Solaris 8 オペレーティング環境の概要

言語サポート

この Solaris 8 オペレーティング環境は、90 個以上のロケールのサポート、言語のインストールに使用できる新しい直感的なインタフェース、拡張された Unicode サポート、機能向上したデータ相互運用性ユーティリティなどを提供します。

広範囲の言語のサポート

Solaris 8 オペレーティング環境では、Solaris 8 Software CD と Solaris 8 Languages CD の両方で、37 種類の言語に対応する 90 個以上のロケールがサポートされています。

Solaris 8 Software CD には、テキストを目的の言語 (複数バイトロケールを含む) で入力、表示、および印刷するための英語インタフェースが含まれます。さらに、Languages CD には、各言語対応のインタフェースと文書も含まれます。

この新しいパッケージ方式により国際市場をねらったアプリケーションの開発とテストが大幅に単純化されるとともに、英語以外による開発や製品環境を設定するためにメディアキットを別途購入する必要がなくなりました。

ロケールのインストールメカニズムも変更されました。以前の Solaris リリースでは、オペレーティング環境に含まれるヨーロッパ系のロケールサポートはインストールされるソフトウェアクラスタで決まりました。Solaris 8 オペレーティング環境の新しいインストールインタフェースを使用すると、必要なロケールサポートを地域ごとにインストールできます。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

言語のインストールと設定の改良

Solaris 8 オペレーティング環境に含まれる単一の言語または 37 種類の言語すべてをインストールする場合でも、設定とインストールが簡単に行えるようになりました。

Solaris 8 CD のパッケージが変更されたことにより、複数の言語をインストールするのに必要なインストールサーバーのディスク容量が縮小されました。また、インストールインタフェースの変更 (ロケールの地域によるグループ化) により、ロケールの選択が容易になりました。

詳細は、『Solaris 8 インストールガイド (SPARC 版)』または『Solaris 8 インストールガイド (Intel 版))』を参照してください。

Unicode のサポート拡張

Solaris 8 オペレーティング環境では Unicode のサポートが拡張され、簡体中国語と繁体中国語の新しい Unicode (UTF-8) ロケールがサポートされました。

また、CTL (Complex Text Layout) の文字も完全にサポートされるようになりました。このため、アラビア語、ヘブライ語、タイ語のように双方向性があり、コンテキストによって形状が変化する文字を Unicode ロケールで正しく描画できます。

Unicode は、単一の環境で複数の言語のテキストを表示しなければならないような混合文字環境でよく使用されます。日時や貨幣の形式、照合など、文化固有のきまりをサポートする必要がある場合、Solaris に提供されている複数の Unicode ロケールは非常に便利です。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

拡張可能なコードセット変換機能 (geniconvtbl)

Solaris 8 オペレーティング環境では、開発者は geniconvtbl ユーティリティを使用してユーザー定義のコードセットコンバータを作成できます。テーブル方式でコードセットを作成でき、新しいコードセット変換も簡単に追加できます。

このため、標準のシステムユーティリティおよびインタフェース (iconv(1)iconv(3C) など) で、独自に設定されたカスタマイズ可能なコードセット変換を使用できます。この新しい機能は、アプリケーションが互換性のないデータ形式 (特にメーカー独自のアプリケーションや従来のアプリケーションのデータ) を扱う機能を向上させます。既存の Solaris コードセット変換を変更することもできます。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

データの相互運用性の改良

Solaris 8 では、次の iconv データ変換ユーティリティが追加され、Solaris 以外の環境とのデータの相互運用性が改良されました。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

新しいロケールの追加

Solaris 8 には、アイスランド語ロケール (ISO8859-15) とロシア語ロケール (ANSI1251) の 2 つが新しく追加されました。この新しいロシア語ロケールは、既存のロシア語ロケール (8859-5) に改良を加えたもので、ネイティブの Microsoft データエンコーディングをサポートします。

詳細は、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。