Sun Enterprise 10000 Domain 構成マニュアル

一時停止に対して安全なデバイスと一時停止に対して危険なデバイス

一時停止に対して安全なデバイスとは、オペレーティング環境の休止中に、ドメインのセンタープレーンにアクセスしない (たとえば、メモリーへのアクセスやシステムの中断がない) デバイスです。オペレーティング環境の休止 (一時停止/再開) をサポートし、一時停止要求が正常に完了することを保証するドライバは、一時停止に対して安全と見なされます。一時停止に対して安全なドライバが管理するデバイスは、一時停止要求があったときに開いていたとしても、ドメインのセンタープレーンにはアクセスしません。他の入出力デバイスはすべて、開いているときは一時停止に対して危険です。


注 -

サンの提供するドライバのうち一時停止に対して安全であるものは、stsd、ispespfassbuspcipci-pciqfehme (SunFastEthernetTM)、nf (NPI-FDDI)、qe (Quad Ethernet)、le (Lance Ethernet)、SSA ドライバ (socplnssd)、および Sun StorEdgeTM A5000 ドライバ (sfsocalses) です。


soc および pln ドライバでデバイスの中断ができるようにするには、/etc/system ファイルを編集して pln_enable_detach_suspend 変数および soc_enable_detach_suspend 変数の値を 1 に設定する必要があります。以下に例を示します。


set pln:pln_enable_detach_suspend=1
set soc:soc_enable_detach_suspend=1

一時停止に対して危険なデバイスが開いている場合、オペレーティング環境は、休止要求を拒否します。デバイスを手動で一時停止できる場合は、オペレーティング環境に休止を強制することができます。デバイスを手動で一時停止するには、そのデバイスを開いているプロセスを終了することによって、デバイスを閉じなければならない場合もあるので、ユーザーにデバイスを使用しないように伝えるか、ケーブルを外します。たとえば、非同期の任意入力を許可するデバイスが開いている場合は、オペレーティング環境を休止させる前にケーブルの接続を外すことによって、トラフィックがそのデバイスに到着してそのデバイスがドメインのセンタープレーンにアクセスすることを防止することができます。オペレーティング環境が再開してから、再度ケーブルを接続します。デバイスがドメインのセンタープレーンにアクセスするのを一時停止できない場合は、オペレーティング環境の休止は強制できません。強制すると、ドメインの障害やハングアップが生じることがあります。この場合は、一時停止に対して危険なデバイスが閉じた状態になるまで DR 操作を延期します。


注意 - 注意 -

一時停止に対して危険なデバイスの処理を実行中に、休止操作を強制すると、ドメインがハングアップすることがあります。ドメインがハングアップしても、Sun Enterprise 10000 システムで実行中の他のドメインには影響しません。