Solaris 8 ご使用にあたって (Intel 版)

第 2 章 インストールにあたって

この章では、Solaris 8 をインストールするために必要なメモリーおよびディスクの容量、日本語環境のインストールについて説明します。

以下に、Solaris 8 で提供されるインストール方法を簡単に説明します。

 インストール方法 説明
従来の対話式インストールJump StartTMカスタム Jump Start Solaris ソフトウェアだけをインストールする(Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれている)
 Solaris Web Start 2.1.0 (installer) 共通のユーザーインタフェースを使って、同梱の CD に含まれている別のソフトウェアを、Solaris がインストールされた環境に容易にインストールできる(同梱の CD に含まれている)
 Solaris Web Start 3.0 (新規) Solaris ソフトウェアおよび同梱の CD に含まれている別のソフトウェアを、1 度に容易にインストールできる (Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD に含まれている)

カスタマサポートへの連絡

サポートに関連する問題については、ご購入先にお問い合わせください。また、Sun に関する情報については、以下の Web ページをご覧ください。

必要なメモリー

Solaris CDE や OpenWindows などの日本語デスクトップ環境を使用する場合には、最低 64M バイト以上の物理メモリーを確保することをお勧めします。

また、Solaris Web Start 3.0 によるインストールを行うには、64M バイト以上の物理メモリーが必要です。

必要なスワップ領域

日本語デスクトップ環境を使用する場合には、実メモリーとスワップ領域の合計が少なくとも 256 M バイトになるように、スワップ領域を確保することをお勧めします。

Solaris Web Start 3.0 によるインストールでは、インストールプログラムを起動後、Solaris Installer が使用するスワップスライスとサイズを指定する必要があります。ここで指定したスワップは、ファイルシステムの配置でスワップに設定され、変更することはできません。つまり、インストール後のシステムのスワップとして使用されます。

Solaris Web Start 3.0 のデフォルトのスワップサイズは、512 M バイトです。最小スワップサイズは、デフォルトよりも小さい値ですが、システムによって異なります。デフォルトのスワップサイズを確保することを推奨します。


注 -

将来、Solaris 8 のシステムを Solaris Web Start を使用してアップグレードする可能性がある場合は、ファイルシステムの配置においてスワップサイズを 512 M バイト (Solaris Web Start のデフォルトのスワップサイズ) 以上確保することをお勧めします。Solaris Web Start 3.0 によるアップグレードが可能なシステムの要件については、「Solaris 8 へのアップグレード」を参照してください。


必要なディスク容量

Solairs 8 の日本語環境と DOCUMENTATION CD をインストールする場合に必要なディスク容量について説明します。

日本語環境と DOCUMENTATION CD をシステムにインストールするには、インストールするソフトウェアとディスクの構成に応じてファイルシステムを構築する必要があります。

Solaris Web Start 3.0 (Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD に含まれている) を使うと、Solaris オペレーティング環境および同梱の別ソフトウェアをインストールするためのファイルシステムが自動的に配置され、これらのソフトウェアを一度に容易にインストールすることができます。

一方、従来の対話式インストール [ システムが Solaris Web Start 3.0 を実行するための要件を満たしていない場合や、細かいインストール設定を行いたい場合などは、従来の対話式インストールを行なってください。] は、Solaris オペレーティング環境だけをインストールするように設計されているので、同梱のソフトウェア容量も考慮したファイルシステムの自動配置を行うことはできません。同梱のソフトウェアもインストールする場合は、それらのソフトウェア容量を考慮して、手作業でファイルシステムを構成する必要があります。そして、Solaris オペレーティング環境のインストール終了後に、同梱の CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (installer)、または各ソフトウェアのインストール手順に従って、同梱のソフトウェアをインストールしてください。

Solaris 8 CD のソフトウェア容量

次の表に、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD、 Solaris 8 LANGUAGES CD に含まれる日本語ロケール (jaja_JP.PCKja_JP.UTF-8) のパッケージをインストールするために必要なディスク容量を示します。Solaris 8 より、ファイルシステムの自動配置でデフォルトとして選択される領域は、ルート (/) とスワップ (swap) だけになりました。記載されている値は、このデフォルトのファイルシステムでインストールする場合にルートファイルシステムに必要な推奨値 (括弧内は最小値) で、スワップ領域に必要な容量は含まれていません。インストールする日本語ロケールが 1 つの場合には、この表の値よりもおよそ 30M バイトほど少ない容量で済みます。

