Solaris 8 のインストール (上級編)

SPARC: システムのアップグレード

Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用して、SPARC ベースシステムで Solaris ソフトウェアをアップグレードするには、この項の指示に従ってください。Solaris ソフトウェアだけをインストールする場合は、「SPARC: Solaris 8 対話式インストールプログラムの使用方法」に進んでください。

SPARC: 作業を始める方法

  1. 下記のマニュアルを調べます。

    • Solaris 8 ご使用にあたって (SPARC 版)』と製造元のリリースノートで、使用しているソフトウェアが新しいリリースでもサポートされているかどうかを調べます。

    • Solaris 8 Sun ハードウェアマニュアル』で、使用しているハードウェアがまだサポートされているかどうかを調べます。

    • 使用しているシステムのマニュアルで、使用しているシステムとデバイスが新しいリリースでもサポートされているかどうかを調べます。

    • 必要となるすべての入手可能なパッチを調べます。最新パッチリストは、http://sunsolve.sun.com にあります。

    • 表 5-2 で既知の問題を確認します。このリストは完全なものではありません。製造元のソフトウェアマニュアルで、常に追加のアップグレード指示を確認するようにしてください。

      表 5-2 SPARC: アップグレード前に変更が必要なソフトウェア

      ソフトウェア 

      問題の要約 

      Prestoserve 

      init 0 を使用してシステムをシャットダウンしてアップグレード処理を開始する場合、データが失われる可能性があります。シャットダウンの方法については、Prestoserve のマニュアルを参照してください。

  2. Solaris のアップグレードに使用する言語を指定します。次のどれかを選択できます。

    • 日本語

    • 英語

    • 中国語 (簡体字)

    • 中国語 (繁体字)

    • 韓国語

    • フランス語

    • ドイツ語

    • イタリア語

    • スペイン語

    • スウェーデン語

  3. 少なくとも次の CD があることを確認します。

    • Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) および Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD (SPARC)

    • Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC)

SPARC: システムをバックアップする方法


注 -

Solaris オペレーティング環境をアップグレードする前に、既存のファイルシステムをバックアップしてください。これらのシステムを取り外し可能媒体 (テープなど) にコピーすると、データの損失、損傷、または破壊に対して安全になります。


バックアップ手順が手元にない場合は、次の指示に従って、ファイルシステムの完全バックアップを実行してください。システムのバックアップとスケジュールされたバックアップの設定については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』で詳しく説明しています。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. システムをシャットダウンします。


    # init 0
    
  3. シングルユーザーモードでシステムをブートします。


    ok boot -s
    
  4. ファイルシステムの整合性を


    注 -

    ファイルシステムの整合性を検査すると、破壊されていないデータを確実にバックアップできます。たとえば、電源障害の場合など、ファイルは矛盾した状態になることがあります。


    • 検査しない場合は、次の手順に進みます。

    • 検査する場合は、-m オプションを付けて fsck コマンドを使用します。


      # fsck -m /dev/rdsk/device-name
      
  5. ファイルシステムをリモートテープドライブに

    • バックアップしない場合は、手順 6 に進みます。

    • バックアップする場合は、次の手順を実行します。

    1. 次のエントリを、バックアップを起動するシステム (テープドライブが接続されているシステム) の /.rhosts ファイルに追加します。


      host root
      
    2. host にバックアップするホスト名を指定します。上記の /.rhosts ファイルに追加したホストに、ローカル /etc/inet/hosts ファイルまたは NIS や NIS+ ネームサーバー経由でアクセスできるかどうかを確認します。

  6. テープドライブのデバイス名を確認します。

    デフォルトのテープドライブは /dev/rmt/0 です。

  7. 書き込み保護されていないテープをテープドライブに挿入します。

  8. 表 5-3 に示された ufsdump コマンドのいずれかを使用してファイルシステムのバックアップを行います。

    表 5-3 SPARC: 完全バックアップコマンド

    完全バックアップを行う媒体 

    使用するコマンド 

    ローカルカートリッジテープドライブ 

    ufsdump 9ucf /dev/rmt/n files_to_backup

    リモートカートリッジテープドライブ 

    ufsdump 0ucf remote_host:/dev/rmt/n files_to_backup

  9. プロンプトが表示されたら、媒体を取り出し、次の媒体と交換します。

  10. ボリューム番号、レベル、日付、システム名、およびファイルシステムを記入したラベルを媒体に貼付します。

  11. Control-D キーを押します。

    システムがレベル 3 で実行されます。

  12. システムが正常にバックアップされたかどうかを確認します。


    # ufsrestore -t
    

SPARC: アップグレードを計画する方法

  1. ネットワークを介してアップグレードするときに、システム構成情報を事前設定していない場合は、Solaris オペレーティング環境をアップグレードするシステムに関する次の情報を収集します。

    情報 

    例  

    Solaris がインストールされたシステム上で情報を検索するために使用するコマンド 

    ホスト名 

    crater

    uname -n

    ホスト IP アドレス 

    129.221.2.1

    ypmatch system_name hosts

    または 

    nismatch system_name hosts.org_dir

    サブネットマスク 

    255.255.255.0

    more /etc/netmasks

    ネームサービスの種類 (DNS、NIS、または NIS+) 

    passwd:     files nis
    group:      files nis
    
    hosts:      xfn nis [NOTFOUND=return] files
    networks:   nis [NOTFOUND=return] files
    protocols:  nis [NOTFOUND=return] files
    rpc:        nis [NOTFOUND=return] files
    ethers:     nis [NOTFOUND=return] files
    netmasks:   nis [NOTFOUND=return] files	
    bootparams: nis [NOTFOUND=return] files
    publickey:  nis [NOTFOUND=return] files
    
    netgroup:   nis
    
    automount:  files nis
    aliases:    files nis
    
    services:   files nis
    sendmailvars:   files

    cat /etc/nsswitch.conf

    ドメイン名 

    lbloom.West.Arp.COM

    domainname

    ネームサーバーのホスト名 

    thor75

    ypwhich

    ネームサーバーのホスト IP アドレス 

    129.153.75.20

    ypmatch nameserver_name hosts

    または 

    nismatch nameserver_name hosts.org_dir