Solaris 8 10/00 ご使用にあたって (SPARC 版)

共通デスクトップ環境 (CDE)

Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) の実行時に発生するバグの情報および注意事項について説明します。

Solaris 8 オペレーティング環境で Motif プログラムをコンパイルする時に問題が発生する

Solaris 8 オペレーティング環境で Motif プログラムをコンパイルする時に、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 のいずれかのオペレーティング環境でコンパイルした Motif API を使用している共有ライブラリにリンクすると、コアダンプが発生します。

上記の旧バージョンの Solaris オペレーティング環境でコンパイルされた共有ライブラリは Motif 1.2 を使用しており、Solaris 8 オペレーティング環境でコンパイルされたプログラムは Motif 2.1 を使用しているためです。これはバイナリ互換の問題ではないので、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 オペレーティング環境でコンパイルしたアプリケーションは、Solaris 8 オペレーティング環境において問題なく動作します。

回避方法: Motif ライブラリに直接リンクされている古いバージョンの共有ライブラリがある場合に、Motif ライブラリとその古いバージョンの共有ライブラリの両方にリンクされているプログラムを、Solaris 8 オペレーティング環境でコンパイルするには、次のようなコンパイル行を使用してください。


cc foo.c -o foo -DMOTIF12_HEADERS -I/usr/openwin/include -I/usr/dt/include
-lXm12 -lXt -lX11
foo には、コンパイルするプログラムの名前を指定してください。

sdtwinlst (ウィンドウリスト) および sdtgwm (グラフィカル・ワークスペース・マネージャ) のアイコンが desktop_apps にない (バグ ID: 4360521)

sdtwinlst (ウィンドウリスト) および sdtgwm (グラフィカル・ワークスペース・マネージャ) のアイコンがアプリケーション・マネージャに表示されず、代わりに汎用のアイコンが表示されます。2 つのアクションファイル sdtgwm.dt および sdtwinlst.dt が、ディレクトリ /usr/dt/appconfig/types/C にないことが原因です。

回避方法: アイコンを追加するには:

  1. ディレクトリ /usr/dt/appconfig/type/C に新しいファイル sdtgwm.dt を作成します。

  2. このファイルを編集して、次の内容を挿入します。


    ACTION SDtgwm
    	{
    		LABEL				GWM
    		TYPE					COMMAND
    		EXEC_STRING		sdtgwm
    		ICON					SDtgwm
    		WINDOW_TYPE	  NO_STDIO
    	}

  3. ディレクトリ /usr/dt/appconfig/type/C に新しいファイル sdtwinlst.dt を作成します。

  4. このファイルを編集して、次の内容を挿入します。


    ACTION SDtWinLst
    	{
    		LABEL				Window List
    		TYPE					COMMAND
    		EXEC_STRING		sdtwinlst
    		ICON					SDtWinLst
    		WINDOW_TYPE		NO_STDIO
    	}

  5. 日本語ロケールでアプリケーション・マネージャからこれらのアクションファイルを起動できるように、シンボリックリンクを作成します。


    # cd /usr/dt/appconfig/appmanager/ja/Desktop_Apps
    # ln -s ../../C/Desktop_Apps/SDtgwm SDtgwm
    # ln -s ../../C/Desktop_Apps/SDtWinLst SDtWinLst
    
    # cd /usr/dt/appconfig/appmanager/ja_JP.PCK/Desktop_Apps
    # ln -s ../../C/Desktop_Apps/SDtgwm SDtgwm
    # ln -s ../../C/Desktop_Apps/SDtWinLst SDtWinLst
    
    # cd /usr/dt/appconfig/appmanager/ja_JP.UTF-8/Desktop_Apps
    # ln -s ../../C/Desktop_Apps/SDtgwm SDtgwm
    # ln -s ../../C/Desktop_Apps/SDtWinLst SDtWinLst
    

  6. すべてのアクションが読み込まれたことを確認するために、CDE セッションをいったん終了して、ログインしてください。

ボリュームマネージャが CD-ROM のマウントに失敗することがある (バグ ID: 4355643)

データレイアウトが通常と異なる CD-ROM は、自動的にマウントされないことがあります。この場合、CD-ROM をドライブに挿入した後に、ファイル・マネージャのウィンドウに CD-ROM の内容が表示されません。

回避方法: 手動で CD-ROM をマウントしてください。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ボリュームマネージャを停止します。


    # /etc/init.d/volmgt stop
    

  3. CD-ROM をマウントします。


    # mount -F hsfs -r device_pathname /mnt
    

    device_pathname は、CD-ROM ドライブが接続されているシステム中のパス名です (例:/dev/dsk/c0t6d0s0)


    注 -

    通常 CD-ROM ドライブは製造時に c0t6d0s0 または c0t2d0s0 に接続されていますが、上記のコマンドに使用するパス名が正しいことを確認してください。


  4. ボリュームマネージャを起動します。


    # /etc/init.d/volmgt  start
    

PDA Sync がデスクトップ上の最後のエントリを削除できない (バグ ID: 4260435)