なお、従来の対話式インストールで「ソフトウェアの選択」画面に実際に表示される各ソフトウェアグループの値は、スワップ領域を含んだ値です。この値は、インストールするシステムのディスクやメモリーのサイズによって異なります。

表 2-1 Solaris 8 (Intel 版) のソフトウェア容量 (単位: M バイト)
 ソフトウェアグループルート (/) ファイルシステム
  ja、PCK、UTF-8 全部
 全体ディストリビューションと OEM サポート 1028 (871)
 全体ディストリビューション 1028 (871)
 開発者システムサポート 989 (840)
 エンドユーザーシステムサポート 691 (589)

Solaris DOCUMENTATION CD のソフトウェア容量

次の表に、アジア言語版の DOCUMENTATION CD に含まれている、日本語 AnswerBook パッケージとその容量を示します (その他のアジア言語のパッケージは省略)。これらのパッケージは、デフォルトで /opt にインストールされます。

表 2-2 Solaris 8 DOCUMENTATION CD のソフトウェア容量 (日本語版) (単位 : M バイト)
 パッケージ 形式 AnswerBook 名 必要な容量の概算値
SUNWjinab AB2 Solaris 8 Installation Collection - Japanese 9
SUNWjabe AB2 Solaris 8 User Collection - Japanese 17
SUNWjaadm AB2 Solaris 8 System Administrator Collection - Japanese 19
SUNWjabsd AB2 Solaris 8 Software Developer Collection - Japanese 10
SUNWjdad AB2 Solaris Common Desktop Environment Developer Collection - Japanese 7
SUNWamaja AB2 Solaris 8 Reference Manual Collection - Japanese 17
SUWjopen AB2 OpenBoot Collection - Japanese 3


注 -

日本語版には、Solaris 8 英語版に含まれるマニュアルの翻訳版と併せて、日本語固有のマニュアルが含まれています。


次の表に、英語 + ヨーロッパ言語版の DOCUMENTATION CD に含まれている、英語 AnswerBook パッケージとその容量を示します (ヨーロッパ言語のパッケージは省略)。これらのパッケージは、デフォルトで /opt にインストールされます。

表 2-3 Solaris 8 DOCUMENTATION CD のソフトウェア容量 (英語版)(単位 : M バイト)
 パッケージ 形式 AnswerBook 名 必要な容量の概算値
 [英語]   
SUNWinab AB2 Solaris 8 Installation Collection 7
SUNWabe AB2 Solaris 8 User Collection 15
SUNWaadm AB2 Solaris 8 System Administration Collection 18
SUNWabsdk AB2 Solaris 8 Software Developer Collection 14
SUNWdtad AB2 Solaris Common Desktop Environment Developer Collection 8
SUNWaman AB2 Solaris 8 Reference Manual Collection 82
SUNWopen AB2 OpenBoot Collection 4
SUNWakcs AB2 KCMS AnswerBook 2

* 印が付いているパッケージは、日本語に翻訳されていないマニュアルが含まれています。それらのマニュアルをインストールする場合には、英語 + ヨーロッパ言語版の DOCUMENTATION CD からインストールしてください。

次の表に、AnswerBook2 文書サーバー (以降「文書サーバー」とします) を構成するパッケージ SUNWab2rSUNWab2sSUNWab2u をインストールするのに必要な容量を示します。文書サーバーについての詳細は、Solaris 8 DOCUMENTATION CD (アジア言語版) に含まれる README_ja.html を参照してください。

表 2-4 文書サーバーのソフトウェア容量 (単位: M バイト)
 ディレクトリ 必要な容量の概算値
/ 0.3
/usr 33

日本語環境をインストールするために必要な設定

Solaris 8 の日本語環境をインストールするために必要な設定について説明します。日本語環境をインストールするには、大きく分けて「デフォルトロケールの設定」「インストール言語の設定」の 2 つの設定が必要です。インストール手順の詳細は、「Solaris 8 ソフトウェアのインストール」を参照してください。

