Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

rpcmod:cotsmaxdupreqs

説明

コネクション型のトランスポートにおける RPC レベルの再転送を検出する重複要求キャッシュのサイズを制御します。このキャッシュは、クライアントネットワークアドレス、RPC の手順番号、プログラム番号、バージョン番号、および、トランザクション ID でインデックス化されています。このキャッシュにより、非べき等であるかもしれない再転送要求の処理が防止されます (呼び出し回数に依存する)。

データ型

整数 (32 ビット)

デフォルト

1024

範囲

1 から 231 - 1

単位

要求

動的か

はい

検査

キャッシュのサイズは動的に決められますが、キャッシュへの高速アクセスを可能にするハッシュキューのサイズは静的に決められます。キャッシュのサイズを著しく大きくすると、キャッシュ内のエントリの検索に長い時間がかかることがあります。

このパラメータに 0 を設定しないでください。0 を設定すると、NFS サーバーは非べき等の要求を処理できません。

どのような場合に変更するか

NFS クライアントで不正な障害エラーが見られる場合は、このパラメータの値を調べます。たとえば、ディレクトリの作成が失敗したのに、実際にはディレクトリが作成されている場合は、再転送された MKDIR 要求をサーバーが検出しなかった可能性があります。

キャッシュのサイズは、サーバーの負荷に見合ったものでなければなりません。キャッシュには非べき等の要求が格納されるため、キャッシュでは、要求全体の一部だけしか管理する必要がありません。キャッシュは、クライアント側の再転送を検出できるだけの間、情報を保持していなければなりません。一般に、コネクション型のトランスポートのクライアントのタイムアウトは非常に長く、1 分くらいです。したがって、エントリは、キャッシュに比較的長く留まる必要があります。

安定性レベル

変更の可能性あり