OpenBootTM PROM (OBP) には、IDN を有効にするために変更する必要のある IDN 関連の変数が 1 つあります。この変数は、SMR (Shared Memory Region: 共有メモリー領域) サイズ変数である idn-smr-size です。この変数には、SMR のサイズをメガバイト単位で指定します。値を 0 に設定すると、IDN ネットワーキングが無効になります。0 以外の値は、SMR のために予約されたカーネル空間のメガバイト数を示します。idn-smr-size のデフォルト値は、0 です。
SMR が大きいほど、データ転送に利用できるバッファの数が多くなります。ただし、ある一定のサイズを超えると、SMR を大きくしてもそれ以上の利点はありません。idn-smr-size の推奨値は、通常の用途に十分な 32 メガバイトです。最大値は、96 メガバイトです。
idn-smr-size の値は、OBP プロンプトでのみ設定することができます。新たな値を有効にするには、ドメインを再起動する必要があります。ただし、idn.conf ファイル中の idn_smr_size 変数を使用して、SMR の実際のサイズを削減することができます。
IDN 内にあるすべてのドメインでは、idn-smr-size が同じ値である必要があります。idn-smr-size の値が正しくないドメインがある場合、またはこの値を IDN 全体で変更したい場合は、対象のドメインを再起動して OBP プロンプトを表示し、この変数を設定し直します。
netcon(1M) ウィンドウで、スーパーユーザーとしてドメインにログインします。
ドメインを起動または停止して OBP プロンプトを表示し、以下の例のように setenv コマンドを使用して OBP 変数を設定します。
<#O> ok setenv idn-smr-size size |
ドメインを再起動します。
再起動に成功したら、OBP の設定を確認します。
<#O> ok cd /memory <#O> ok .properties |
2 番目のコマンドにより、以下の例のような、OBP 変数とその設定の一覧が表示されます。
idn-smr-size 00 00 00 20 idn-smr-addr 00 00 00 0a 7d 3f 00 00 00 00 00 00 02 00 00 00 dr-max-mem 00 00 9c 40 reg 0000000a 00000000 00000000 80000000 available 0000000a 7fff0000 00000000 00004000 0000000a 7fcd8000 00000000 00016000 0000000a 00000000 00000000 7189e000 name memory |
SMR の割り当てに成功した場合は、idn-smr-addr の値は、SMR のベース物理アドレス (例 0xA7D3F0000) とバイト単位のサイズ (例 0x2000000) を表す、0 でない値になります。