この章では、ボードのホットプラグ機能を使用する手順と動的再構成 (DR: Dynamic Reconfiguration) について説明します。ホットプラグは、サーバーの動作中に構成部品を交換することができるハードウェアの機能です。新しい構成部品を使用するには、システムを再起動する必要があります。DR ソフトウェアでは、システムを再起動しなくても I/O ボードを交換することができます。
OpenBoot コマンドの説明と例については、第 1 章「OpenBoot コマンド」を参照してください。
この章で説明しているボードのホットプラグ作業を行う前には、システムを再起動するか、DR の再起動機能を行う必要があります。
Solaris 8 ソフトウェア環境では、DR は Type 1、2、4、5 の Sun Enterprise I/O ボードで使用することができます。これらのボードには、SBus、 Graphics、SBus+、Graphics+ I/O ボードが含まれます。PCI カード用スロットがある I/O ボードはまだサポートされていません。
DR については、『Sun Enterprise 6x00、5x00、4x00、3x00 システム Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』も参照し、詳細は購入先にお問い合わせください。
以下の場合には、システムボードが無効 (オペレーティングシステムで使用されない) になります。
セルフテストで障害が検出されて、ボードが無効になった。
disabled-board-list の設定によって、ボードが手動で無効にされた。
以下にコマンドの使用例を示します。
ok setenv disabled-board-list 72 |
上記の例では、スロット 7 と 2 のボードを無効にしています。
オペレーティングシステムが実行中のシステムに、ボードが挿入された。
システムの予備電圧が十分かどうかを確認します。
prtdiag コマンドを使用します。詳細は、「システム構成と診断情報」を参照してください。
ホットプラグが有効かどうかを確認します。
ボードが無効なことを確認します (対象となるボードが OS で使用されておらず、ボードの電源ライトが OFF である状態)。
setenv disabled-board-list の例については、前のセクションで説明しています。
無効にしたボードを取り外します。
前面パネルの黄色いランプが点灯している場合には、新しいボードを取り付ける前に、prtdiag コマンドを使用して原因を調べてください。
新しいボードを取り付けます。
ボードを有効にします。
PCI ボードの場合は、システムを再起動します。
その他の I/O ボードの場合は、DR コマンドを使用します。
以下の場合は、システムボードが有効になります。
ボードが起動時に存在していた。
disabled-board-list でスロットが無効にされていない。
ボードがセルフテストに成功した。
DR は、まだ PCI カード用スロットをもつ I/O ボードをサポートしていません。
DR は Type 1、2、4、5 の Sun Enterprise I/O ボードで使用することができます。これらのボードには、SBus、 Graphics、SBus+、Graphics+ I/O ボードが含まれます。
適切な cfgadm コマンドを使用し、システムからボードを切り離します。
詳細は、『Sun Enterprise 6x00、5x00、4x00、3x00 システム Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』を参照してください。
ボードを取り外して、新しいボードと交換します。
DR コマンドを使用し、ボードを有効にして再構成します。
configuration-policy コマンドを使用して、以下のようにハードウェアを無効にすることができます。
Component - 不良な部品のみ無効にする。
Board - 部品に不良がある場合にボードを無効にする。
System - 障害がある場合に POST メニューでシステムを停止する。
以下に入力例を示します。
ok setenv configuration-policy board |
または、
# eeprom "configuration-policy board" |
ボードに障害がある可能性があり、システムにボードを無効にするよう要求する場合は、以下の手順に従ってください。
システムからボードを切り離します。
Type 3 I/O ボードの場合は、ok プロンプトで setenv コマンドを使用するか、# プロンプトで eeprom コマンドを使用して、システムがボードを使用するのを禁止します。
その他のボードの場合は、DR 機能を使用します。
以下の例では、 3 はスロット番号 3 を意味しています。
ok setenv disabled-board-list 3 |
または、
# eeprom "disabled-board-list=3" |
使用されていないボードを取り外し、新しいボードを取り付けます。
ボードを有効にします。
Type 3 I/O ボードの場合は、disabled-board-list の内容を消去し、システムを再起動します。
その他のボードの場合は、DR コマンドを使用します。
詳細は、「環境の監視」を参照してください。
代替パス (AP: Alternate Pathing) は、 DR やホットプラグと共に機能するソフトウェアです。AP 機能により、不必要なダウンタイムを回避して、無効なディスクやネットワークアダプタをバイパスすることができます。詳細については、 『Sun Enterprise サーバー Alternate Pathing ユーザーマニュアル』を参照してください。