Solaris 8 は、文字エンコーディングが異なる次の 3 つの日本語ロケールをサポートしています。

デフォルトロケールの設定

インストール後のシステムのデフォルトロケールを設定します (具体的には、 /etc/default/init ファイル内に LANG 環境変数が定義されます)。

日本語環境をインストールする場合、システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていなければならないわけではありませんが、このように設定することを推奨します。システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていると、たとえば、システムログイン時の LANG の設定を、ユーザーごとに環境設定ファイルで定義しなくても済むようになります。また、dtlogin の言語設定で、デフォルトで日本語ロケールが設定されます。

インストール前に、このデフォルトロケールをあらかじめ設定しておくことも可能です。この事前設定をしておくと、GUI インストール時にもロケール設定画面が表示されません。この設定は、カスタム JumpStart による自動インストールの場合など、意図的にロケール設定画面を表示させたくない場合に有効です。 [デフォルトロケールの事前設定を行う方法には、「ネームサービスに事前に定義しておく方法」と「sysidcfg ファイルを使用する方法」の 2 通りがあります。 詳しくは、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。]

インストール言語の設定

言語 (ロケール) に依存するソフトウェアパッケージのインストールを決定します。日本語環境をインストールするには、必ず日本語パッケージ (JFP) をインストールする必要があります。

Solaris 8 では、ja ロケール環境、ja_JP.PCK ロケール環境、ja_JP.UTF-8 ロケール環境、そしてそれらの任意の混在環境をインストールすることが可能です。

Solaris 8 ソフトウェアのインストール

Solaris 8 の日本語環境をインストールする方法とインストールサーバーを作成する方法について、従来の Solaris リリースと異なる部分を中心に説明します。

インストールに関する詳細は、「Solaris 8 Installation Collection」にあるマニュアルを参照してください。

インストールに関するハードウェア要件については、各ハードウェアのメーカーから提供されている資料を参照してください。

Solaris 8 のインストールを始める前に、必ずシステムのバックアップをとってください。ファイルシステムのバックアップについての詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。

Solaris 8 のインストールについて

Solaris 8 ソフトウェアをインストールするには、次のいずれかを使用します。

日本語ロケールのパッケージだけではなく、日本語以外のロケールのパッケージもインストールすることが可能です。これ以降の説明は、日本語ロケールのパッケージをインストールする場合のみを対象にしています。

Solaris 8 でサポートされている日本語環境のインストールは、次の表のとおりです。

  CD を使用インストールサーバーを使用1
  初期 アップグレード 初期 アップグレード
 対話式インストール ○ ○ ○ ○
 カスタム JumpStart23 ○ ○
 Solaris Web Start 3.0 ○○ (SPARC)*3 (Intel) ○○ (SPARC)*3 (Intel)

  1. サーバーを構築する方法については、「インストールサーバーの作成方法」を参照してください。

  2. 「カスタム JumpStart」を参照してください。

  3. 「Solaris 8 へのアップグレード」を参照してください。

次に、それぞれのインストールについて説明します。以降の説明では、便宜上 「Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD」を「OS1 CD」、「Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD」を「OS2 CD」、「Solaris 8 LANGUAGES CD」を「LANG CD」と呼びます。

対話式インストール

CD を使用してインストールする方法を説明します。

  1. OS1 CD からブートします。

  2. 次のような画面が表示されるので、「4」を入力します。


    Select a Language
       0. English
       1. French
       2. German
       3. Italian
       4. Japanese
       5. Korean
       6. Simplified Chinese
       7. Spanish
       8. Swedish
       9. Traditional Chinese
     
    Please make a choice (0 - 9), or press h or ? for help:

  3. 日本語ロケールの選択画面が表示されるので、ロケールを選択します。


    Select a Locale
       0. Japanese EUC (ja)
       1. Japanese PC Kanji (ja_JP.PCK)
       2. Japanese UTF-8 (ja_JP.UTF-8)
       3. Go Back to Previous Screen
     
    Please make a choice (0 - 3), or press h or ? for help:

    GUI インストールの場合: ここで選択したロケールがシステムのデフォルトロケールになります。対話式インストール画面の表示言語は日本語になります。

    CUI インストールの場合: ここで選択したロケールがシステムのデフォルトロケールになります。インストール画面の表示言語は英語になります。

  4. 従来の対話式インストールと同じように設定を行います。

  5. 「地域の選択」画面で、インストールしたい日本語ロケールを「アジア」地域から選択します。

    ファイルシステムの自動配置画面では、ここで選択したロケールのパッケージがインストールできるようにディスク容量が割り当てられます。


    注 -

    将来、Solaris 8 のシステムを Solaris Web Start を使用してアップグレードする可能性がある場合は、ファイルシステムの配置においてスワップサイズを 512 M バイト (Solaris Web Start のデフォルトのスワップサイズ) 以上確保することをお勧めします。


