特記事項: hme FastEthernet デバイスドライバ

lance_modeipg0 を使用したパケット送信前の 追加遅延の定義

以下の 2 つの ASIC は、lance_mode という、プログラム可能なモードに対応しています。ipg0 は、lance_mode に関係するパラメタです。

lance_mode が有効な場合は(デフォルトの設定)、ipg0 パラメタを設定することによって、パケットを受信してから送信するまでの間に遅延が追加されます。ipg0 パラメタによって設定されるこの遅延は、ipg1ipg2 パラメタによって設定される遅延に追加されます。ipg0 で追加遅延を設定することによって、衝突を減少させることができます。ただし、lance_mode を有効にしたシステムでは、ネットワーク上で時間が不足する可能性があります。

lance_mode が無効な場合は、ipg0 の値は無視され、追加遅延は設定されません。この場合は、ipg1ipg2 によって設定された遅延だけが使用されます。他のシステムから大量の連続したパケットが送信され続けている場合は、lance_mode を無効にしてください。

追加遅延は、ipg0 パラメタに 0 〜 31 の値を設定することによって設定することができます。これは、ニブル時間で表した遅延です。ニブル時間は、接続上で 4 ビットを送信するために必要な時間です。接続速度が 10 Mbps の場合、ニブル時間は 400 ナノ秒となります。接続速度が 100 Mbps の場合は、40 ナノ秒となります。

たとえば、接続の速度が 10 Mbps で、ipg0 を 20 ニブル時間に設定した場合、追加遅延は 20 × 400 ナノ秒で 8000 ナノ秒になります。接続速度が 100 Mbps で、ipg0 を 30 ニブル時間に設定した場合は、30 × 40 ナノ秒で 1200 ナノ秒になります。

lance_modeipg0 パラメタの定義を表 3–4 に示します。

表 3-4 lance_modeipg0 パラメタの定義

パラメタ 

値 

説明 

lance_mode

lance_mode 無効

lance_mode 有効 (デフォルト)

ipg0

0 〜 31* 

パケット送信前に IPG を追加 

(1 パケット受信後) 

* デフォルト値は 16 ニブル時間です。10 Mbps の場合は 6.4 マイクロ秒、100 Mbps の場合は 0.64 マイクロ秒になります。