名を指定することもできます。N は、コントローラの論理番号です。luxadm は、cN 名によって、SPARCstorage Array のコントローラに接続されているディスクの /dev/rdsk ディレクトリのエントリを検索します。/dev/rdsk のエントリから、コントローラの物理名が判断されます。

SPARCstorage RSM トレー内のディスクは、デバイスの論理名または物理名を使用して指定します。以下に例を示します。


/dev/rdsk/c2t8d0s2

ディスクやサブシステムの論理名についての詳細は、disks (1M) および devlinks (1M) のマニュアルページを参照してください。