  6. インストール画面に従って設定を続け、インストールを開始します。

  7. OS1 CD のインストールが終了すると、システムがリブートします。メッセージに従って OS2 CD を挿入し、インストールを続けます。


    注 -

    OS2 CD の挿入は、「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループを選択した場合のみ要求されます。


  8. OS2 CD のインストールが終了すると、Lang CD を挿入するように要求するメッセージが表示されます。ここで、Lang CD を挿入します。

  9. 「インストールの形式の選択」画面で「カスタムインストール」を選択し、「製品の選択」画面で「Solaris 8 Japanese Localization」を選択してください。

    「デフォルトインストール」を選択すると、日本語ロケールだけではなく、Lang CD に含まれているすべてのロケールが選択されてしまうので注意が必要です。

  10. 「コンポーネントの選択」画面で、手順 5 の「地域の選択」で選択したロケールと同じロケールを選択してください。

  11. Lang CD のインストールが終了したら、以下のログファイルを確認します。

    /var/sadm/system/logs/install_log
    /var/sadm/system/logs/begin.log
    /var/sadm/system/logs/finish.log
    /var/sadm/install/logs/Solaris_8_Localization_CD_install_.A*
    /var/sadm/install/logs/Solaris_8_Japanese_Localization_CD_install_.B*
  12. システムをリブートします。

カスタム JumpStart

カスタム JumpStart で日本語ロケールのパッケージをインストールするには、インストールサーバーを使用してインストールを行なってください。インストールサーバーの作成については、「インストールサーバーの作成方法」を参照してください。

プロファイルには、日本語ロケールのパッケージをインストールできるファイルシステムを指定する必要があります。ディスク容量についての詳細は、「必要なディスク容量」を参照してください。カスタム JumpStart についての詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。

CD を使用する場合、JumpStart は OS1 CD のみのインストールを行います。OS2 CD、Lang CD のインストールは行いません。JumpStart で OS1 CD のインストールを行なった後に、Solaris Web Start 2.1.0 を使用して OS2 CD、Lang CD をインストールすることは可能です。詳細は、「カスタム JumpStart は Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD と LANGUAGES CD をインストールしない (バグ ID: 4304912)」を参照してください。


注 -

将来、Solaris 8 のシステムを Solaris Web Start を使用してアップグレードする可能性がある場合は、ファイルシステムの配置においてスワップサイズを 512 M バイト (Solaris Web Start のデフォルトのスワップサイズ) 以上確保することをお勧めします。


Solaris Web Start 3.0

ここでは、一般的なシステムに日本語環境をインストールする手順を説明します。

Solaris Web Start 3.0 についての詳細は、『Solaris 8 インストールガイド (Intel 版)』を参照してください。

  1. INSTALLATION (Multilingual) CD からブートします。

  2. 次のような画面が表示されたら、言語を選択します。ここで選択した言語が、インストール画面の表示言語に設定されます。インストール画面の表示言語を日本語にするには、「6」を入力します。


    The Solaris Installer can be run in English,
    or any of the following languages:
    1) English			6) Japanese
    2) German			 7) Korean
    3) Spanish			8) Swedish
    4) French			 9) Simplified_Chinese
    5) Italian			10) Traditional_Chinese
     
    Select the language you want to use to run the installer:
     
  3. メッセージに従って、ルートディスクを選択します。

  4. スワップを設定します。スワップのサイズは、デフォルトサイズ (512M バイト) を指定することを推奨します。ここで選択したスワップは、ファイルシステムの配置でスワップに設定され、変更することはできません。

  5. 設定が完了すると、ミニルートがローカルディスクにコピーされ、コピーが完了すると、システムが自動的にリブートします。

  6. 「ようこそ」画面が表示されたら「次へ」をクリックし、インストール画面に従って設定を続けます。

  7. 「ソフトウェアのロケール選択」画面で、インストールしたい日本語ロケールを選択します。ここで選択したロケールのパッケージが、Solaris ソフトウェアおよびインストールする同梱ソフトウェアの各々からインストールされます。

