Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

Sun4u 特有

consistent_coloring

説明

Solaris 2.6 リリースから、UltraSPARC (sun4u) プラットフォームでさまざまなページ配置ポリシーを使用する機能が導入されました。ページ配置ポリシーは、L2 キャッシュの使用が最適化されるように物理ページアドレスを割り当てようとするものです。デフォルトアルゴリズムとしてどのアルゴリズムが選択されたとしても、特定のアプリケーション群にとって、そのアルゴリズムが別のアルゴリズムよりも適していない可能性があります。この変数は、システムのすべてのプロセスに適用される配置アルゴリズムを変更します。

メモリーは、L2 キャッシュのサイズに基づいて区画に分割されます。マップされていないページでページフォルトが最初に起こると、ページ配置コードは 1 つの区画から 1 つのページを割り当てます。選択されるページは、次の 3 つのアルゴリズムのどれが使用されているかによって異なります。

  • ページ彩色 - ページが選択される区画は、仮想アドレスのさまざまなビットに基づいて決められます。Solaris 8 リリースでは、これがデフォルトのアルゴリズムです。このアルゴリズムを使用するには、consistent_coloring をゼロに設定します。このアルゴリズムでは、プロセス別の履歴はありません。

  • 仮想アドレス = 物理アドレス - プログラム内の連続するページに、連続する区画からページを選択します。このアルゴリズムを使用するには、consistent_coloring に 1 を設定します。このアルゴリズムでは、プロセス別の履歴はありません。

  • 区画飛び越し - プログラム内の連続するページに、通常、1 つおきの区画からページを割り当てます。ただし、このアルゴリズムは、ときには 2 つ以上の区画を飛び越すこともあります。このアルゴリズムを使用するには、consistent_coloring に 2 を設定します。各プロセスは、無作為に選択された区画から開始し、割り当てられた最後の区画のプロセスごとの記録が保管されます。

動的か

はい

検査

なし。値が 2 より大きいと、「WARNING: AS_2_BIN: bad consistent coloring value」メッセージがいくつかコンソールに表示され、その後すぐにシステムがハングします。復旧には、電源を再投入する必要があります。

どのような場合に変更するか

システムの主な作業負荷が、長い時間動作するハイパフォ−マンスコンピューティング (HPC) アプリケーションである場合。この値を変更すると、パフォーマンスが向上することがあります。ファイルサーバーやデータベースサーバー、それに多数のアクティブプロセスが動作するシステム (たとえばコンパイルやタイムシェアリングサーバーなど) では、この値を変更しても効果はありません。

コミットレベル

変更の可能性あり