Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

はじめに

Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』では、SolarisTM のカーネルとネットワークのチューニング可能パラメータに関する参照情報を掲載しています。このマニュアルには、CDE や JavaTM 環境に関するチューニング可能パラメータの情報は記載していません。

このマニュアルは、SPARCTM ベースシステムと IA ベースシステムの両方の情報を記載しています。


注 -

Solaris オペレーティング環境は、2 種類のハードウェア (プラットフォーム) 上で動作します。つまり、SPARC と IA (Intel アーキテクチャ) です。Solaris オペレーティング環境は、64 ビットと 32 ビットの両方のアドレス空間で動作し、IA では 32 ビットのアドレス空間でのみ動作します。このマニュアルで説明する情報は、章、節、注、箇条書き、図、表、例、またはコード例において特に明記しない限り、両方のプラットフォームおよびアドレス空間に該当します。


対象読者

Solaris システムの管理者は、状況によっては、カーネルのチューニング可能パラメータを変更しなければならない場合があります。このマニュアルは、このような習熟した Solaris システム管理者を対象としています。Solaris のチューニング可能パラメータの変更に関するガイドラインについては、「Solaris システムのチューニング」を参照してください。

内容の紹介

このマニュアルは、次の章から構成されています。

章 

内容 

第 1 章「Solaris システムのチューニングの概要」

Solaris システムのチューニングに関する概要、およびこのマニュアルでカーネルのチューニング可能パラメータの説明に使用する形式の説明 

第 2 章「Solaris カーネルのチューニング可能パラメータ」

Solaris カーネルのチューニング可能パラメータの説明 (カーネルメモリーやファイルシステム、プロセスサイズ、ページングのパラメータなど) 

第 3 章「NFS チューニング可能パラメータ」

NFS チューニング可能パラメータの説明 (シンボリックリンクのキャッシュや、動的再転送、RPC セキュリティのパラメータなど) 

第 4 章「TCP/IP チューニング可能パラメータ」

TCP/IP のチューニング可能パラメータの説明 (IP 転送やソースルーティング、バッファサイジングのパラメータなど) 

第 5 章「システム機能のパラメータ」

特定のシステム機能のデフォルト値を変更するためのパラメータの説明。変更するには、/etc/default ディレクトリにあるファイルを変更します。

付録 A 「チューニング可能パラメータの変更履歴」

変更や廃止されたパラメータの履歴 

付録 B 「このマニュアルの改訂履歴」

このマニュアルの改訂履歴 (現行の Solaris リリースバージョンを含む) 

関連マニュアル

Solaris システムのチューニングには、次の書籍が参考になります。

Solaris のチューニングに関するその他の情報源

さらに、Solaris のチューニングに関する情報として次のものがあります。

目的 

参照先 

パフォーマンスチューニングクラス 

http://suned.sun.com

オンラインパフォーマンスチューニング情報 

http://www.sun.com/sun-on-net/performance

Sun Microsystems Press によるパフォーマンスチューニング関連の文書の注文 

http://www.sun.com/books/blueprints.series.html

Sun のマニュアルの注文方法

専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。

マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。

Sun のオンラインマニュアル

http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P-1 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

system%

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

system% su

password:

AaBbCc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

¥ 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

sun% grep `^#define ¥
  XV_VERSION_STRING'

ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。

一般規則