  8. 「システムのロケール選択」画面で、システムのデフォルトロケールを選択します。

  9. 「製品の選択」画面で、インストールしたい製品を選択します。

  10. 「追加製品の指定」画面で、追加したい製品があればその製品を指定します。

  11. インストール画面に従って設定を続け、インストールを開始します。

  12. メッセージに従って CD を CD-ROM ドライブに挿入し、インストールを続けます。

  13. すべてのインストールが終了したら、メッセージに従ってシステムをリブートします。

  14. 以下のログファイルを確認します。

    /var/sadm/system/logs/install_log
    /var/sadm/system/logs/disk0_install.log
    /var/sadm/system/logs/cd0_install.log
    /var/sadm/system/logs/webstart_launch.log*

    同梱の CD をインストールした場合は、/var/sadm/install/logs の配下のログファイルも確認します。たとえば、次のようなログファイルがあります。

    Solaris_8_Software_2_install_.A*
    Solaris_8_Software_2_install_.B*
    Solaris_8_Languages_CD_install_.A*
    Solaris_8_Japanese_Localization_install_.B*
    Solaris_AnswerBook2_Server_install.B*
    Solaris_8_Documentation_Asian_install.A*
    Solaris_8_Collections_-_Japanese_install.B*

Solaris Web Start 3.0 CLI インストール

tip(1) 接続によって INSTALLATION (Multilingual) CD からブートすると、コマンド行インタフェースの Solaris Web Start 3.0 インストールが起動します。

IA システムで標準入出力先を変更するには、Device Configuration Assistant を使用してください。「Identified Devices」画面で「Device Tasks」(F4 キー) を選択すると、「Device Tasks」画面が表示されます。「Set Console Device」を選択し、希望するデバイスを指定してください。

Solaris 8 へのアップグレード

Solaris 8 へのアップグレードインストールは、Solaris 2.5.1 以降のシステムからのアップグレードをサポートします。

アップグレードを開始する前に、「アップグレードに関する注意事項とバグ情報」を参照して、アップグレードに関する注意事項を確認してください。

CD を使用した対話式によるアップグレード

OS1 CD からブートし、従来のアップグレードと同様の設定を行なってから、アップグレードを開始します。OS1 CD のアップグレードが終了すると、システムがリブートします。CD を挿入するように促すメッセージが表示されるので、メッセージに従って CD を挿入し、アップグレードを行なってください。

カスタム JumpStart によるアップグレード

カスタム JumpStart によるアップグレードを行う場合は、前述の 「カスタム JumpStart」と同様に、インストールサーバーを使用してインストールを行なってください。

CD を使用して JumpStart でアップグレードを行う場合、インストールされるのは OS1 CD のみです。OS2 CD、Lang CD はインストールされません。このため、OS1 CD からの JumpStart アップグレードを行なった場合は、Solaris Web Start 2.1.0 を使用して、OS2 CD と Lang CD をインストールする必要があります。詳細は、「カスタム JumpStart は Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD と LANGUAGES CD をインストールしない (バグ ID: 4304912)」を参照してください。

Solaris Web Start 3.0 によるアップグレード

SPARC システムのアップグレード

Solaris Web Start 3.0 は、SPARC システムが次の要件を満たしている場合に、アップグレード可能なシステムと認識します。要件を満たしているシステムでは、Solaris Web Start 3.0 は「アップグレード」オプションを表示します。SPARC システムがこれらの要件に適合しない場合は、対話式インストールでアップグレードを行なってください。

IA システムのアップグレード

Solaris Web Start 3.0 を使用して、Solaris 8 以前のリリースのシステムを Solaris 8 にアップグレードすることはできません。

Solaris Web Start が、以前の Solaris リリースとは異なる方法で Solaris ソフトウェアをインストールするためです。10 M バイトの IA ブートパーティションが別に必要となります。したがって、IA システムをアップグレードする場合は、対話式インストールを使用する必要があります。

IA システムのアップグレードについての詳細は、『Solaris 8 インストールガイド (Intel 版)』を参照してください。

インストールサーバーの作成方法

対話式インストールおよびカスタム JumpStart インストールと、Solaris Web Start 3.0 とでは、ブートソフトウェアが異なります。ここでは、ブートソフトウェア以外のソフトウェアを共有し、1 つのインストールサーバーでこれらのインストールが行えるインストールサーバーを作成する方法を説明します。