デスクトップから最後のエントリ (たとえば、カレンダの最後のアポイントメント、アドレス帳の最後のアドレスなど) を削除した後に、PDA デバイスに対して同期処理を実行すると、最後のエントリが PDA デバイスからデスクトップに復元されてしまいます。

回避方法: 同期処理を実行する前に、PDA デバイスから最後のエントリを手動で削除してください。

国際化 (複数バイト文字) 対応の PDA デバイスとのデータ交換を PDA Sync がサポートしていない (バグ ID: 4263814)

国際化 (複数バイト文字) 対応の PDA デバイスと Solaris CDE とで、日本語などの複数バイト文字のデータを交換すると、両方の環境において、交換した複数バイト文字データが壊れる場合があります。

回避方法: PDA Sync を実行する前に必ず、PDA デバイスに付属しているバックアップ機能やバックアップユーティリティを使用して、PC などにデータの完全なバックアップをとってください。間違ってデータ交換をしてしまった場合には、バックアップデータからデータを復旧させてください。

PDA Sync のオンラインヘルプ内での操作が無効になる (バグ ID: 4260411)

PDA Sync のメインウィンドウ以外のウィンドウから、ヘルプボタンを使用してヘルプを起動した場合、表示されたヘルプに対する操作ができないことがあります。

回避方法: PDA Sync のオンラインヘルプは、メインウィンドウから起動したものを使用してください。

[日本語環境のみ] ja_JP.PCK ロケール および ja_JP.UTF-8 ロケールに関する注意事項

[日本語環境のみ] ja_JP.UTF-8 ロケールでは、カレンダ (dtcm) から印刷できない (バグ ID: 4092495)

ja_JP.UTF-8 ロケールでは、カレンダ (dtcm) からの印刷はできません。

[日本語環境のみ] メールプログラムで、日本語をキーワードとして検索できない (バグ ID: 1263296)

メールプログラムで検索を行う際、検索フィールドに日本語が含まれていると、検索が正しく行われません。

メールファイルに該当する文字列が存在する場合でも、「一致するものがありません」と表示されます。

[日本語環境のみ] 移動メニューの設定で追加したメールボックス名が文字化けする (バグ ID: 4066565)

Solaris CDE 1.2 より前のメールプログラムで、オプションメニューの「移動メニューの設定」で登録したメールボックス名に日本語文字列が含まれている場合、Solaris CDE 1.2 以降のメールプログラムではそれらのメールボックス名が文字化けすることがあります。

回避方法: Solaris CDE 1.2 あるいは Solaris CDE 1.3 のメールプログラムで、再度登録してください。

[日本語環境のみ] メールプログラムのツールバーボタンに不要なニーモニックが表示される (バグ ID: 4064006)

メールプログラムのツールバーボタンをテキスト表示に設定している場合、ニーモニックが表示されていますが、キーボード上でこれらのツールバーを操作することはできません。

[日本語環境のみ] 日本語名のファイルが添付されたメールを転送する際、ファイル名が復号化されないで表示される (バグ ID: 4305194)

日本語ファイル名を持つファイルが添付されたメールを受け取った場合、このメールを転送しようとすると、添付ファイルのファイル名が復号化されないで表示されることがあります。転送する前に復号化されずに表示されていても、転送先では復号化された状態で表示されるので、そのままそのメールを転送しても問題はありません。

[日本語環境のみ] サブジェクトが日本語のメールに対して不在返信通知をする場合、不在返信メッセージ内のサブジェクトの部分が文字化けする (バグ ID: 4294887)

「不在返信」を設定した場合、日本語サブジェクトのついたメールなど、MIME エンコーディングされたメールに対して、不在返信メッセージのサブジェクトの部分が文字化けします。

回避方法: 不在返信メッセージ内に「$SUBJECT」を使わないでください。

[日本語環境のみ] ja_JP.UTF-8 ロケールで本文に韓国語等の他言語を含むメールを送信する場合の注意事項

ja_JP.UTF-8 ロケールでメールを送信する際のエンコーディングは、デフォルトで ISO-2022-JP です。そのため、英語および日本語だけを含む場合は問題ありませんが、韓国語等の他言語を含む場合、受信側で文字化けが発生する可能性があります。

回避方法: 新規メッセージウィンドウの「書式」メニューの「文字セットを変更」で「UTF-8」に変更してから、メールを送信してください。だたし、「UTF-8」に変更した場合でも、サブジェクトの文字セットは変更できません。サブジェクトには英語または日本語だけを使用する必要があります。なお、新規メッセージウィンドウでは、「Ctrl-Y」キーによる文字セットの変更は機能しません。

[日本語環境のみ] ja_JP.UTF-8 ロケールでウィンドウリスト (sdtwinlst) およびグラフィカル・ワークスペース・マネージャ (sdtgwm) を使用する際の注意事項

バグ 4343812 が原因で、次の問題が発生します。

ja ロケールおよび ja_JP.PCK ロケール上で sdtwinlst および sdtgwm を使用する場合には、この問題は起こりません。