SunVTS 4.1 テストリファレンスマニュアル

第 40 章 Sun Enterprise Cluster 2.0 ネットワーク ハードウェアテスト (scitest)

scitest は、ネットワークハードウェアをテストすることによって、Sun Enterprise Cluster 2.0 の機能を検査します。このテストを行うには、テストするクラスタを前もって構成しておく必要があります。クラスタの構成方法については、『Sun Enterprise Cluster ハードウェアサイト準備・計画・設置マニュアル』を参照してください。

scitest は、/etc/sma.ip ファイルを読み取って、クラスタの宛先ノード情報を取得します。また、クラスタノード間の接続のテストには、主として ICMP (Internet Control Message Protocol) を使用します。

クラスタのノード (宛先) を検出した後、scitest は、以下のテストを行います。


注 -

scitest は、スケーラブルテストです。SCSI カード 1 枚あたりのインスタンス数は、最高 2 つです。


scitest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.1 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 40-1 scitest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 40-1 scitest のオプション

オプション 

説明 

Target Host (宛先ホスト) 

未使用 

Receive Timeout (受信タイムアウト) 

0 〜 600 秒の範囲で指定します。デフォルトは 120 秒です。 

数値 of Retries (再試行回数) 

エラーフラグを立てるまでの再試行回数を指定します。0 から 128 回の範囲で指定します。 

Print Warning (印刷時警告) 

デフォルトでは無効です。時間切れが発生したときの再試行などの警告エラーを表示する場合は、有効にします。 

scitest のテストモード

scitest は、接続テスト、機能テスト、オンラインの 3 つのモードをサポートしています。選択されたモードに従い、ネットワークデバイスに対して異なる内容のテストが行われます。

表 40-2 scitest のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

○ 

デバイスが接続されているか調べます。すべてのネットワークインタフェースを検索して、指定されたデバイス名が存在するか調べます。デバイスが接続されていなかった場合は、テストは失敗します。接続されていると、そのことを示すメッセージが返されます。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

3 つのテスト (ランダム、増分、パターン) を順に行います。オプションを使用して、非常に負荷の大きいテストを行うことができます。 

機能テスト 

(オンライン) 

○ 

ユーザーのアプリケーションが動作している可能性を考慮して、scitest はアプリケーションに極力テストの影響を与えないように動作します。このためオンラインモードでは、ランダムテストだけを使用します。ネットワークデバイスを共有し、システム資源を使用するので、アプリケーションに対する影響はきわめて小さくなります。

scitest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/scitest 標準引数 -o dev=インタフェース, test=タイプ,packets=個数,pattern=16 進値,delay=秒数, timeout=秒数, retry=回数,warn

表 40-3 scitest のコマンド行構文

引数 

説明 

dev=インタフェース

ネットワークインタフェース名を指定します。デフォルトは、Ethernet ネットワークの le0 です。

test=タイプ

テストのタイプとして、randomincrementpattern のいずれかを指定します。デフォルトは random+increment+pattern です。

packets=個数

ランダム / パターンテストで送信するパケット数を指定します。デフォルトは 256 個です。 

pattern=16 進値

16 進形式でデータパターンを指定します。デフォルトは、00xff の範囲のすべてのパターンです。

delay=秒数

次のサブテストを行うまでの間隔 (単位: 秒) を指定します。デフォルトは 30 秒です。 

timeout=秒数

時間切れにするまでの待ち時間 (単位: 秒) を指定します。デフォルトは 20 秒です。 

retry=回数

テストが時間切れになったときの再試行回数を指定します。デフォルトは 3 回です。 

warn

有効にすると、警告メッセージが表示されます。 


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。