はじめに、対話式用およびカスタム JumpStart 用のインストールサーバーを作成します。

  1. インストールサーバーにするシステムにログインします。

  2. OS1 CD を CD-ROM ドライブに挿入し、Tools ディレクトリに移動します。


    # cd Solaris_8/Tools
    
  3. setup_install_server コマンドを使用して、OS1 CD のソフトウェアをディスクにコピーします。


    # ./setup_install_server /install_server/s8
    
  4. OS1 CD のコピーが終了したら、CD-ROM ドライブから OS1 CD を取り出し、OS2 CD を CD-ROM ドライブに挿入します。OS2 CD の Tools ディレクトリにある add_to_install_server コマンドを使用して、OS2 CD のソフトウェアを手順 3 で作成した OS1 CD のソフトウェアに追加します。


    # ./add_to_install_server /install_server/s8
    
  5. OS2 CD のコピーが終了したら、CD-ROM ドライブから OS2 CD を取り出し、Lang CD を CD-ROM ドライブに挿入します。Lang CD の Tools ディレクトリにある add_to_install_server コマンドを使用して、Lang CD のソフトウェアを手順 4 で作成した OS2 CD のソフトウェアに追加します。

    日本語ロケールのソフトウェアのみを追加する場合は、次のように -s オプションを指定して add_to_install_server を起動し、Japanese と shared を選択してください。複数を選択する場合は、「5,10」のようにカンマ (,) で区切って指定します。-s オプションを指定しないで起動すると、すべてのロケールのソフトウェアが追加されてしまうため、注意が必要です。


    # ./add_to_install_server -s /install_server/s8
     
    Enter the number of the product(s) you want to add
    to /install_server/s8/Solaris_8/Product or 'all' for all products.
     
    The following are valid products:
     
    			 1  Simplified_Chinese
    			 2  French
    			 3  German
    			 4  Italian
    			 5  Japanese
    			 6  Korean
    			 7  Spanish
    			 8  Swedish
    			 9  Traditional_Chinese
    			10  shared 

次に、Solaris Web Start 3.0 用インストールサーバーを作成するために、対話式およびカスタム JumpStart 用インストールサーバーに Solaris Web Start 3.0 のブートソフトウェアを追加します。

  1. INSTALLATION (Multilingual) CD を CD-ROM ドライブに挿入します。

    SPARC 版の INSTALLATION (Multilingual) CD は、SPARC Solaris マシンの CD-ROM ドライブでのみ見ることができます。Intel 版の INSTALLATION (Multilingual) CD は、Intel 版 Solaris マシンの CD-ROM ドライブでのみ見ることができます。

    INSTALLATION (Multilingual) CD の modify_install_server コマンドを使用して、前述の手順 4 で作成したインストールサーバーに Solaris Web Start 3.0 のブートソフトウェアを追加します。追加するときには、必ず -p オプションを指定してください。-p オプションを指定しないと、対話式用およびカスタム JumpStart 用のブートソフトウェアが削除されてしまいます。

    SPARC 版の INSTALLATION (Multilingual) CD :


    # cd /cdrom/multi_icd_sol_8_sparc/s0
    # ./modify_install_server -p /install_server/s8 /cdrom/cdrom0/s1
    

    Intel 版の INSTALLATION (Multilingual) CD :


    # cd /cdrom/multi_icd_sol_8_ia/s2
    # ./modify_install_server -p /install_server/s8 /cdrom/cdrom0/s0
    

これで、インストールサーバーの作成が完了しました。インストールサーバーには、BootBoot.orig というディレクトリが存在しています。

Solaris_8/Tools/Boot.orig

対話式、カスタム JumpStart 用

Solaris_8/Tools/Boot

Solaris Web Start 3.0 用

インストールを行う前に add_install_client コマンドを使用してインストールするシステムを設定する際に、-t オプションでブートソフトウェアの場所を指定します。

対話式、カスタム JumpStart の場合:


# cd /install_server/s8/Solaris_8/Tools
# ./add_install_client -t /install_server/s8/Solaris_8/Tools/Boot.orig hostname arch

Solaris Web Start 3.0 の場合:


# cd /install_server/s8/Solaris_8/Tools
# ./add_install_client -t /install_server/s8/Solaris_8/Tools/Boot hostname arch