Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

autoup

説明

個々の呼び出しでダーティーページに関して検査するメモリー量と、ファイルシステム同期操作の頻度を、tune_t_flushr とともに制御します。

さらに、autoup の値は、空リストからバッファを書き出すかどうかの制御にも使用されます。B_DELWRI フラグが付いているバッファ (変更されているファイルコンテンツページ) は、空リストに置かれている時間が autoup 秒を超えると書き出されます。autoup の値を増やすと、バッファがメモリーに置かれている時間が長くなります。

データ型

符号付き整数

デフォルト

30

範囲

1 から MAXINT

単位

動的か

いいえ

検査

autoup がゼロ以下の場合は、30 に再設定され、警告メッセージが出力されます。このチェックが行われるのはブート時だけです。

暗黙的制約

autouptune_t_fsflushr の整数倍で、かつ tune_t_fsflushr の 6 倍以上であるべきです。そうでないと、fsflush が呼び出されるたびに余計なメモリーが走査されます。

dopageflush がゼロでない場合にメモリーをチェックするためには、(全体のシステムページ数 * tune_t_fsflushr) が autoup 以上でなければなりません。

どのような場合に変更するか

autouptune_t_fsflushr の変更が必要になる状況はいくつかあります。

  • 大きなメモリーをもつシステム - この場合には、autoup を増やすと、fsflush の個々の呼び出しで走査されるメモリー量が少なくなります。

  • メモリーの要求量が最小限のシステム - autouptune_t_fsflushr を両方とも増やすと、走査の回数が減ります。autouptune_t_fsflushr の現在の比率を維持するには autoup も増やす必要があります。

  • 一時ファイルの数が多いシステム (メールサーバーやソフトウェアビルドマシンなど) - 多数のファイルが作成されて削除された時、fsflush によって、これらのファイルのデータページがディスクに不必要に書き込まれるおそれがあります。

コミットレベル

変更の可能性あり