SunVTS 4.2 テストリファレンスマニュアル

第 55 章 SuperI/O テスト (sutest)

sutest は、システムボード上のシリアルポート (su[0,1]) を検査します。データは非同期モードで、様々なループバックパスを使用して、読み取り・書き込みが行われます。このモードでは、使用するループバックパスと、転送するデータの大きさ、ボーレートを選択することができます。

このテストは、ループバックパスを使用してデータを書き込んでから読み取り、元のデータと照合します。最初に 1 文字を送信し、エラーも時間切れも検出されない場合に、残りのデータを同時に読み書きして、照合します。

このテストでは、非同期通信プロトコルが使用されます。ポートの構成には、termio (7I) インタフェースが使用されます。

CPU 0 の場合、CPU ボード (マザーボード) 上のポート a が su0 非同期デバイスを使用し、ポート b は su1 を使用します。

このテストを実行するには、Intervention モードを有効にする必要があります。

sutest は、スケーラブルテストではありません。

ループバックコネクタ

このテストには、ヌルモデムとプラグコネクタが必要です (これらについては、付録 A 「ループバックコネクタ」を参照してください)。

様々なループバックパスが使用できます。必要とされるループバックコネクタのタイプは、システム入出力パネルの構成によって異なります。

Null Modem a to b オプションのループバックは、メス-メス型プラグになります。このプラグのピン構成は、「9 ピンポート間ループバックケーブル」で説明されているピン構成と同じです。

Plug a to a オプションのループバックについては、「9 ピンメス単一ポートループバックプラグ」を参照してください。


注 -

sutest は、ポート a、bの組み合わせだけでなく、どのポートの組み合わせにも対応します。


sutest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、用意されたグループを展開する必要があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.2 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 55-1 sutest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 55-1 sutest のオプション

オプション 

説明 

Test Type 

テストの実行方法として以下のいずれかを選択します。 

o a= ポート a でテストを実行

o b= ポート b でテストを実行

o a_b= ポート a、b の順でテストを実行

o a_b_concurrent= ポート a と b で同時にテストを実行

Loopback Type 

ループバックテスト方法として以下のいずれかを選択します。 

o Plug_a_to_a_b_to_b ―外部ループバックプラグを使用します (a、b、a_b、a_b_concurrent テストタイプで有効)。

o null_modem_a_to_b ―外部ループバックケーブルを使用します (a_to_b、a_to_b_concurrent テストタイプで有効)。

Data Type 

転送するデータパターンとして以下のいずれかを選択します。 

o Random

o Sequential

o Alphanumeric

o 0x00-0xff

Async Baud Rate 

非同期モードテスト時のボーレートを選択します。有効な値は、50、110、300、600、1200、4800、9600、19200、38400、57600、115200、ALL で、デフォルトは 9600 です。一部のプラットフォームでは、38400 または 76800 までのボーレートしかサポートされていません。サポートされているよりも速いボーレートを試みると、エラーが返されます。153600 を超えるボーレートを使用するには、シリアル回線ドライバを RS-232 モードではなく、RS-423 モードに設定する必要があります。通常、この RS-423 と RS-232 モードの選択は、マザーボード上のジャンパを使用して行います。詳細は、使用するハードウェアのインストールマニュアルを参照してください。 

User Defined Baud Rate 

新しいボーレートを指定できます。Async Baud Rate メニューから User Defined オプションを選択して、User Definde Baud Rate フィールドに新しい値を入力します。 

Async Data Size 

非同期モードで転送する総バイト数を指定します。有効な値は、1 から 100 の範囲です。 

Async Flow Control 

非同期モードテストで使用するフロー制御方式として、Hardware (RTS/CTS)、Software (XON/XOFF)、None のいずれかを選択します。デフォルトは、ループバックのタイプの指定によって異なります。a、b、a_b_concurrent テストタイプで、Software フロー制御を使用することはできません。

sutest のテストモード

sutest は、SunVTS の 3 つのテストモードをすべてサポートしています。

表 55-2 sutest のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

○ 

ポートを開いて、デバイスが接続されているかどうかを判定を試みます。ポートがビジーではないのに開けなかった場合は、テストは終了してエラーが返されます。ポートが開いたか、ビジーまたは排他使用エラーでポートを開けなかった場合は、デバイスがポートに接続されているとみなされ、テストは成功したことになります。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

選択されたループバックテストを行います。 

機能テスト 

(オンライン) 

○ 

動作中のアプリケーションに可能な限りテストの影響を与えないように動作します。オンラインテストは、非同期モードで動作します。 

sutest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/sutest 標準引数 -o dev=デバイス名, porta=第1ポート名,T=テストタイプ,L=ループバックタイプ,D=データパターン, AB=非同期時ボーレート,BS=非同期時書き込みサイズ,F=フロー制御

表 55-3 sutest のコマンド行構文

引数 

説明 

dev=デバイス名

テストするシリアルポートを指定します。デフォルト値はないため、以下のような形式で必ず指定する必要があります。 

  • su0

porta=ポート名

シリアルデバイスペアの最初のデバイス名を指定します。デフォルトは a です。

T=テストタイプ

実行するテストのタイプとして以下のいずれかを指定します。 

  • a= ポート a でテストを実行

  • b= ポート b でテストを実行

  • a_b= ポート a、b の順にテストを実行

  • a_b_concurrent= ポート a と b で同時にテストを実行

  • a_to_b= ポート a からポート b にテストを実行

L=ループバックタイプ

ポートに接続するループバックコネクタのタイプとして、以下のいずれかを指定します。 

  • Null_modem_a_to_b

  • Plug_a_to_a__b_to_b

D=データパターン

転送するデータパターンを指定します。指定可能な値は以下のいずれかです。 

  • Random

  • Sequential

  • Alphanumeric

  • 0x00-0xFF

AB=ボーレート

非同期モードでのボーレートを指定します (デフォルト =9600)。有効な値は、110 から 460800 の範囲です。

 

注: 一部のプラットフォームでは、38400 または 76800 までのボーレートしかサポートされていません。153600 を超えるボーレートを使用するには、シリアル回線ドライバを RS-232 モードではなく、RS-423 モードに設定する必要があります。 

BS=書き込みサイズ

非同期モードでの書き込みブロックサイズを 1 から 10000 バイトの範囲で指定します。 

F=フロー制御

非同期モードでのフロー制御方法として、以下のいずれかを指定します。 

  • Hardware (RTS/CTS)

  • Software (xon/xoff)

  • None


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/ テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」 を参照してください。